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第一章 黒猫の半獣人
12留守番の猛獣、久々の執務室へ
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邸に帰ると、本庭である森に入る手前の庭先の地面には、鉄柱を中心に大きな穴が出来ていた。
鉄柱から伸びる鎖の先には猛獣が繋がれていた筈だが、その姿はない。
代わりに鉄柱の周辺の硬い地面は、無惨に抉れて深い穴が出来ていた。
鎖が千切れないから、繋がる鉄柱そのものを掘り出して、逃げようと試みたらしい。その穴の深さは、ジェイドの身長程もある。底を覗き込むと、土まみれの下着姿の猛獣が丸まっていた。
この鉄柱は地中奥深くまで埋まっているとも知らずに、手掘りをするとは、ご苦労なことだ。
「墓穴にはちょうど良い深さだな、滑り台。埋めてやろうか?」
「……ヴー……」
俯いて唸るばかりでつまらないので、足で土を大量にバサバサかけてやるとやっと慌てて穴から這い出て来た。それで良い。始めから出てくればいいのだ。
「泥遊びを満喫したらそこで身体を洗いなさい」
鉄柱に固定された鎖を解くなり森に向かって走り出そうとしたので、思い切り引っ張って首輪を引いたらステーンと見事に尻から転んだ。どこまでもバカ正直というか力任せというか。
そのまま引き摺って、井戸水で行水させて身体を洗い終えさせてから邸に入れる。これがここ最近の帰宅後のルーチンワークだ。
「ヴッ!ギャヴ!!ヴーッ!」
食事を終えて風呂も終えて寝室に入れば、ベランダの硝子ドアにジェイドが張り付いて外の光景に文句の唸りを上げていた。右奥側に中庭が見えるが、そこを覗き込むようにして吼えている。
ガゴゴ、ガゴン、ゴゴン
重機を使って使用人達がテキパキと庭に空いた穴を埋め直していく。折角数日かけて爪も剥がれながら掘った穴が直ぐに埋められた事にジェイドはご不満らしい。
「ヴッヴッヴーッ!」
バシバシと硝子ドアを叩いて唸るが、外には一切聞こえていない。
主寝室はいまだにリフォーム中なので、予備寝室を今は使っていたが、先日邸内の硝子を全て最新式の物に交換したからそう簡単に割れることはなくなった。
なおもバシバシと硝子を叩くジェイドの両手には、黒い手袋を履かせている。
連日硬い地面を素手で掘ってたせいで、とうとう両手全ての爪が割れて剥がれ落ちていた。
治癒魔法で傷口を治しても爪を早く生えさせることは出来ないし、見苦しい物は見たくも無い。
ベッドボードにもたれながらランティスドールがハッキングしたタブレット端末の情報資料を読んでいると、タブレットに気付いたジェイドが興味津々の顔で近付いて来る。
相変わらず音も気配も無く動く。
ベッドには上がらず端に立ち、覗き込むようにしているので、タブレットの画面をスクロールさせて見せると、無言で驚いてるのが手に取るように分かる。
今度は横にスワイプしてみせると、息を呑んで驚いていた。
結局ジェイドは大人しくなった。
私の直ぐ隣に座りこんで、タブレットの画面を凝視することによって。
沢山の資料を確認している間に、ジェイドは眠くなって来たらしいが、この画面を見ていたいらしい。私の肩に頭を乗せて固定してまで見下ろしている。
資料の内容は何も理解してないだろう。
私の領地内にばら撒かれた監視用の魔術道具や魔法道具やらのリストと、配置図。その道具を融通した協力者達と情報共有された事案などやら。他人の生活を覗き見して何が楽しいのやら。
ふスー、すー…、すふー…
暫くすると、寝入った鼻息が肩口から聞こえてきたので、横目で確かめればジェイドが頭を乗せたまま間抜け面を晒してスヤスヤ眠っていた。
凶暴な野生動物には、力関係を分からせるのが一番手っ取り早い。
しかもジェイドは本当に強くなって、この短期間で急成長を遂げている。それが面白くて私は思う存分に楽しんでいた。
だが実は結構簡単なことでこの野生動物を手懐けられるのかもしれない。
そんな事を思いながら、十三年振りにジェイドを同じベッドで寝かせながら、共に寝た。
「多少大きいが、まあ良いだろう」
三日後の朝。今日は仕事終わりにランティスドールの家に直接向かう為、ジェイドも同行出勤させる。
その為に私のお古の服を着せた。袖が余りダボついてはいるが、まぁ許容範囲だ。
嫌がるジェイドに下穿きとブーツも履かせたが、腰元が尻尾でごわついてむずがるので、ナイフで適当に切れ目を入れた所から尻尾を出させた。そういえば、服を着せたのはいつ振りだろう。もしかして荷袋に入れて連れ歩いてた時期以来か?
「ヴゥ……ヴゥ……」
本人も慣れない感覚らしく仕切りに服を触って引っ張ったりとソワソワと落ち着かない様だが、そんなジェイドを翼竜の背中に乗せて本部のある首都圏に向かえば、到着した時にはすっかり青褪めて翼竜の背に張り付いて固まっていた。
「滑り台、降りて来い。もう着いたぞ」
「……ヴゥ……」
そういえば、ジェイドが翼竜にしっかり乗ったのは初めてだったかもしれない。これまでは荷袋に詰めて飛んでいたから。身体が強張って動かないのか、いつまで経っても背中に張り付いて動かないジェイドに翼竜の方が先に痺れを切らして地面に振り落とされていた。
「おはようございます、ユノスティアス様」
「ご機嫌よう、ユノスティアス殿」
本部の翼竜発着場から執務室に向かう道すがらすれ違う者たちが挨拶をして来る度に、ジェイドはビクビクと反応しては私を壁にして相手から距離を取る。本部内をキョロキョロと視線を忙しなく動かして耳もピクピクと動かす落ち着きのない様子に、ここで脱走する気かと横目で監視していれば、私の少し後ろを歩いていたのが今ではピッタリ張り付くように着いて来る。
そういえば、こうして本部内の廊下を歩かせるのも初めてだったかもしれない。ずっと移動は荷袋に詰めていたから。
執務室に着くと見た事のある部屋に入って分かり易く安堵したジェイドは、いつも遊んでいた隅の床に座り込んだ。背丈が伸びて座ったまま覗き込めるようになった室内窓からの眺めに興味津々で、張り付くようにして本部内の吹き抜けのエントランスを見つめている。
「失礼します……」
「……」
私が出勤すると直ぐに秘書官がいつもの朝のコーヒーを淹れて持って来たが、執務室に入るなり隅のジェイドの姿を見て一瞬固まり、ジェイドも固まっていた。尻尾が綿飴の様に膨らんでいるから、相当油断してたらしい。
彼女も手鞠の様なサイズのジェイドを知ってたからだろう、突然大きなワークチェアサイズになったジェイドの姿に動揺するも一瞬で、直ぐに執務机にコーヒーカップを置いて「本日の予定表です」といつものバインダーを置く。
私がそれを開いて確認してる間も、秘書官は目の端で室内窓のそばに蹲る大きな男を見ていたし、ジェイドも肩越しに振り向いて固まったまま微動だにしない。
「水とオレンジジュースを。来客は全て午後に」
「畏まりました」
いつもジェイドを連れて来ると用意させてた飲み物を頼みながら業務内容を確認した私の指示を聞いた秘書官はサッと踵を返して部屋を出て行く。すると入れ替わりのように窓辺からサッと執務机の裏に来たジェイドはその場に座り込む。
「どうした、滑り台。景色を眺めなくていいのか」
「……」
私の足元に背を向けて蹲ったジェイドは無言で唸り声も上げない。暫くして秘書官が以前より大きなグラスに入れた水とオレンジジュースを持って来たが、ジェイドの姿が消えてる事に一瞬アレっという顔をしている。
いつものように遊び場の隅の床にグラスを二つ置くと、豆菓子を入れた小皿もそっと置く。
ジェイドに餌付けしてたのはランティスドールだけでは無い。この秘書官を始め、意外といる。
敏感に豆菓子の匂いを嗅ぎつけたジェイドが執務机の後ろから頭だけ覗かせたのを見た秘書官は、表情ひとつ変えずにまた部屋を出て行く。
サッと元の遊び場の隅の床に戻ったジェイドは水を一息に飲むと、オレンジジュースを手にして豆菓子の小皿を窓枠に置いた。そして窓辺に座り込んで景色を眺めながらちびちび舐めるようにジュースを飲み、豆菓子をポリポリ一粒ずつ食べ始める。
執務机の上の山積み書類の光景はいつも気が滅入るが、今日は然程でもない。
書類を片す度、次の書類を取る為に山積み書類を見ると、その向こう側には室内窓からエントランスを見下ろすジェイドの横顔と、ピンと立ち時折りゆらゆらと揺れる尻尾が見える。
気付けば午前中のうちに普段以上の量を片付けていた。
鉄柱から伸びる鎖の先には猛獣が繋がれていた筈だが、その姿はない。
代わりに鉄柱の周辺の硬い地面は、無惨に抉れて深い穴が出来ていた。
鎖が千切れないから、繋がる鉄柱そのものを掘り出して、逃げようと試みたらしい。その穴の深さは、ジェイドの身長程もある。底を覗き込むと、土まみれの下着姿の猛獣が丸まっていた。
この鉄柱は地中奥深くまで埋まっているとも知らずに、手掘りをするとは、ご苦労なことだ。
「墓穴にはちょうど良い深さだな、滑り台。埋めてやろうか?」
「……ヴー……」
俯いて唸るばかりでつまらないので、足で土を大量にバサバサかけてやるとやっと慌てて穴から這い出て来た。それで良い。始めから出てくればいいのだ。
「泥遊びを満喫したらそこで身体を洗いなさい」
鉄柱に固定された鎖を解くなり森に向かって走り出そうとしたので、思い切り引っ張って首輪を引いたらステーンと見事に尻から転んだ。どこまでもバカ正直というか力任せというか。
そのまま引き摺って、井戸水で行水させて身体を洗い終えさせてから邸に入れる。これがここ最近の帰宅後のルーチンワークだ。
「ヴッ!ギャヴ!!ヴーッ!」
食事を終えて風呂も終えて寝室に入れば、ベランダの硝子ドアにジェイドが張り付いて外の光景に文句の唸りを上げていた。右奥側に中庭が見えるが、そこを覗き込むようにして吼えている。
ガゴゴ、ガゴン、ゴゴン
重機を使って使用人達がテキパキと庭に空いた穴を埋め直していく。折角数日かけて爪も剥がれながら掘った穴が直ぐに埋められた事にジェイドはご不満らしい。
「ヴッヴッヴーッ!」
バシバシと硝子ドアを叩いて唸るが、外には一切聞こえていない。
主寝室はいまだにリフォーム中なので、予備寝室を今は使っていたが、先日邸内の硝子を全て最新式の物に交換したからそう簡単に割れることはなくなった。
なおもバシバシと硝子を叩くジェイドの両手には、黒い手袋を履かせている。
連日硬い地面を素手で掘ってたせいで、とうとう両手全ての爪が割れて剥がれ落ちていた。
治癒魔法で傷口を治しても爪を早く生えさせることは出来ないし、見苦しい物は見たくも無い。
ベッドボードにもたれながらランティスドールがハッキングしたタブレット端末の情報資料を読んでいると、タブレットに気付いたジェイドが興味津々の顔で近付いて来る。
相変わらず音も気配も無く動く。
ベッドには上がらず端に立ち、覗き込むようにしているので、タブレットの画面をスクロールさせて見せると、無言で驚いてるのが手に取るように分かる。
今度は横にスワイプしてみせると、息を呑んで驚いていた。
結局ジェイドは大人しくなった。
私の直ぐ隣に座りこんで、タブレットの画面を凝視することによって。
沢山の資料を確認している間に、ジェイドは眠くなって来たらしいが、この画面を見ていたいらしい。私の肩に頭を乗せて固定してまで見下ろしている。
資料の内容は何も理解してないだろう。
私の領地内にばら撒かれた監視用の魔術道具や魔法道具やらのリストと、配置図。その道具を融通した協力者達と情報共有された事案などやら。他人の生活を覗き見して何が楽しいのやら。
ふスー、すー…、すふー…
暫くすると、寝入った鼻息が肩口から聞こえてきたので、横目で確かめればジェイドが頭を乗せたまま間抜け面を晒してスヤスヤ眠っていた。
凶暴な野生動物には、力関係を分からせるのが一番手っ取り早い。
しかもジェイドは本当に強くなって、この短期間で急成長を遂げている。それが面白くて私は思う存分に楽しんでいた。
だが実は結構簡単なことでこの野生動物を手懐けられるのかもしれない。
そんな事を思いながら、十三年振りにジェイドを同じベッドで寝かせながら、共に寝た。
「多少大きいが、まあ良いだろう」
三日後の朝。今日は仕事終わりにランティスドールの家に直接向かう為、ジェイドも同行出勤させる。
その為に私のお古の服を着せた。袖が余りダボついてはいるが、まぁ許容範囲だ。
嫌がるジェイドに下穿きとブーツも履かせたが、腰元が尻尾でごわついてむずがるので、ナイフで適当に切れ目を入れた所から尻尾を出させた。そういえば、服を着せたのはいつ振りだろう。もしかして荷袋に入れて連れ歩いてた時期以来か?
「ヴゥ……ヴゥ……」
本人も慣れない感覚らしく仕切りに服を触って引っ張ったりとソワソワと落ち着かない様だが、そんなジェイドを翼竜の背中に乗せて本部のある首都圏に向かえば、到着した時にはすっかり青褪めて翼竜の背に張り付いて固まっていた。
「滑り台、降りて来い。もう着いたぞ」
「……ヴゥ……」
そういえば、ジェイドが翼竜にしっかり乗ったのは初めてだったかもしれない。これまでは荷袋に詰めて飛んでいたから。身体が強張って動かないのか、いつまで経っても背中に張り付いて動かないジェイドに翼竜の方が先に痺れを切らして地面に振り落とされていた。
「おはようございます、ユノスティアス様」
「ご機嫌よう、ユノスティアス殿」
本部の翼竜発着場から執務室に向かう道すがらすれ違う者たちが挨拶をして来る度に、ジェイドはビクビクと反応しては私を壁にして相手から距離を取る。本部内をキョロキョロと視線を忙しなく動かして耳もピクピクと動かす落ち着きのない様子に、ここで脱走する気かと横目で監視していれば、私の少し後ろを歩いていたのが今ではピッタリ張り付くように着いて来る。
そういえば、こうして本部内の廊下を歩かせるのも初めてだったかもしれない。ずっと移動は荷袋に詰めていたから。
執務室に着くと見た事のある部屋に入って分かり易く安堵したジェイドは、いつも遊んでいた隅の床に座り込んだ。背丈が伸びて座ったまま覗き込めるようになった室内窓からの眺めに興味津々で、張り付くようにして本部内の吹き抜けのエントランスを見つめている。
「失礼します……」
「……」
私が出勤すると直ぐに秘書官がいつもの朝のコーヒーを淹れて持って来たが、執務室に入るなり隅のジェイドの姿を見て一瞬固まり、ジェイドも固まっていた。尻尾が綿飴の様に膨らんでいるから、相当油断してたらしい。
彼女も手鞠の様なサイズのジェイドを知ってたからだろう、突然大きなワークチェアサイズになったジェイドの姿に動揺するも一瞬で、直ぐに執務机にコーヒーカップを置いて「本日の予定表です」といつものバインダーを置く。
私がそれを開いて確認してる間も、秘書官は目の端で室内窓のそばに蹲る大きな男を見ていたし、ジェイドも肩越しに振り向いて固まったまま微動だにしない。
「水とオレンジジュースを。来客は全て午後に」
「畏まりました」
いつもジェイドを連れて来ると用意させてた飲み物を頼みながら業務内容を確認した私の指示を聞いた秘書官はサッと踵を返して部屋を出て行く。すると入れ替わりのように窓辺からサッと執務机の裏に来たジェイドはその場に座り込む。
「どうした、滑り台。景色を眺めなくていいのか」
「……」
私の足元に背を向けて蹲ったジェイドは無言で唸り声も上げない。暫くして秘書官が以前より大きなグラスに入れた水とオレンジジュースを持って来たが、ジェイドの姿が消えてる事に一瞬アレっという顔をしている。
いつものように遊び場の隅の床にグラスを二つ置くと、豆菓子を入れた小皿もそっと置く。
ジェイドに餌付けしてたのはランティスドールだけでは無い。この秘書官を始め、意外といる。
敏感に豆菓子の匂いを嗅ぎつけたジェイドが執務机の後ろから頭だけ覗かせたのを見た秘書官は、表情ひとつ変えずにまた部屋を出て行く。
サッと元の遊び場の隅の床に戻ったジェイドは水を一息に飲むと、オレンジジュースを手にして豆菓子の小皿を窓枠に置いた。そして窓辺に座り込んで景色を眺めながらちびちび舐めるようにジュースを飲み、豆菓子をポリポリ一粒ずつ食べ始める。
執務机の上の山積み書類の光景はいつも気が滅入るが、今日は然程でもない。
書類を片す度、次の書類を取る為に山積み書類を見ると、その向こう側には室内窓からエントランスを見下ろすジェイドの横顔と、ピンと立ち時折りゆらゆらと揺れる尻尾が見える。
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