17 / 26
1章
15話 対峙
しおりを挟む
デルイの屋敷に向かっていたリザの足が突然止まる。
「どうしたんだ、いきなり?」
「いや、ちょっと不自然な魔力の集まりが幾つか確認したから」
「それって、デルイが魔法を使ってるってことか?」
「そうね。しかし、隠蔽魔法を一つも使ってないなんて……煽ってるのかしら」
「もしかしたら使えないのかもな」
「……その程度の人間が学院、しかもアテナルの名前を出さないで欲しいのだけど。まぁいいわ、とりあえず先へ進みましょうか」
「大丈夫なのか?」
「えぇ。まだ距離はあるし、そもそも魔法の発動箇所が分かってるから何とでもできるわ」
「……頼りになるよ、ほんとに」
魚群探知機を初めて使った人間も同じような気持ちなのだろうか。よく分からないが。
それから特に何も起きる事なく、デルイの豪邸が見える所まで近づくことができた。最も、ここからが一番厄介なことに違いは無いだろう。当然そのことはリザも理解はしており、辺りを警戒していた。
「どんな感じだ?」
「私達がここに来ることに関しての対策はしてるって感じかしら? ただ、私の術式と違う点が多すぎて具体的にどの魔法かってのがいまいち掴めないわね」
「じゃあもう少し様子見か」
リザが首を横に振る。
「いえ、もうさっさと正面突破しましょう。おそらくだけど大した魔法ではないと思うわ」
「……それ大丈夫か? 流石に油断しすぎじゃないか」
「油断はしてないわ。ただ、これ以上相手に時間を与えるわけにもいかないし」
「たしかにそれは一理あるな」
「でしょ? じゃあさっさと始めましょうか」
リザが堂々と歩き始める。
「え、ちょっ。お前……」
「あいつはこんな罠みたいな魔法で対策してる奴よ? 逆に威圧すればいいのよ。それにその罠だって」
リザはそこで言葉を切り、指を鳴らす。すると、すこし離れた地面の方から破裂音が聞こえた。
「こんな感じにあっさり解除できるわ」
どうやら探知だけでなく、処理もできるらしい。
その後も、リザが指を鳴らすと何処からか破裂音が鳴るという現象を繰り返しながらデルイの屋敷の門の前までたどり着く。
「……えらいあっさりだな、おい」
「そうね。……意外と硬いわね、これ。ちょっと手伝ってくれるかしら」
リザはその門の扉を開けようとしていた。
「……もう少し警戒したらどうなんだ?」
「どうせ大したことないわよ。それに、うわっ」
突然扉が開き、扉を押していたリザが前のめりになって門の中へ進む。何とかこけることは避けれた様子だ。
「いきなり開くなんて……っ」
屋敷の方を向いたリザが背筋を伸ばす。リザの視線の先、屋敷の入り口の前に、デルイとその弟子のロリが立っていた。
「自分の出した依頼の対象が自分ってどういう了見なのかしら?」
「何のことかな? ……というのは少し白々しいね。そうだね、僕が犯人だよ。いやぁしかし、驚いたよ。まさか彼等を見つけ出し、彼等にかけておいた魔法を解くなんてね」
「あの程度で驚かれるのは心外なのだけど。で、屋敷の外にいるのは自首の準備?」
「残念ながらそうするわけにはいかないんだよ。僕にも立場があるからね」
「立場なんてどこにあるのかしら? どうせ親の金とその金で学院に入学しただけでしょ? そんなはりぼてみたいな立場に縋るなんて」
火の玉ストレートの言葉で相手を煽る。
遠目から見ても分かる。
デルイが怒りで震えていた。
「ぼ、僕を侮辱するんじゃない」
デルイが一冊の本を手に持っていた。
「これで終わりだ。『ルーマニの魔導書』!」
「どうしたんだ、いきなり?」
「いや、ちょっと不自然な魔力の集まりが幾つか確認したから」
「それって、デルイが魔法を使ってるってことか?」
「そうね。しかし、隠蔽魔法を一つも使ってないなんて……煽ってるのかしら」
「もしかしたら使えないのかもな」
「……その程度の人間が学院、しかもアテナルの名前を出さないで欲しいのだけど。まぁいいわ、とりあえず先へ進みましょうか」
「大丈夫なのか?」
「えぇ。まだ距離はあるし、そもそも魔法の発動箇所が分かってるから何とでもできるわ」
「……頼りになるよ、ほんとに」
魚群探知機を初めて使った人間も同じような気持ちなのだろうか。よく分からないが。
それから特に何も起きる事なく、デルイの豪邸が見える所まで近づくことができた。最も、ここからが一番厄介なことに違いは無いだろう。当然そのことはリザも理解はしており、辺りを警戒していた。
「どんな感じだ?」
「私達がここに来ることに関しての対策はしてるって感じかしら? ただ、私の術式と違う点が多すぎて具体的にどの魔法かってのがいまいち掴めないわね」
「じゃあもう少し様子見か」
リザが首を横に振る。
「いえ、もうさっさと正面突破しましょう。おそらくだけど大した魔法ではないと思うわ」
「……それ大丈夫か? 流石に油断しすぎじゃないか」
「油断はしてないわ。ただ、これ以上相手に時間を与えるわけにもいかないし」
「たしかにそれは一理あるな」
「でしょ? じゃあさっさと始めましょうか」
リザが堂々と歩き始める。
「え、ちょっ。お前……」
「あいつはこんな罠みたいな魔法で対策してる奴よ? 逆に威圧すればいいのよ。それにその罠だって」
リザはそこで言葉を切り、指を鳴らす。すると、すこし離れた地面の方から破裂音が聞こえた。
「こんな感じにあっさり解除できるわ」
どうやら探知だけでなく、処理もできるらしい。
その後も、リザが指を鳴らすと何処からか破裂音が鳴るという現象を繰り返しながらデルイの屋敷の門の前までたどり着く。
「……えらいあっさりだな、おい」
「そうね。……意外と硬いわね、これ。ちょっと手伝ってくれるかしら」
リザはその門の扉を開けようとしていた。
「……もう少し警戒したらどうなんだ?」
「どうせ大したことないわよ。それに、うわっ」
突然扉が開き、扉を押していたリザが前のめりになって門の中へ進む。何とかこけることは避けれた様子だ。
「いきなり開くなんて……っ」
屋敷の方を向いたリザが背筋を伸ばす。リザの視線の先、屋敷の入り口の前に、デルイとその弟子のロリが立っていた。
「自分の出した依頼の対象が自分ってどういう了見なのかしら?」
「何のことかな? ……というのは少し白々しいね。そうだね、僕が犯人だよ。いやぁしかし、驚いたよ。まさか彼等を見つけ出し、彼等にかけておいた魔法を解くなんてね」
「あの程度で驚かれるのは心外なのだけど。で、屋敷の外にいるのは自首の準備?」
「残念ながらそうするわけにはいかないんだよ。僕にも立場があるからね」
「立場なんてどこにあるのかしら? どうせ親の金とその金で学院に入学しただけでしょ? そんなはりぼてみたいな立場に縋るなんて」
火の玉ストレートの言葉で相手を煽る。
遠目から見ても分かる。
デルイが怒りで震えていた。
「ぼ、僕を侮辱するんじゃない」
デルイが一冊の本を手に持っていた。
「これで終わりだ。『ルーマニの魔導書』!」
0
あなたにおすすめの小説
戦えない魔法で追放された俺、家電の知識で異世界の生存率を塗り替える
遊鷹太
ファンタジー
安全を無視したコスト削減に反対した結果、
家電メーカーの開発エンジニア・三浦恒一は「価値がない」と切り捨てられた。
降格先の倉庫で事故に巻き込まれ、彼が辿り着いたのは――魔法がすべてを決める異世界だった。
この世界では、魔法は一人一つが常識。
そんな中で恒一が与えられたのは、
元の世界の“家電”しか召喚できない外れ魔法〈異界家電召喚〉。
戦えない。派手じゃない。評価もされない。
だが、召喚した家電に応じて発現する魔法は、
戦闘ではなく「生き延びるための正しい使い方」に特化していた。
保存、浄化、環境制御――
誰も見向きもしなかった力は、やがて人々の生活と命を静かに支え始める。
理解されず、切り捨てられてきた男が選ぶのは、
英雄になることではない。
事故を起こさず、仲間を死なせず、
“必要とされる仕事”を積み上げること。
これは、
才能ではなく使い方で世界を変える男の、
静かな成り上がりの物語。
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ
ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。
間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。
多分不具合だとおもう。
召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。
そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます
◇
四巻が販売されました!
今日から四巻の範囲がレンタルとなります
書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます
追加場面もあります
よろしくお願いします!
一応191話で終わりとなります
最後まで見ていただきありがとうございました
コミカライズもスタートしています
毎月最初の金曜日に更新です
お楽しみください!
勇者召喚の余り物ですが、メイド型アンドロイド軍団で冒険者始めます
水江タカシ
ファンタジー
28歳独身、一般事務の会社員である俺は、勇者召喚に巻き込まれて異世界へと転移した。
勇者、聖女、剣聖――
華やかな肩書きを持つ者たちがもてはやされる中、俺に与えられたのは聞いたこともないスキルだった。
【戦術構築サポートAI】
【アンドロイド工廠】
【兵器保管庫】
【兵站生成モジュール】
【拠点構築システム】
【個体強化カスタマイズ】
王は落胆し、貴族は嘲笑い、俺は“役立たず”として王都から追放される。
だが――
この世界には存在しないはずの“機械兵器”を、俺は召喚できた。
最初に召喚したのは、クールな軍人タイプのメイド型戦闘アンドロイド。
識別番号で呼ばれる彼女に、俺は名前を与えた。
「今日からお前はレイナだ」
これは、勇者ではない男が、
メイド型アンドロイド軍団と共に冒険者として成り上がっていく物語。
屋敷を手に入れ、土地を拠点化し、戦力を増強しながら、
趣味全開で異世界を生きていく。
魔王とはいずれ戦うことになるだろう。
だが今は――
まずは冒険者登録からだ。
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる