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女三人寄ればモンジュノチエ?なんか違う?
しおりを挟む話を聞いた蜘蛛と親指姫は、二人でこしょこしょ話し合い、話がまとまったのかこちらに視線をよこす。
「話はわかったわ。
あなた達が町を作った時に、布などを提供して欲しいのね。
その見返りは?」
そりゃあ勿論ギブアンドテイクですよねー。
蜘蛛さんの布はシルク(と言っても男子高校の俺には実物はよく知らないからイメージだけど)の様にスベスベで透けるように薄く、なのに頑丈と素晴らしい!
のでこれは是非とも人族に広げてあげたいよね。
「そちらが何か欲しい物があれば、それと交換で布を貰えればありがたいのだけど」
蜘蛛の目がキランと光った。
「ならば身につける形の布が欲しいわ」
「身につける布?……服の事?」
「“服”って言うの?
人族見かけると色んな形の布を身につけてるわよね。
それをくれるなら布は渡すわ」
元々服なんて魔族は着ていなく、布を巻き付けるくらいなんだって。
服飾デザイナーとか、いなさそうだよね。
元は男しかいない魔族だと。
んー、しかし服ねぇ……。
女性の服何はわかんないけど、下半身は蜘蛛だから無理だとして、上半身に着せるブラウスっぽい物とかで良いのかな?
「今は服を作る人が居ないから直ぐは無理だけど、そのうち人族の町に誰か修行に行かせて服を作る、とかでも良いですか?」
「必ずその服って言うの作ってくれるのなら」
「それは約束します。
やっぱり女性ですから着飾りたいですよね」
今は二人共、サラシのように布を巻いているだけだ。
その布は、織り機?とか使って作るわけでなく、なにやら魔法で巧いことやって作るらしい。
「…私は良いのよ。
でもこの子に色んな形の物を身につけてもらいたいの。
今まで食べた人族は色んな形の物を身につけていたから、それを可愛いこの子の身につけさせたいの」
…ん?今サラッと怖い事言ったような…。
聞こえなかったことにしよう。
「森まで来るのなら男の人ばかりだよね?
女性はもっと色んな形の服を身につけてますよ。
今は旅の途中ですからスケエリア…こちらの女性はこんな旅装束ですけど」
蜘蛛さんの目が再びキラン。
「えっと、俺もあまり詳しくないから、スケエリア、説明よろしく」
女性の服も詳しくないし、こちらの世界のファッション事情もわからないのでパース。
最初はおっかなびっくり、って感じだったけど、女性三人今はキャッキャウフフしてます。
楽しそうで何より。
「今でも可愛いこの子が、私の布で作った服で更に可愛く…」
「キレイなお姉ちゃんが、私が色を付けたお姉ちゃんの布でもっとキレイに…」
「こんな素敵な布が人族の町でも手に入るようになるなんて…」
三人共すっごく良い笑顔。
「えっと、それで協力していただけるのでしょうか?」
「勿論よ!」
三人がハモる。
ちょっとスケエリアさん、あなた関係ないですよね?
とにかく町ができたら、近くに引っ越してきてくれると言うことで、綺麗な布ゲットです。
応援ありがとうございます!
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