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三章 町をつくる様です
125 詳細は省略の方向で
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コニーの城に滞在して一月(40日)経ちました。
私達はギルドで連携や魔獣ごとの対処の仕方、ダンジョンの歩き方、素材になる物、ならない物など、初心者の学ぶ事をしっかりと学びました。
周りから『今更?』みたいに見られましたけど、私は異世界から来た人ですし、ブルースは感覚で行動をしていますし、他のメンバーは亜人化して間がないので、知らない事が多かったのです。
ディビッドも弓の腕を磨いて、パーティメンバーとして登録しましたよ。
ルシーは気ままに他の町へ遊びに行ったりしています。
勿論一人で出歩かすのは(色んな意味で)心配ですので、コニーの部下の人に付いてもらっています。
2、3日に一度はヨーコーの様子を見に行っていたのですけど、結局半月程町で暮らして、城へ移って来ました。
城へ来るのは怖かったけれど、別行動するのに我慢できなくなったそうです。
かと言って、私は昼間は冒険者の講習を受けたり、依頼を受けたりで城にいません。
アインとコニーは色々忙しくしていますので、やる事がなく塞ぎがちになってきたので、アインに相談して、私のスキルを一つ複写して渡すことにしました。
複写したスキルは【調理スキル】です。
それまでまでは、城へ戻った後、私が夕食を作るか、城の方の作った物を食べるかだったのですけど…うん、まあ、ねぇ……、レシピを教えたりしても、仕上がりが微妙でして……。
作ってもらって文句は言えないのですけど、半端な和食は疲れが増してしまい、自分で作ったりしていましたけど、ヨーコーにスキルを複写して渡した事によって、私の作る物と同じ味の料理が食べられるようになったのですよ。
疲れて帰宅したら、出来立ての美味しい食事がある。
しかも自分好みの味付け(元は妻の味ですから)。
それはなかなか素晴らしい事ですよ。
「よし、明日も頑張ろう」
という気力が湧いてきますから。
ブルース以外の名付けで亜人化した家族も、初めて口にした料理が私の手料理ですから、味覚は私と同じです。
なので、皆から「美味しい、美味しい」と褒め言葉をいただくことにより、少しずつですが自分に自信が持てるようになったようで、おどおどする事が無くなりました。
白雪は、生後一月半ほどですが、相変わらず一歳児の大きさです。
アザラシで生後一月半(地球で言うと二ヶ月)でしたら、すでに大きくなっているはずなのですけど、亜人化すると、成長速度は人族と同じになるそうなのです。
寿命は元の動物のものなのに、成長速度は人族と同じなのは不思議ですけど、嬉しいですね。
何がって、この白雪の可愛い幼児姿が、数日で見られない、なんて事にならなくて嬉しいんですよ。
そんな白雪は、昼間は城の方々が面倒を見てくださって、夜は私たちと過ごしています。
ゆっくりですけど、日々成長はしています。
最近は私の事を「ぱぱ」
チャック兄ちゃんは「ちーたん」
シナトラ兄ちゃんを「しーたん」
アインの事は「いん」
ディビッドを「いっと」
ルシーは「しー」
ヨーコーは「こー」
コニーの事はなぜか「にいに」
そして……
「ぶー!」
「ぶーではない、ブルースだ」
「ぶーす!」
「誰がブスだ!ブルースだ!」
「ぶーす、ぶーす!」
と、不毛なやり取りの末、ブルースの事は、シナトラと同じく「おっちゃん」呼びにすることになり、
「ちゃん!」
「もうそれで良い……」
最終的にはブルースが折れました。
「大人気ない」
とアインは言っています。
私の頭の中では
『しとしとぴっちゃんしとぴっちゃん』
とエンドレスで流れてしまいました。
そんなこんなで皆が少しづつ成長した私達ですけど、今日城を出ます。
皆で先のことを話し合ったのです。
【これからどこで暮らすのか】を。
【このままこの城で暮らす】
【アインの城で暮らす】
【どこかの町で家を建てる】
などと案は色々有りました。
このまま城で…は無理だと思います。
今は居候と言いますか、ちょっと部屋を借りている状態ですけど、この場で永住するのは気が休まりません。
アインの城も同じく、城に部屋をもらうなんて、分不相応と言いますか、落ち着きません。
しかもアインの部下の方々は人族嫌いです。
お互いが気を使う生活は、私には無理です。
町で家を借りると言いましても、どの町にするかと言う問題もありますけど、これから先まだ家族が増えると思います。
そうした時にご近所さんの目を考えると気が重いです。
近所付き合いは大事ですよ。
特に女性を敵に回したら………。
今の現状も男ばかりの家族+幼児と乳児……………、ご近所さんの妄想駆り立てそうですよね。
そしてこの場合、ルシーは一緒に住めません。
何故って、男ばかりの世帯に若い女性(しかも美女でスタイル抜群)が居たら…………………………。
噂のマトになること事間違いなし!
だからと言ってカカルの民の様な生活は私にはできませんしね。
ひと所に落ち着いてのんびり暮らしたいんです。
うむむと唸っている私に、コニーが軽く爆弾を落としました。
「ならさ、町作れば?」
私達はギルドで連携や魔獣ごとの対処の仕方、ダンジョンの歩き方、素材になる物、ならない物など、初心者の学ぶ事をしっかりと学びました。
周りから『今更?』みたいに見られましたけど、私は異世界から来た人ですし、ブルースは感覚で行動をしていますし、他のメンバーは亜人化して間がないので、知らない事が多かったのです。
ディビッドも弓の腕を磨いて、パーティメンバーとして登録しましたよ。
ルシーは気ままに他の町へ遊びに行ったりしています。
勿論一人で出歩かすのは(色んな意味で)心配ですので、コニーの部下の人に付いてもらっています。
2、3日に一度はヨーコーの様子を見に行っていたのですけど、結局半月程町で暮らして、城へ移って来ました。
城へ来るのは怖かったけれど、別行動するのに我慢できなくなったそうです。
かと言って、私は昼間は冒険者の講習を受けたり、依頼を受けたりで城にいません。
アインとコニーは色々忙しくしていますので、やる事がなく塞ぎがちになってきたので、アインに相談して、私のスキルを一つ複写して渡すことにしました。
複写したスキルは【調理スキル】です。
それまでまでは、城へ戻った後、私が夕食を作るか、城の方の作った物を食べるかだったのですけど…うん、まあ、ねぇ……、レシピを教えたりしても、仕上がりが微妙でして……。
作ってもらって文句は言えないのですけど、半端な和食は疲れが増してしまい、自分で作ったりしていましたけど、ヨーコーにスキルを複写して渡した事によって、私の作る物と同じ味の料理が食べられるようになったのですよ。
疲れて帰宅したら、出来立ての美味しい食事がある。
しかも自分好みの味付け(元は妻の味ですから)。
それはなかなか素晴らしい事ですよ。
「よし、明日も頑張ろう」
という気力が湧いてきますから。
ブルース以外の名付けで亜人化した家族も、初めて口にした料理が私の手料理ですから、味覚は私と同じです。
なので、皆から「美味しい、美味しい」と褒め言葉をいただくことにより、少しずつですが自分に自信が持てるようになったようで、おどおどする事が無くなりました。
白雪は、生後一月半ほどですが、相変わらず一歳児の大きさです。
アザラシで生後一月半(地球で言うと二ヶ月)でしたら、すでに大きくなっているはずなのですけど、亜人化すると、成長速度は人族と同じになるそうなのです。
寿命は元の動物のものなのに、成長速度は人族と同じなのは不思議ですけど、嬉しいですね。
何がって、この白雪の可愛い幼児姿が、数日で見られない、なんて事にならなくて嬉しいんですよ。
そんな白雪は、昼間は城の方々が面倒を見てくださって、夜は私たちと過ごしています。
ゆっくりですけど、日々成長はしています。
最近は私の事を「ぱぱ」
チャック兄ちゃんは「ちーたん」
シナトラ兄ちゃんを「しーたん」
アインの事は「いん」
ディビッドを「いっと」
ルシーは「しー」
ヨーコーは「こー」
コニーの事はなぜか「にいに」
そして……
「ぶー!」
「ぶーではない、ブルースだ」
「ぶーす!」
「誰がブスだ!ブルースだ!」
「ぶーす、ぶーす!」
と、不毛なやり取りの末、ブルースの事は、シナトラと同じく「おっちゃん」呼びにすることになり、
「ちゃん!」
「もうそれで良い……」
最終的にはブルースが折れました。
「大人気ない」
とアインは言っています。
私の頭の中では
『しとしとぴっちゃんしとぴっちゃん』
とエンドレスで流れてしまいました。
そんなこんなで皆が少しづつ成長した私達ですけど、今日城を出ます。
皆で先のことを話し合ったのです。
【これからどこで暮らすのか】を。
【このままこの城で暮らす】
【アインの城で暮らす】
【どこかの町で家を建てる】
などと案は色々有りました。
このまま城で…は無理だと思います。
今は居候と言いますか、ちょっと部屋を借りている状態ですけど、この場で永住するのは気が休まりません。
アインの城も同じく、城に部屋をもらうなんて、分不相応と言いますか、落ち着きません。
しかもアインの部下の方々は人族嫌いです。
お互いが気を使う生活は、私には無理です。
町で家を借りると言いましても、どの町にするかと言う問題もありますけど、これから先まだ家族が増えると思います。
そうした時にご近所さんの目を考えると気が重いです。
近所付き合いは大事ですよ。
特に女性を敵に回したら………。
今の現状も男ばかりの家族+幼児と乳児……………、ご近所さんの妄想駆り立てそうですよね。
そしてこの場合、ルシーは一緒に住めません。
何故って、男ばかりの世帯に若い女性(しかも美女でスタイル抜群)が居たら…………………………。
噂のマトになること事間違いなし!
だからと言ってカカルの民の様な生活は私にはできませんしね。
ひと所に落ち着いてのんびり暮らしたいんです。
うむむと唸っている私に、コニーが軽く爆弾を落としました。
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