【完結】先だった妻と再び巡り逢うために、異世界で第二の人生を幸せに過ごしたいと思います

七地潮

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三章 町をつくる様です

126 少数精鋭(?)で行くそうです

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サラッと言われてしまいましたよ、町づくり。

「色々知られちゃダメな事が有るんだし、このペースで行くと、どれだけ家族が増えるのかわかんないし。
土地はいっぱい有るから、造っちゃえば良いじゃん、町」

え?町とはそんなに簡単にできるものでしたっけ?
頭の中が大混乱です。

「そうですね、その方が都合がいいかもしれませんね」
「いやいやいやいや、ちょっと待って!
庭に花壇を作ろうか?みたいなノリで町なんて作れないでしょう!」
慌てる私とは裏腹に、コニーとアインは『何がダメなの?』と言う顔です。

「そう?
本拠地作って「ここは俺の町」って言い張ったらいいじゃん」
「土地の権利とかはどうなの!」
「それは、ロスフォータの中なら、王のうちの誰かが文句を言わなければ大丈夫ですよ」
「四人でざっくりと「この辺りは自分が」みたいに管轄している感じだから」
「自分のテリトリー以外は基本的に興味無いですね。
自分のテリトリーを管理するのに手一杯ですから」
「かと言って空白地帯が多いと、何かあった時の対処が間に合わなかったり、誰の責任だー!ってなるから、町つくって管理してくれた方がありがたいかも」
「そうですね、魔獣が大量発生したり、盗賊が住み着いたりすると困りますからね」
「風通しを良くするためにも、町作らない?」

ど、どうしましょう、コニーとアインから怒涛の【町づくり推し】が…。

「んーと、父ちゃんが町をつくるなら、美味しいお店や楽しいお店をいっぱい作るのが良いと思う」
シナトラも乗ってきました。
今までの町で、美味しくない食事処も有りましたからね。
美味しい店ばかりで、しかも店によってオススメメニューとか有ったら良いですよね。
和食の店とか、洋食店、カフェにバーに、洋菓子、和菓子、うどん屋とかカレーハウスとか……お腹が空いてきました。

「気の合う仲間ばかりの町だったら過ごしやすいかも」
そりゃあそうですね。
魔力持ちだからと群を出されて、亜人になっても、目立つ私達は影でこそこそ言われてましたもんね。
チャックがパン屋にパンを買いに行って、亜人だからと売ってもらえなかった事がありましたもんね……。
気の合う人の住む町が良いですよね。

「自分の町なら好き勝手できるぞ。
家を増やそうが、畑を作ろうが、ドラゴンが休憩していようがお構いなしだ」
……ブルースは自分が元の姿でのびのびしたいだけなのでは?
でも、確かに、家族が増えた時、家を増やせますし、畑もやってみたいです。
果物の樹も植えてみたいですね。

なんだかだんだんその気になってきました。
「でもどうすれば良いのですか?」
「だから、場所を決めて「今日からここに俺の町をつくる!」って言ってしまえば良いんだって」
コニーって案外大雑……おおらかさんですね。

「コニーと私は良いとして、人族の国と北の国に一応話を通しておけば、後々のトラブルも無いでしょう」
ロスフォータの四人の王様の許可が有れば揉める事はない、と。

「人族の王も問題ないよ。
文句言わせないし。
それにあそこは農作物もイマイチだし、狩りをする人も少ないから、食糧を都合してあげれば、感謝されるよ」
交易交易~、と歌う様に言うコニー。
今現在も、他の3カ国から食糧を輸入しているそうです。

勿論食糧や加工品を回すのは問題ないです。
逆に狩り過ぎた獲物や、蓄えている諸々の物を整理できるかも?
「だが北のはどうなのだ?」
ブルースの言葉にコニーの言葉が止まります。

「うーん、アイツは言葉だけじゃ難しいかな。
でも会えば大丈夫じゃない?」
腕組みをしようとして手が届かなかったコニーが可愛い。
いやいや、ほんわかしている場合じゃないですね。

「あの方は頑固ではないですし、筋を通せば問題ないですよ」
「まあ、実際に会えば大丈夫だろうがな」
アインとブルースも知っている人の様ですね。

【北】と言う事は、【北の森の王】の事ですよね。
確か獣人の国だったはずですので、獣人の方なのでしょう。

「逆に会わないと難しい…かな?」
え?一体どんな方なのでしょう、少し不安がよぎります。
そんな私の心を知ってか知らずか、

「会わなきゃダメなら会いに行こうよ」

スパンと言ってくれます、シナトラは。

まあ、確かに会えばなんとかなる、会わなきゃ難しいなら、会いに行くしかないですよね。

「なら、行きますか?
ジョニーと私達二人だけで行きましょうか」
「だね、さっさと行って、さっさと帰ってこよう。
ついでに人族の王にも会っとく?」
「そうですね、行きに寄れば良いでしょう」

サクサクと予定が決まって行きます。
どうやら王様二人と当事者で有る私だけで行く事になった様ですね。

「えー、僕達留守番?」
不満顔のシナトラに、
「今回は要件だけ済ませて来ますので、北に行きたいのなら、後日皆で行きましょう」
アインが宥めていますけど、シナトラの不満はおさまりません。

「二人だけズルい、僕も父ちゃんと一緒がいい。
チャック兄ちゃんだって置いていかれるの寂しいよね?」
「え?オレ?
いや、別に、寂しいとかないよ!
えーっとほら、魔素を供給してもらえないのが、なんて言うか……」
話を振られて挙動不審になるチャック。
そうですか、寂しいのですか。
寂しく思ってくれる二人の反応が嬉しいですね。







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