129 / 206
三章 町をつくる様です
129 王様と王様と王様と次期王様と私
しおりを挟む
夜明け前、城下町の外れから、ブルースに乗って人族の国、平原の王の国へ向かいます。
揺れも少なく、魔法のお陰で空気抵抗も感じ無いのですけど、陽が昇りきってしまうと、紫外線が……。
日傘が欲しいですね。
予定通りに昼には平原の王の国に到着しました。
王都の城壁の外でブルースから降り、アインとコニーと私の3人で王都を目指します。
コニーは大人バージョンです。
ブルースは元の姿のままで、その場で休んで貰います。
短期間に何度も元の姿と人型への変化(へんげ)を繰り返すのは、できる限り控えた方が良いですからね。
しかし、以前見た時にも思いましたけど、これは城壁と呼んでいいのでしょうか。
【王都を守る城壁】と言えば、高く頑丈な壁をイメージしますけど、ここの城壁?は、木の柵なんです。
ちょっとした動物なら侵入できないけど、大型の獣や魔獣なら、簡単に侵入できるのでは?
言っては何ですけど、チャチなものです。
アインが言うには、各地から集まってきた人族で、国の人口が増えた時、どんどんスペースを広げてたらこうなった、と。
広いスペースで、建物を縦に伸ばさず、横に広げて行った結果だそうです。
高層のビルやマンションなど建てる技量は無いですからね、横に広がるしか無いでしょう。
ついつい、「こんな役に立たなさそうなら要らないんじゃない?」と思ってしまうのは私だけでしょうか?
よそ様のことに口を出すべきでは無いですね。
などとどうでも良い事を考えながら歩いているうちに、城へ到着しました。
城の門番さんに案内され、謁見の間へ通されます。
門番さんは扉の外から中へ向かって声を掛けました。
「失礼します、西の森の王と、東の山の王、他一名をお連れしました」
声を受けて、内側から扉が開きます。
扉を開けた騎士さんの後に続き、中へ入ります。
おお、テレビなどで見た【謁見の間】のイメージ通りの部屋ですね。
壁に大きな布がカーテンの様にかかっていて、床には玉座に向かいカーペットが敷かれています。
いかにもな玉座に座るのは、四十代くらいの小柄な男性。
玉座を挟み、向かって左側は空席で、右側には十代後半の男性が座っています。
多分王子様ですかね。
部屋の中央まで進んだところで騎士さんが止まったので、私たちも止まります。
騎士さんは、待機場所であろう扉の前へ移動しました。
私達はどうすれば良いのでしょう?
やはりドラマとかみたいに跪くのですかねえ。
アインとコニーのやる事を真似れすれば良いんですよね?
などと考えていると、王様方が玉座から立ち上がり、こちらへ歩いていらして、私達(と言うかアインとコニー)に頭を下げました。
王様ですよね?
国で一番偉いんですよね?
あ、アインとコニーも王様ですね。
王様と王様と王様なら、どの王様が一番王様なんでしょう?
王様が王様に頭を下げて、それを受ける王様二人……王様ゲシュタルト崩壊しそうです。
「お久しぶりです、西の王、東の王。
まずはこちらへ」
頭を下げる王様に対して、頷くだけのアインとコニー。
同じ王様でも、魔王の二人の方が上なのでしょうか。
それとも見た目は一番上でも、実年齢は3人のうち一番若いから、敬うのでしょうか。
「こちらへどうぞ」
王様直々に案内されたのは、謁見の間の玉座左手の扉でした。
扉の向こうは【成る程いかにもな王宮の応接室】と言う感じの豪華な部屋です。
でもなぜこんな場所に応接室?
お偉いさん達の密談の場なのでしょうか?
上座にアイン、入り口から見て右手に王様方が、左手にコニーが座りました。
私はどうするのでしょう?
下座に座れば良いのか、入り口に立っていれば良いのか迷っていたら、コニーがこっそりと自分の隣を指さしたので、そちらに座ります。
正面に王子が腰掛けました。
目を合わせるのは不敬になるかもしれないので、微妙に視線を外しておきましょう。
日本人の得意技ですよね。
「そちらの方が今回町をつくられる方ですね。
この国の王をやっていますトマフ・マンティールです。
そちらが第一王子のルストーグです」
王子がペコリと頭を下げます。
「初めまして、ジョニーと申します。
私は一般人ですので、畏まらないです下さい」
王様に丁寧に話されるのは、畏れ多いですよ。
それに、向かいに座る王子の視線が……。
「ジョニー、あなたは私達の家族なのですから、それなりの扱いをされる事を受け入れなさい」
アインが言いますけど、小市民には少しばかりハードルが高いです。
それでも今できる返事は、
「わかりました」
としか言えませんよね。
この件に関しては、また後で話し合いましょう。
「それと私達は分裂しましたので、今はアインと名乗っています。
彼の家族のうちの一人です」
「余もこいつと縁を結んだ。
この身はコニーと名乗っておる」
アインとコニーが名を告げると王様は、
「ではこれからは、アイン様、コニー様とお呼びすれば宜しいでしょうか?」
と尋ねて来ました。
「そうですね、西の城はヨルゼルが統治していますし、これから私は新しい町で過ごしますから。
名前を呼んでいただいて結構です」
「承知いたしました」
何と申しましょうか…アインが高飛車?高慢?……上から目線で話している気がするのは気のせいでしょうか?
なんだか気になります。
揺れも少なく、魔法のお陰で空気抵抗も感じ無いのですけど、陽が昇りきってしまうと、紫外線が……。
日傘が欲しいですね。
予定通りに昼には平原の王の国に到着しました。
王都の城壁の外でブルースから降り、アインとコニーと私の3人で王都を目指します。
コニーは大人バージョンです。
ブルースは元の姿のままで、その場で休んで貰います。
短期間に何度も元の姿と人型への変化(へんげ)を繰り返すのは、できる限り控えた方が良いですからね。
しかし、以前見た時にも思いましたけど、これは城壁と呼んでいいのでしょうか。
【王都を守る城壁】と言えば、高く頑丈な壁をイメージしますけど、ここの城壁?は、木の柵なんです。
ちょっとした動物なら侵入できないけど、大型の獣や魔獣なら、簡単に侵入できるのでは?
言っては何ですけど、チャチなものです。
アインが言うには、各地から集まってきた人族で、国の人口が増えた時、どんどんスペースを広げてたらこうなった、と。
広いスペースで、建物を縦に伸ばさず、横に広げて行った結果だそうです。
高層のビルやマンションなど建てる技量は無いですからね、横に広がるしか無いでしょう。
ついつい、「こんな役に立たなさそうなら要らないんじゃない?」と思ってしまうのは私だけでしょうか?
よそ様のことに口を出すべきでは無いですね。
などとどうでも良い事を考えながら歩いているうちに、城へ到着しました。
城の門番さんに案内され、謁見の間へ通されます。
門番さんは扉の外から中へ向かって声を掛けました。
「失礼します、西の森の王と、東の山の王、他一名をお連れしました」
声を受けて、内側から扉が開きます。
扉を開けた騎士さんの後に続き、中へ入ります。
おお、テレビなどで見た【謁見の間】のイメージ通りの部屋ですね。
壁に大きな布がカーテンの様にかかっていて、床には玉座に向かいカーペットが敷かれています。
いかにもな玉座に座るのは、四十代くらいの小柄な男性。
玉座を挟み、向かって左側は空席で、右側には十代後半の男性が座っています。
多分王子様ですかね。
部屋の中央まで進んだところで騎士さんが止まったので、私たちも止まります。
騎士さんは、待機場所であろう扉の前へ移動しました。
私達はどうすれば良いのでしょう?
やはりドラマとかみたいに跪くのですかねえ。
アインとコニーのやる事を真似れすれば良いんですよね?
などと考えていると、王様方が玉座から立ち上がり、こちらへ歩いていらして、私達(と言うかアインとコニー)に頭を下げました。
王様ですよね?
国で一番偉いんですよね?
あ、アインとコニーも王様ですね。
王様と王様と王様なら、どの王様が一番王様なんでしょう?
王様が王様に頭を下げて、それを受ける王様二人……王様ゲシュタルト崩壊しそうです。
「お久しぶりです、西の王、東の王。
まずはこちらへ」
頭を下げる王様に対して、頷くだけのアインとコニー。
同じ王様でも、魔王の二人の方が上なのでしょうか。
それとも見た目は一番上でも、実年齢は3人のうち一番若いから、敬うのでしょうか。
「こちらへどうぞ」
王様直々に案内されたのは、謁見の間の玉座左手の扉でした。
扉の向こうは【成る程いかにもな王宮の応接室】と言う感じの豪華な部屋です。
でもなぜこんな場所に応接室?
お偉いさん達の密談の場なのでしょうか?
上座にアイン、入り口から見て右手に王様方が、左手にコニーが座りました。
私はどうするのでしょう?
下座に座れば良いのか、入り口に立っていれば良いのか迷っていたら、コニーがこっそりと自分の隣を指さしたので、そちらに座ります。
正面に王子が腰掛けました。
目を合わせるのは不敬になるかもしれないので、微妙に視線を外しておきましょう。
日本人の得意技ですよね。
「そちらの方が今回町をつくられる方ですね。
この国の王をやっていますトマフ・マンティールです。
そちらが第一王子のルストーグです」
王子がペコリと頭を下げます。
「初めまして、ジョニーと申します。
私は一般人ですので、畏まらないです下さい」
王様に丁寧に話されるのは、畏れ多いですよ。
それに、向かいに座る王子の視線が……。
「ジョニー、あなたは私達の家族なのですから、それなりの扱いをされる事を受け入れなさい」
アインが言いますけど、小市民には少しばかりハードルが高いです。
それでも今できる返事は、
「わかりました」
としか言えませんよね。
この件に関しては、また後で話し合いましょう。
「それと私達は分裂しましたので、今はアインと名乗っています。
彼の家族のうちの一人です」
「余もこいつと縁を結んだ。
この身はコニーと名乗っておる」
アインとコニーが名を告げると王様は、
「ではこれからは、アイン様、コニー様とお呼びすれば宜しいでしょうか?」
と尋ねて来ました。
「そうですね、西の城はヨルゼルが統治していますし、これから私は新しい町で過ごしますから。
名前を呼んでいただいて結構です」
「承知いたしました」
何と申しましょうか…アインが高飛車?高慢?……上から目線で話している気がするのは気のせいでしょうか?
なんだか気になります。
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?
サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。
*この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。
**週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**
エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ぽっちゃり女子の異世界人生
猫目 しの
ファンタジー
大抵のトリップ&転生小説は……。
最強主人公はイケメンでハーレム。
脇役&巻き込まれ主人公はフツメンフツメン言いながらも実はイケメンでモテる。
落ちこぼれ主人公は可愛い系が多い。
=主人公は男でも女でも顔が良い。
そして、ハンパなく強い。
そんな常識いりませんっ。
私はぽっちゃりだけど普通に生きていたい。
【エブリスタや小説家になろうにも掲載してます】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる