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俺様危機一髪
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苦手な方はすみません
ーーーーー〈切り取り線〉ーーーーー
「や、やめて下さい!
その中は肉の塊ですわ!」
気を逸らそうと、とぼけた事を言ってみたけど、スルーされた。
「柔らかいね。俺の片手に収まらないほどの大きさで、揉み応えがある」
に、逃げたいけど、いつの間にか左手で両手を頭の上にまとめられて、足の間にモースディブスの膝が入り込み、動くに動けない。
「ねえ、なにも感じない?
服の上からだから感じないのかな?」
ちょっ!待て!
言いながらボタン外すな!
手慣れてんなコンチキショー!
「い……いや!やめてください!やめて!」
「ほら、大きな声を出すと誰か来ちゃうよ。
こんなところを見られたらどんな噂をたてられるだろうね。
いっそのこと噂になって、そのまま付き合っちゃおうか」
いつの間にかボタンが外され、コルセットも緩められ、開いた隙間から大きな手が服の中に。
「いや!いや!さ…触らない………でっ……揉んじゃ………や、だ…」
「ふふ、顔が赤いよ。
気持ち良いんだろ?
ほら、素直に流されなよ」
低い声で耳元で囁かれる。
いや、マジやめてくれ、こんな校舎裏の青空の下、一体なにやってんだよ!
いくら18禁ゲームでも青姦はないだろ!
モースディブスの顔が近づいてきて唇が…………。
「そこで何をやっている!」
吐息の触れる距離まで迫った唇は、第三者の声で止まった。
けど、右手はまだ胸を揉んでいる……手もどけろよ!
「おいおい、野暮なことするなよな、アスデモス」
え?リズヴァーンが来たの?
いつもより声が低くて一瞬わかんなかったよ。
ご都合主義まじ感謝!
助けて、本気で助けて!
「ほらほら、今からいいところなんだから、邪魔しないでくれよな。
見ていたいんなら見ててもいいけどさ」
言うだけ言うとこちらに向き直る。
ヤバイよ、発情した目だよコレ。
元男だからわかるよ、ここまで来たらやりたいよな、その気持ち十分わかる。
足に熱くて硬いものも当たってるし。
でもここ学校だよ?
校舎裏だよ?
昼間だよ?
外で立ったままなんて無茶振り過ぎだろ!
「んん!……んっ………」
口を開けて助けを求めようとしたら、塞がれてしまった。
しかも口を開けていたから中に舌が……う、巧いなコイツ、どんだけ場数踏んでんだ。
いやいや、そんなこと考えてる暇無いよ、マジでヤバいから!
助けて、リズヴァーン!
必死に目で訴えてたら、ゆっくり近づいて来て、モースディブスの肩に手をやり引き剥がしてくれた。
「やめろ、嫌がっているじゃないか」
よ、よかった、唇は離れた。
「だから、邪魔すんなって、女なんて口では嫌だ嫌だ言ってても、抱かれて喜ぶ生き物だろ」
うわー!コイツマジにゲスだ!
ボンノーに塗れて本性剥き出しだよ。
「本気で嫌がっているのがわからないのか?」
「そんなことないよね?
これから俺と気持ちいいことしたいよね?」
イヤだよって首を振ろうとしたら、敏感な部分を摘まれてしまった。
「あんっ………」
「ほら、感じてるじゃん、もう邪魔すんなよ」
「…………」
違う!今のは違う、リズヴァーン!
ただの体の反応なだけで、俺は本当にイヤなの!
でもモースディブスの右手は止まらないから、口を開くとまた変な声が出そうで、唇を噛みしめ首を振ることしかできない。
イヤなのに、一人で逃げ出すことも、反撃することも出来ない自分がキライだ。
いくら「ふざけんな!」と思っても、体が言うこときかず動けない。
胸を揉まれているからと言って、声も出せない自分が情けなさ過ぎる。
……思わず涙がこぼれてしまった。
「っっう!」
リズヴァーンに殴り飛ばされたモースディブスが、数メートル吹っ飛んで行った。
リズヴァーンは倒れているモースディブスの胸ぐらを掴み、さらに殴る。
口の端から血を流すモースディブスが、ぺっと唾を吐くと、血液混じりの唾と一緒に白いものが……歯が取れた?
どんだけ強く殴ってるんだよ。
「な……何をする!」
口を拭いながら上半身を起こすモースディブス。
「貴様の故郷はどうだか知らないが、この国では抵抗のできない者に無理強いするのは紳士のすることじゃないな」
殴った拳も切れているのか、血が滲んでいる。
「スカしてんじゃないよ、男に呼び出されて一人で来た時点である程度は予測できるだろ。
いわば合意みたいなものだろ」
「頭に血が昇りすぎてるな、落ち着いてよく考えろ。
ここは学園内で今は昼だ。
お前の主張が通ると思うのか?」
「…………」
でもきっとモースディブスも最初からこんなつもりで呼び出したんじゃないだろう。
気付いたらそんな流れになっていただけだろうと思うけど、援護はしない。
本気で嫌だったから。
リズヴァーンは、腰を抜かして座り込んでいる俺のそばまで来て手を差し伸べた。
「でもキャスティーヌも悪くなかったとは言えない。
子供じゃないんだから呼び出しに一人で出向くのは浅慮だ」
ごもっともです。
こんな場面でも公平だよな、リズヴァーンって。
「だからこの事は伯爵や学園長には告げずにいよう」
「…………………」
流石に頭が冷えて来たのか、何も言わないモースディブス。
「ただ……二度とキャスティーヌには近づくな!」
「……なんの権利が有って言うんだよ」
素直に近づかないって言えよ。
「権利?………俺はキャスティーヌの婚約者だ」
え?ええー?
ナニソレ初耳。
「…嘘をつくな、彼女に婚約を申し込んだのは神官の息子だろ?
お前じゃないはずだ」
うんうん、そうそれ。
「ああ、そうだな、俺は申し込んではいないけど、両家の間で決まった事だ」
ええええーー?
知らないよ?俺当事者だよね?知らないよ!
「この国は政略結婚って忌避されてるんじゃなかったっけ?」
モースディブスが随分立ち直って来た。
しばらく反省して大人しくしてなよ。
「政略結婚?
違うな、俺はキャスティーヌが好きだし、彼女も俺が好きだ。
儀式での相性も最高だったしな」
ちょっっっ!マテーーーーーー!!!!
一体何を言ってんの、あんた!
そんなん一言(ひとっこと)も聞いた事ないよ!
ってか、サラッと変な事言うなー!
トドメとばかりに、ふっと笑ったリズヴァーンが爆弾を落とす。
「キャスティーヌはいい女だよ。
頭も良いし、努力家でもあり、性格もおも…楽し……可愛いし、ベッドの中でも可愛いぞ」
「……………………………」
「!!!!!!!!!!!」
マジ何言ってんねん!
ほら、流石のモースディブスも無言になっちゃってるよ!
思わず俺も固まっちゃうよ!
固まった俺に上着を掛け、肩を抱いて立ち去る。
モースディブスはその場に放置だ。
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