63 / 109
色々バレた…色々と………
しおりを挟むいや、ほらさ、こう、ねぇ…女の子がスタイルの良い子を羨ましく思って、どんな感じか触るなんて、あるあるだよね?
若いメイドの子のお尻を触るとかは、ほら、えーと……そうだ、女性のお尻が幾つくらいから垂れてくるかの確認!
抱きついたのは、感情が昂ってだよ、うん!
やましい気持ちなんて無いよ、ナイナイ。
だから、震えながら入り口近くに立てかけてある剣を見ないで!
ってか、何で部屋の中にロングソードが置いてあるの⁈
「ク…クリスティーナさん、落ち着いて!
ほら、中身が元男って言っても、俺は今キャスティーヌだから!女だから!
男性用の更衣室やトイレに入ったら痴女だよ?
それに抱きついたって、ハグじゃん、ハグ!
嬉しい気持ちを伝えただけだよ?」
そう、男子更衣室なんてなんの面白味もない。
いや、襲われちゃうんじゃないの?
「……確かに男性用の更衣室には入れませんね。
ハグに関しても一応納得してあげましょう。
それで?スカーレットの件はどう言い訳しますの?」
「ほら、スカーレットはとてもスタイルが良いじゃない?
俺の大きいだけと違って、バランスが絶妙で憧れると言うか、芸術的なプロポーションを触って確かめたかったと言うか……」
決してやらしい意味では無かったと言ってはみるけど、言葉を重ねる毎に機嫌が悪くなってる?
「そうですわね、スカーレットは素晴らしいプロポーションをなさっていますわ。
女性でも憧れますわよね」
うんうんと頷く俺。
「………私と違って」
あ、やらかした、クリスティーナは貧乳がコンプレックスだった。
もうどう言えば良いのか分からなくてあうあうしてしまう。
「ご……ごーめーんーなーさーい……」
誤ったら、とっても情けない声が出てしまった。
「………………ぷっ!」
笑われた!
クリスティーナは口を押さえて震えている。
目尻に涙まで浮かべているのに、声を出して笑えない貴族の女性って、不便だなぁ、なんて考えながら見ていると、なんとか笑いを抑えたクリスティーナは、お茶を口にして気を落ち着けている。
「なんで顔をなさっているの?
そうですわね、素晴らしいものを見れば触れてみたくなりますわよね。
下心が無かったと言うことにしておきましょう」
「そうして下さい」
「喋り方は今の話し方が素なのですか?」
そうだと頷くと、クリスティーナは少し考えて言葉を続けた。
「しかしあれですわね、これからはあなたの事は男性として扱った方がいいのかしら?」
「その辺りは俺も微妙なんどけど、キャスティーヌであることは変わりないんだから、やはり女としてなのかな?」
これは自分でも悩むところなんだけど、これからも女性として生きて行かなきゃいけないんだから、そう扱ってくれと伝える。
「仰ることはわかりますわ」
クリスティーナも理解してくれたけど、「ただ……」と続ける。
「これからは着替えなどは別の部屋でして下さいね」
ニッコリと怖い笑顔で微笑まれたら、頷く以外の返事は無いと思う。
「あとお伺いしておく事は……、そうですわね、この事は他の方はご存知なのですか?」
「いや、誰にもバレていないよ。
っていうか、気づいたクリスティーナがすごいと思う」
「私から言わせていただくと、気づかない方がおかしいのではないのかしら」
「そう?」
実際両親も、シスコン兄も気付かないのに、と言うと、近すぎて逆に気付かないのではないかと言われた。
なる程。
「それではこの事は他の方に言わない方がいいのですね?」
「できればお願いしたいです」
頭を下げると、「わかりました」と言ってくれた。
「本当はさ、親とか兄とかには言いたいけど、混乱するだろ?
自分の娘が、妹が、生まれる前に生きていた時の記憶があって、その上それが中年一歩手前の男だなんて、知りたくないだろうし」
「………それはわかりますけれど、もし、私がキャスティーヌの家族なら、教えてほしいと思いますわ」
「………うーん、どうだろう…、生前の記憶があっても、女性なら俺も言ってたと思う。
でも男だからねぇ」
考えながら言うと、クリスティーナもそうかもしれないと頷く。
そう、女だったら、さっさと言ってたんじゃないかな。
「でも、いつか言えたらいいな。
理解してもらえたらいいな」
正直今回クリスティーナにバレて、気が楽になった感がある。
秘密を一人で抱え込んでるって、思ったより負担になってたのかな?
いつか家族にも話せる時が来たらいいな。
その後も色々と、前世のことや、記憶を思い出してからのことなどを、遅くまで話し込んだ。
言えなかった事は、この世界がゲーム内世界ではないかと言うこと、クリスティーナがヒロインで、攻略相手が複数いる事、その中の何人かはルートが潰れている事。
だってさ、説明しようがないよ?
まず乙女ゲームの説明からして、ゲームの概念のないこの世界で、一から説明ってなるから、俺にはムリ。
あ~、なんだかとっても気持ちが軽くなったな~。
10
あなたにおすすめの小説
せっかく双子で恋愛ゲームの主人公に転生したのに兄は男に妹は女にモテすぎる。
風和ふわ
恋愛
「なんでお前(貴女)が俺(私)に告白してくるんだ(のよ)!?」
二卵生の双子である山田蓮と山田桜がドハマりしている主人公性別選択可能な恋愛ゲーム「ときめき☆ファンタスティック」。
双子は通り魔に刺されて死亡後、そんな恋愛ゲームの主人公に転生し、エボルシオン魔法学園に入学する。
双子の兄、蓮は自分の推しである悪役令嬢リリスと結ばれる為、
対して妹、桜は同じく推しである俺様王子レックスと結ばれる為にそれぞれ奮闘した。
──が。
何故か肝心のリリス断罪イベントでレックスが蓮に、リリスが桜に告白するというややこしい展開になってしまう!?
さらには他の攻略対象男性キャラ達までも蓮に愛を囁き、攻略対象女性キャラ達は皆桜に頬を赤らめるという混沌オブ混沌へと双子は引きずり込まれるのだった──。
要約すると、「深く考えては負け」。
***
※桜sideは百合注意。蓮sideはBL注意。お好きな方だけ読む方もいらっしゃるかもしれないので、タイトルの横にどちらサイドなのかつけることにしました※
BL、GLなど地雷がある人は回れ右でお願いします。
書き溜めとかしていないので、ゆっくり更新します。
小説家になろう、アルファポリス、エブリスタ、カクヨム、pixivで連載中。
表紙はへる様(@shin69_)に描いて頂きました!自作ではないです!
断罪後の気楽な隠居生活をぶち壊したのは誰です!〜ここが乙女ゲームの世界だったなんて聞いていない〜
白雲八鈴
恋愛
全ては勘違いから始まった。
私はこの国の王子の一人であるラートウィンクルム殿下の婚約者だった。だけどこれは政略的な婚約。私を大人たちが良いように使おうとして『白銀の聖女』なんて通り名まで与えられた。
けれど、所詮偽物。本物が現れた時に私は気付かされた。あれ?もしかしてこの世界は乙女ゲームの世界なのでは?
関わり合う事を避け、婚約者の王子様から「貴様との婚約は破棄だ!」というお言葉をいただきました。
竜の谷に追放された私が血だらけの鎧を拾い。未だに乙女ゲームの世界から抜け出せていないのではと内心モヤモヤと思いながら過ごして行くことから始まる物語。
『私の居場所を奪った聖女様、貴女は何がしたいの?国を滅ぼしたい?』
❋王都スタンピード編完結。次回投稿までかなりの時間が開くため、一旦閉じます。完結表記ですが、王都編が完結したと捉えてもらえればありがたいです。
*乙女ゲーム要素は少ないです。どちらかと言うとファンタジー要素の方が強いです。
*表現が不適切なところがあるかもしれませんが、その事に対して推奨しているわけではありません。物語としての表現です。不快であればそのまま閉じてください。
*いつもどおり程々に誤字脱字はあると思います。確認はしておりますが、どうしても漏れてしまっています。
*他のサイトでは別のタイトル名で投稿しております。小説家になろう様では異世界恋愛部門で日間8位となる評価をいただきました。
荷物持ちの代名詞『カード収納スキル』を極めたら異世界最強の運び屋になりました
夢幻の翼
ファンタジー
使い勝手が悪くて虐げられている『カード収納スキル』をメインスキルとして与えられた転生系主人公の成り上がり物語になります。
スキルがレベルアップする度に出来る事が増えて周りを巻き込んで世の中の発展に貢献します。
ハーレムものではなく正ヒロインとのイチャラブシーンもあるかも。
驚きあり感動ありニヤニヤありの物語、是非一読ください。
※カクヨムで先行配信をしています。
【完結】ヤンデレ乙女ゲームの転生ヒロインは、囮を差し出して攻略対象を回避する。はずが、隣国の王子様にばれてしまいました(詰み)
瀬里@SMARTOON8/31公開予定
恋愛
ヤンデレだらけの乙女ゲームに転生してしまったヒロイン、アシュリー。周りには、攻略対象のヤンデレ達が勢ぞろい。
しかし、彼女は、実現したい夢のために、何としても攻略対象を回避したいのだ。
そこで彼女は、ヤンデレ攻略対象を回避する妙案を思いつく。
それは、「ヒロイン養成講座」で攻略対象好みの囮(私のコピー)を養成して、ヤンデレたちに差し出すこと。(もちろん希望者)
しかし、そこへ隣国からきた第五王子様にこの活動がばれてしまった!!
王子は、黙っている代償に、アシュリーに恋人契約を要求してきて!?
全14話です+番外編4話
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
【本編完結】伯爵令嬢に転生して命拾いしたけどお嬢様に興味ありません!
ななのん
恋愛
早川梅乃、享年25才。お祭りの日に通り魔に刺されて死亡…したはずだった。死後の世界と思いしや目が覚めたらシルキア伯爵の一人娘、クリスティナに転生!きらきら~もふわふわ~もまったく興味がなく本ばかり読んでいるクリスティナだが幼い頃のお茶会での暴走で王子に気に入られ婚約者候補にされてしまう。つまらない生活ということ以外は伯爵令嬢として不自由ない毎日を送っていたが、シルキア家に養女が来た時からクリスティナの知らぬところで運命が動き出す。気がついた時には退学処分、伯爵家追放、婚約者候補からの除外…―― それでもクリスティナはやっと人生が楽しくなってきた!と前を向いて生きていく。
※本編完結してます。たまに番外編などを更新してます。
転生したら乙女ゲームの主人公の友達になったんですが、なぜか私がモテてるんですが?
山下小枝子
恋愛
田舎に住むごく普通のアラサー社畜の私は車で帰宅中に、
飛び出してきた猫かたぬきを避けようとしてトラックにぶつかりお陀仏したらしく、
気付くと、最近ハマっていた乙女ゲームの世界の『主人公の友達』に転生していたんだけど、
まぁ、友達でも二次元女子高生になれたし、
推しキャラやイケメンキャラやイケオジも見れるし!楽しく過ごそう!と、
思ってたらなぜか主人公を押し退け、
攻略対象キャラからモテまくる事態に・・・・
ちょ、え、これどうしたらいいの!!!嬉しいけど!!!
せっかく傾国級の美人に生まれたのですから、ホントにやらなきゃ損ですよ?
志波 連
恋愛
病弱な父親とまだ学生の弟を抱えた没落寸前のオースティン伯爵家令嬢であるルシアに縁談が来た。相手は学生時代、一方的に憧れていた上級生であるエルランド伯爵家の嫡男ルイス。
父の看病と伯爵家業務で忙しく、結婚は諦めていたルシアだったが、結婚すれば多額の資金援助を受けられるという条件に、嫁ぐ決意を固める。
多忙を理由に顔合わせにも婚約式にも出てこないルイス。不信感を抱くが、弟のためには絶対に援助が必要だと考えるルシアは、黙って全てを受け入れた。
オースティン伯爵の健康状態を考慮して半年後に結婚式をあげることになり、ルイスが住んでいるエルランド伯爵家のタウンハウスに同居するためにやってきたルシア。
それでも帰ってこない夫に泣くことも怒ることも縋ることもせず、非道な夫を庇い続けるルシアの姿に深く同情した使用人たちは遂に立ち上がる。
この作品は小説家になろう及びpixivでも掲載しています
ホットランキング1位!ありがとうございます!皆様のおかげです!感謝します!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる