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家族仲は良いんです
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わたくしは今、この地域を治められている、辺境伯のお館に来ていますの。
これまで耐え忍んできましたけれど、そろそろ限界なのです。
わたくしは家族を訴えさせていただきますわ。
わたくしの家は、辺境伯の治められているこの地で、一部の土地を預かっている寄子の男爵家です。
わたくしはそこの三人姉妹の次女として生まれてきました。
王都から離れていますから、華やかな行事とは縁遠いのですけど、危険視されていた隣国との和平も結ばれて、今はとても穏やかな土地です。
辺境伯は、住民の声もよくお聞きになる、とても優れた統治者です。
なので今回、家名を貶める事は承知で、わたくしを救っていただきたく、現状を訴える事にしたのです。
「それで…、ご家族を訴えるとは、穏やかでは無いね。
どういった理由なのか詳しく聞かせてもらえるかな」
テーブルを挟んでソファーに座る辺境伯。
勿論わたくしは未婚の女性ですので、部屋の扉は開けたままですし、従者やメイドも部屋にいますよ。
「……はい、恥を忍んで全てをお話しさせていただきますわ。
わたくしはもうあの方達と心穏やかに過ごす事はできませんので」
わたくしは紅茶を一口飲み、話を始めました。
「まず姉なのですが、彼女は窃盗犯として訴えます。
色々な物を取られたのですが、一番許せないのは、祖母から頂いたカメオを『貴女にはまだまだ早いわ。でもそのまましまっておくのは勿体無いから、私が使ってあげる』と持ち出し、自分の物にしてしまったのです。
祖母は姉にも首飾りをプレゼントしているのに、私の物まで取り上げるなんて…」
「カメオですか。
大事なプレゼントを取られたのはショックですね」
辺境伯はそう言いながら、メモを取っています。
調書なのでしょうか。
文章として残すのなら、嘘偽りなく話をしなければなりませんね。
「次に妹なのですが、彼女に対しては、不貞を訴えます。
私は先日婚約者ができたのですが、妹は彼が私に会いにきているのに、私より先に彼を部屋に連れ込んで、二人きりで部屋に籠るのですよ」
「ほう、婚約されたのですか、おめでとうございます」
「ありがとうございます。
でもこのままだと婚約破棄も辞さないです。
だって、私と言う婚約者が居るのに、同じ屋敷のなかで、妹と二人きり、メイドも部屋から追い出して、二人きりで部屋の中でだなんて………破廉恥でフシダラです!」
部屋の隅にいる従者やメイド達が憐れんだ視線を送ってきます。
本当に酷い事ですわよね。
「それと両親のことなのですが………虐待として訴えたいと思います」
「虐待ですか?」
辺境伯の纏う空気が硬くなりました。
強い視線で話の続きを促してきます。
「ええ…父に関しては暴力を、母は直接的な暴力ではありませんが、言葉により尊厳を傷つけられております」
「それは……大きな問題ですね」
辺境伯が腕を組み、眉間に皺を寄せたところで、部屋の外から駆け寄る足音が響いてきました。
屋敷の中を走るなんて、マナーがなっていませんね。
それとも何か事件でも?と扉の方を見ていたのですけど、足音の犯人はわたくしの家族でした。
「お…お父様!それに皆も」
「ああ、家族に関しての大切な話があると言われたので、呼びに行かせていたのだ」
辺境伯がわたくしの家族を呼んだようです。
それならそれで、本人達の前で白黒をつけましょう。
わたくしは泣き寝入りなんてしませんからね。
「お父様、もう遅いですわ。
皆の不儀は全て辺境伯に告発しましたから」
父は真っ赤な顔をして歩み寄り、私の頭を叩いたのです!
「痛い!
ほら、ご覧になられましたか、父はこうして何かあるたびにわたくしに手をあげるので………」
「何を言ってるのだ、マーシャル!
お忙しい辺境伯様の邪魔をして遊んでいるのでは無い!」
父はわたくしの頭を掴み、力尽くで頭を下げさせます。
殴った上にこの扱い、現行犯ですわよね。
「今娘さんから、両親が虐待すると訴えがあったのだが」
「「虐待?!」」
父と母の叫び声が重なります。
もう遅いですわよ、現行犯でもありますし。
「このバカは何を言ってんだ」
パシリとまた頭を殴られます。
「本当に何を考えてこんなバカな事をしているの?
私達だけにならいいけど、周りの迷惑を考えなさい。
これじゃあいつまで経っても淑女なんてなれませんよ」
「聞かれましたか、母はこうして事あるごとにわたくしを蔑むのです。
それにほら、姉がつけているのが先程話したカメオです」
姉を指さすと、『人を指さすもんじゃ無い』と父に手を叩かれました。
「彼女が言うには、姉は窃盗犯で、妹は不貞を行なっている…と」
「窃盗?え?貴女のキャンディを食べた事?
それとも昨日の夕食で残すのかと思って、スコッチエッグを食べた事?
それにカメオって、6歳の貴女には早いでしょ?」
「やっぱりキャンディを食べたのお姉様なのね!
毎日数えてるからすぐにわかるんだから!」
「喉がイガイガしてキャンディが欲しかったのよ。
代わりにチョコレートを置いてあったでしょ?」
「それはそれ、これはこれ、だわ!」
姉と言い合いをしていると、妹が寄って来ました。
「ねえ、お姉ちゃん、ふてーってなぁに?」
「3歳の子がそんな言葉知らなくていいの!」
母は妹を抱き上げ、父に『あとはお任せ致しますわ』と部屋から出て行きました。
「…………君はデビュタントで来月王都へ行くんだったよね、おめでとう」
「ありがとうございます」
辺境伯が姉に笑顔を向けます。
姉は優雅にカーテシーで返します。
え、今本人が告白したじゃ無いですか、キャンディやオカズを取ったって!
何故そんなに穏やかなのですか?
「この度は娘がご迷惑をおかけしてすみませんでした」
父が深々と頭を下げます。
「話の内容は穏やかではなかったが、理路整然としていたな。
なかなか頭の良いご息女ではないか」
「どこから情報を得てくるのか、口ばかり達者で、振り回されていますよ。
この調子であちらこちらで色々話されると、子供の戯言とは言え、虐待とは外聞が悪くてどうすればいいのでしょう。」
「大丈夫ですよ、暴力と本人は言っていますけど、殴ると言うより、ただのツッコミですし、暴言は躾だと周りも理解していますよ。
それに不貞は……プフッ、3歳の女の子が6歳の男の子を部屋に連れ込んで二人きりでも、不義密通になるなんて、なかなか面し……ゴホン」
「まあ、今はいいですけど、年を重ねてからは気をつけます」
「それでいいと思いますよ」
「…………………………………ちょっと待ってよ!
わたくしの訴えはどうなるの!」
ほのぼのとした空気が流れたところに、わたくしの叫びが響きます。
「どうもこうもないだろう!」
パシーーン!とまた頭を叩かれました。
目の前での暴行に、何故辺境伯は温かい目をしているのでしょうか?
「ほら、もう行くわよ。
帰りにキャンディ買ってあげるから」
「キ…キャンディ一つで誤魔化されませんわよ!」
「瓶入りを買ってあげるわ」
「そ!………仕方ないですわね、今回の窃盗の訴えは一旦取り下げてあげますわ」
「はいはい、ありがとう」
懐柔されたわけでは無いですからね、あくまでも一旦取り下げただけですからね。
「それでは失礼致します。
本当にお騒がせして申し訳ございませんでした」
わたくしの横で父は、深々と頭を下げています。
隣にいるわたくしの頭も押さえ付けて下げさせます。
レディに対して酷いですわ!
「さあ、帰ったら説教だ。
母さんも手ぐすね引いて待っているからな」
「ひっ!」
「それとお前は当分書庫への立ち入りは禁止だ。
変な知識ばかりつけおって」
「横暴ですわ!
暴力だけではなく、わたくしから知識も奪おうとするなんて!」
部屋の隅に居る従者やメイドの憐れんだ視線が……先ほどと同じ?
あの視線の意味は何なのでしょう?
それより何より、わたくしの訴えはどうなりますの?
このままだとお説教されてしまいますわ!
書庫にも立ち入れない上に、反省文も書かされるのでは?
「虐待よーー!誰か助けてーーーー!!」
ーーーーー〈切り取り線〉ーーーーー
突然訪れた6歳の子供の話を聞いてあげる辺境伯、優しいと思います。
父親にはハリセンを持たせれば、周りからの虐待疑惑は解消されると思います。
殴っているのではなく、あくまでもツッコミな叩き(はたき)ですから。
怒って殴っているのではなく、何でやねん的なツッコミはたきです。
祖母は、嫁に指輪、長女にはネックレス、次女にカメオブローチを、三女にはイヤリングをプレゼントしています。
姉はデビュタントに向けて、末の妹のイヤリングも借りています。
勿論返しますよ。
6歳にカメオブローチもですが、3歳にイヤリングも……、本人は生前の形見わけのつもりです。
姉は折角のアクセサリーを仕舞ったままなのは勿体無いと、お出かけの時などにも借りています。
借りっぱなしはダメですね。
小さな子供が覚えたての難しい言葉を使いたく、知り合いの大人の元に行った、と言う感覚で書いた話です。
ギャグなので軽く読んでいただけたら。
これまで耐え忍んできましたけれど、そろそろ限界なのです。
わたくしは家族を訴えさせていただきますわ。
わたくしの家は、辺境伯の治められているこの地で、一部の土地を預かっている寄子の男爵家です。
わたくしはそこの三人姉妹の次女として生まれてきました。
王都から離れていますから、華やかな行事とは縁遠いのですけど、危険視されていた隣国との和平も結ばれて、今はとても穏やかな土地です。
辺境伯は、住民の声もよくお聞きになる、とても優れた統治者です。
なので今回、家名を貶める事は承知で、わたくしを救っていただきたく、現状を訴える事にしたのです。
「それで…、ご家族を訴えるとは、穏やかでは無いね。
どういった理由なのか詳しく聞かせてもらえるかな」
テーブルを挟んでソファーに座る辺境伯。
勿論わたくしは未婚の女性ですので、部屋の扉は開けたままですし、従者やメイドも部屋にいますよ。
「……はい、恥を忍んで全てをお話しさせていただきますわ。
わたくしはもうあの方達と心穏やかに過ごす事はできませんので」
わたくしは紅茶を一口飲み、話を始めました。
「まず姉なのですが、彼女は窃盗犯として訴えます。
色々な物を取られたのですが、一番許せないのは、祖母から頂いたカメオを『貴女にはまだまだ早いわ。でもそのまましまっておくのは勿体無いから、私が使ってあげる』と持ち出し、自分の物にしてしまったのです。
祖母は姉にも首飾りをプレゼントしているのに、私の物まで取り上げるなんて…」
「カメオですか。
大事なプレゼントを取られたのはショックですね」
辺境伯はそう言いながら、メモを取っています。
調書なのでしょうか。
文章として残すのなら、嘘偽りなく話をしなければなりませんね。
「次に妹なのですが、彼女に対しては、不貞を訴えます。
私は先日婚約者ができたのですが、妹は彼が私に会いにきているのに、私より先に彼を部屋に連れ込んで、二人きりで部屋に籠るのですよ」
「ほう、婚約されたのですか、おめでとうございます」
「ありがとうございます。
でもこのままだと婚約破棄も辞さないです。
だって、私と言う婚約者が居るのに、同じ屋敷のなかで、妹と二人きり、メイドも部屋から追い出して、二人きりで部屋の中でだなんて………破廉恥でフシダラです!」
部屋の隅にいる従者やメイド達が憐れんだ視線を送ってきます。
本当に酷い事ですわよね。
「それと両親のことなのですが………虐待として訴えたいと思います」
「虐待ですか?」
辺境伯の纏う空気が硬くなりました。
強い視線で話の続きを促してきます。
「ええ…父に関しては暴力を、母は直接的な暴力ではありませんが、言葉により尊厳を傷つけられております」
「それは……大きな問題ですね」
辺境伯が腕を組み、眉間に皺を寄せたところで、部屋の外から駆け寄る足音が響いてきました。
屋敷の中を走るなんて、マナーがなっていませんね。
それとも何か事件でも?と扉の方を見ていたのですけど、足音の犯人はわたくしの家族でした。
「お…お父様!それに皆も」
「ああ、家族に関しての大切な話があると言われたので、呼びに行かせていたのだ」
辺境伯がわたくしの家族を呼んだようです。
それならそれで、本人達の前で白黒をつけましょう。
わたくしは泣き寝入りなんてしませんからね。
「お父様、もう遅いですわ。
皆の不儀は全て辺境伯に告発しましたから」
父は真っ赤な顔をして歩み寄り、私の頭を叩いたのです!
「痛い!
ほら、ご覧になられましたか、父はこうして何かあるたびにわたくしに手をあげるので………」
「何を言ってるのだ、マーシャル!
お忙しい辺境伯様の邪魔をして遊んでいるのでは無い!」
父はわたくしの頭を掴み、力尽くで頭を下げさせます。
殴った上にこの扱い、現行犯ですわよね。
「今娘さんから、両親が虐待すると訴えがあったのだが」
「「虐待?!」」
父と母の叫び声が重なります。
もう遅いですわよ、現行犯でもありますし。
「このバカは何を言ってんだ」
パシリとまた頭を殴られます。
「本当に何を考えてこんなバカな事をしているの?
私達だけにならいいけど、周りの迷惑を考えなさい。
これじゃあいつまで経っても淑女なんてなれませんよ」
「聞かれましたか、母はこうして事あるごとにわたくしを蔑むのです。
それにほら、姉がつけているのが先程話したカメオです」
姉を指さすと、『人を指さすもんじゃ無い』と父に手を叩かれました。
「彼女が言うには、姉は窃盗犯で、妹は不貞を行なっている…と」
「窃盗?え?貴女のキャンディを食べた事?
それとも昨日の夕食で残すのかと思って、スコッチエッグを食べた事?
それにカメオって、6歳の貴女には早いでしょ?」
「やっぱりキャンディを食べたのお姉様なのね!
毎日数えてるからすぐにわかるんだから!」
「喉がイガイガしてキャンディが欲しかったのよ。
代わりにチョコレートを置いてあったでしょ?」
「それはそれ、これはこれ、だわ!」
姉と言い合いをしていると、妹が寄って来ました。
「ねえ、お姉ちゃん、ふてーってなぁに?」
「3歳の子がそんな言葉知らなくていいの!」
母は妹を抱き上げ、父に『あとはお任せ致しますわ』と部屋から出て行きました。
「…………君はデビュタントで来月王都へ行くんだったよね、おめでとう」
「ありがとうございます」
辺境伯が姉に笑顔を向けます。
姉は優雅にカーテシーで返します。
え、今本人が告白したじゃ無いですか、キャンディやオカズを取ったって!
何故そんなに穏やかなのですか?
「この度は娘がご迷惑をおかけしてすみませんでした」
父が深々と頭を下げます。
「話の内容は穏やかではなかったが、理路整然としていたな。
なかなか頭の良いご息女ではないか」
「どこから情報を得てくるのか、口ばかり達者で、振り回されていますよ。
この調子であちらこちらで色々話されると、子供の戯言とは言え、虐待とは外聞が悪くてどうすればいいのでしょう。」
「大丈夫ですよ、暴力と本人は言っていますけど、殴ると言うより、ただのツッコミですし、暴言は躾だと周りも理解していますよ。
それに不貞は……プフッ、3歳の女の子が6歳の男の子を部屋に連れ込んで二人きりでも、不義密通になるなんて、なかなか面し……ゴホン」
「まあ、今はいいですけど、年を重ねてからは気をつけます」
「それでいいと思いますよ」
「…………………………………ちょっと待ってよ!
わたくしの訴えはどうなるの!」
ほのぼのとした空気が流れたところに、わたくしの叫びが響きます。
「どうもこうもないだろう!」
パシーーン!とまた頭を叩かれました。
目の前での暴行に、何故辺境伯は温かい目をしているのでしょうか?
「ほら、もう行くわよ。
帰りにキャンディ買ってあげるから」
「キ…キャンディ一つで誤魔化されませんわよ!」
「瓶入りを買ってあげるわ」
「そ!………仕方ないですわね、今回の窃盗の訴えは一旦取り下げてあげますわ」
「はいはい、ありがとう」
懐柔されたわけでは無いですからね、あくまでも一旦取り下げただけですからね。
「それでは失礼致します。
本当にお騒がせして申し訳ございませんでした」
わたくしの横で父は、深々と頭を下げています。
隣にいるわたくしの頭も押さえ付けて下げさせます。
レディに対して酷いですわ!
「さあ、帰ったら説教だ。
母さんも手ぐすね引いて待っているからな」
「ひっ!」
「それとお前は当分書庫への立ち入りは禁止だ。
変な知識ばかりつけおって」
「横暴ですわ!
暴力だけではなく、わたくしから知識も奪おうとするなんて!」
部屋の隅に居る従者やメイドの憐れんだ視線が……先ほどと同じ?
あの視線の意味は何なのでしょう?
それより何より、わたくしの訴えはどうなりますの?
このままだとお説教されてしまいますわ!
書庫にも立ち入れない上に、反省文も書かされるのでは?
「虐待よーー!誰か助けてーーーー!!」
ーーーーー〈切り取り線〉ーーーーー
突然訪れた6歳の子供の話を聞いてあげる辺境伯、優しいと思います。
父親にはハリセンを持たせれば、周りからの虐待疑惑は解消されると思います。
殴っているのではなく、あくまでもツッコミな叩き(はたき)ですから。
怒って殴っているのではなく、何でやねん的なツッコミはたきです。
祖母は、嫁に指輪、長女にはネックレス、次女にカメオブローチを、三女にはイヤリングをプレゼントしています。
姉はデビュタントに向けて、末の妹のイヤリングも借りています。
勿論返しますよ。
6歳にカメオブローチもですが、3歳にイヤリングも……、本人は生前の形見わけのつもりです。
姉は折角のアクセサリーを仕舞ったままなのは勿体無いと、お出かけの時などにも借りています。
借りっぱなしはダメですね。
小さな子供が覚えたての難しい言葉を使いたく、知り合いの大人の元に行った、と言う感覚で書いた話です。
ギャグなので軽く読んでいただけたら。
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