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第七話 あれ? この展開、推しの夢小説で読んだぞ……!? その1
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突然だが、「マジカル☆ステラ」には、あかりちゃん達が通う「流火中学校」が戦場になった回は、一度もない。
理由はもちろん、メテオくんが学校を攻撃したくなかったからだ。
「天手オリト」として友達と過ごした日々は、メテオくんにとって、それだけ大切なものだった。
それは、無理矢理必殺技を変えてしまった「星見台あかり」である私の世界でも、順調にその流れになって来ているようで、「天手オリト」の転校初日の、あのキラキラとした王子様オーラは少し薄れ、日向君やフットサル同好会のメンバー達と一緒にいる時は、年相応の振る舞いを見せるようになって来ていた。
そんなわけで、学校生活は平和に送ることが出来ているのである。
……、が、しかし。
「星見台」
ガツン、と頭に衝撃が走る。
いってぇな、と思って衝撃が走った先を見ると、国語のオッサン先生が、私の顔を覗き込んでいた。
……、ちなみに、今は、国語の授業の時間である。
「人の音読はちゃんと聞いとけよ……、んじゃ、天手に読んでもらおうか」
絶賛舟を漕いでいた私に、隣の席に座っているメテオくんは、やけに優越感に塗れたような、完璧にこちらを蔑んでいる瞳で見てきた。
正直、我々の業界ではご褒美です。ありがとうございます。
だけど、相変わらず、メテオくん、ではなく、天手くんに対しては、一般人の枠を出ないように接することに決めてはいるので、頬が緩まないように顔を引き締めることにする。
これがポラリスに変身している時だったら、大喜びでキャーキャー喚き散らす自信はあるんだけどな。
やがて、天手くんの、凛とした声が教室中に響き渡り、全私がその美声に聞き惚れた。
顔も良しで声も良いって、本当に天は二物も三物も与えまくっていると思う。
それを真横で聞けて見られて同じ空間で息が吸えるんだから、私は幸せものだ。
こんな平和な時間が、永遠に続けばいいのに。
「サイッヤクダー!」
……、聞き慣れた野太い声が遠くで聞こえたような気がするのは、気のせいか。
いや、まっさか~。ここは学校ですよ?「マジカル☆ステラ」で学校というスポットは、非戦闘領域の、聖域なハズですよ?
しかも、それを操っている人間が私の隣で今音読をしているわけで。
音読しながら学校を襲うって、さすがのメテオくんでも無理ゲーじゃないだろうか。
……、あれ?メテオくん、なんか今、ソワっとしたぞ?
「はい、天手。居眠りした星見台の代わりにありがとうな。じゃ、次――」
「キャー!」
オッサン先生の声に被せて、クラスの子が、悲鳴を上げて立ち上がった。
その指先は、窓の外を指している。
「どうした?……、って」
オッサン先生が窓の外を見る。
瞬間、他のクラスメイト達が次々に悲鳴を上げ、パニックになって教室から出て行った。
それに遅れて、オッサン先生も、慌てて教室を出て行く。
「……、まじかよ」
まぁ、私は飽きるほど見ているので、別に悲鳴は上げなかったけれども。
「サイッヤクダー!」
――、どこぞの巨人漫画よろしく、巨人型のサイヤクダーが、窓からこちらを覗いていた。
これは、ショッピングモールでメテオくんが出したやつと同じくらいの大きさだろうか。
とにかく、こんなデカブツが覗いていたら、そりゃ一般人はびっくりするに決まっている。
……、ということは、隣にいるメテオくんが、出したのだろうか。
「な、なんでだよ……?!」
しかし、メテオくん、もとい、天手くんは、驚きのあまり、思い切り尻もちをついて、そこから動けないでいるようだった。
この様子だと、本当に、メテオくんはこのサイヤクダーのことは一切知らないみたいである。
……、じゃあ、誰が?
「マジカル☆ステラ」では、メテオくん以外に、この世界に直接攻めてきた敵キャラはいない。
最終決戦はコメット王国だし、メテオくんがそこで消えた後、ラスボスのメテオくんの両親と戦う、みたいなシナリオだったんだけど。
「天手くん、逃げて!」
何も知らないあおいちゃんがメテオくんに声を掛ける。
そうだ。都合のいいことに、一応、クラスの皆とオッサン先生は、「マジカル・ポラリス」とメテオくん以外、全員教室から逃げ出したのだ。
残った私達が変身をする分には、支障はない。
どうせ、メテオくんは私達の正体を知っているんだし。
「二人とも、やるよ!」
メテオくんを背中に庇う。
だって、ここでのメテオくんは、「天手オリト」という一般人。
絶対に私が守らないと。
「……、うん!」
「やろっか!」
三人で頷き合って、窓の外の巨人を見据える。
「ステラ・マジカルプロテクション!」
三人同時に声を上げ、ステラ・ミラーを胸の前で翳す。
いつも通り、目の前で光が弾けて、私達の視界を覆った。
「……、どうなっているんだ?」
相変わらず床に座っているメテオくんを振り返る。
私達の変身じゃなくて、サイヤクダーが自分の知らないところで勝手に動き出していたショックが相当強いのだろう。
でも、何も知らない人が見たら、目の前の変身ヒロインに腰抜かしている一般人の男子中学生に見えるんだろうな。
あぁ、これも、なかなかいい眺めだ。推しを背にして戦うなんて、こんなシチュエーション、そうそうない。メテオくんヲタクとしては、絶景のひとつに数えられるだろう。
とりあえず、「目の前の一般人の生徒を助ける正義のヒーロー」としては、だ。
「クラスの皆には、内緒だよ?」
にっこり笑って、片目を瞑って見せる。
それから、巨人が大声を出して割った窓ガラスの雨の中を、変身ヒロイン三人で駆け抜けた。
理由はもちろん、メテオくんが学校を攻撃したくなかったからだ。
「天手オリト」として友達と過ごした日々は、メテオくんにとって、それだけ大切なものだった。
それは、無理矢理必殺技を変えてしまった「星見台あかり」である私の世界でも、順調にその流れになって来ているようで、「天手オリト」の転校初日の、あのキラキラとした王子様オーラは少し薄れ、日向君やフットサル同好会のメンバー達と一緒にいる時は、年相応の振る舞いを見せるようになって来ていた。
そんなわけで、学校生活は平和に送ることが出来ているのである。
……、が、しかし。
「星見台」
ガツン、と頭に衝撃が走る。
いってぇな、と思って衝撃が走った先を見ると、国語のオッサン先生が、私の顔を覗き込んでいた。
……、ちなみに、今は、国語の授業の時間である。
「人の音読はちゃんと聞いとけよ……、んじゃ、天手に読んでもらおうか」
絶賛舟を漕いでいた私に、隣の席に座っているメテオくんは、やけに優越感に塗れたような、完璧にこちらを蔑んでいる瞳で見てきた。
正直、我々の業界ではご褒美です。ありがとうございます。
だけど、相変わらず、メテオくん、ではなく、天手くんに対しては、一般人の枠を出ないように接することに決めてはいるので、頬が緩まないように顔を引き締めることにする。
これがポラリスに変身している時だったら、大喜びでキャーキャー喚き散らす自信はあるんだけどな。
やがて、天手くんの、凛とした声が教室中に響き渡り、全私がその美声に聞き惚れた。
顔も良しで声も良いって、本当に天は二物も三物も与えまくっていると思う。
それを真横で聞けて見られて同じ空間で息が吸えるんだから、私は幸せものだ。
こんな平和な時間が、永遠に続けばいいのに。
「サイッヤクダー!」
……、聞き慣れた野太い声が遠くで聞こえたような気がするのは、気のせいか。
いや、まっさか~。ここは学校ですよ?「マジカル☆ステラ」で学校というスポットは、非戦闘領域の、聖域なハズですよ?
しかも、それを操っている人間が私の隣で今音読をしているわけで。
音読しながら学校を襲うって、さすがのメテオくんでも無理ゲーじゃないだろうか。
……、あれ?メテオくん、なんか今、ソワっとしたぞ?
「はい、天手。居眠りした星見台の代わりにありがとうな。じゃ、次――」
「キャー!」
オッサン先生の声に被せて、クラスの子が、悲鳴を上げて立ち上がった。
その指先は、窓の外を指している。
「どうした?……、って」
オッサン先生が窓の外を見る。
瞬間、他のクラスメイト達が次々に悲鳴を上げ、パニックになって教室から出て行った。
それに遅れて、オッサン先生も、慌てて教室を出て行く。
「……、まじかよ」
まぁ、私は飽きるほど見ているので、別に悲鳴は上げなかったけれども。
「サイッヤクダー!」
――、どこぞの巨人漫画よろしく、巨人型のサイヤクダーが、窓からこちらを覗いていた。
これは、ショッピングモールでメテオくんが出したやつと同じくらいの大きさだろうか。
とにかく、こんなデカブツが覗いていたら、そりゃ一般人はびっくりするに決まっている。
……、ということは、隣にいるメテオくんが、出したのだろうか。
「な、なんでだよ……?!」
しかし、メテオくん、もとい、天手くんは、驚きのあまり、思い切り尻もちをついて、そこから動けないでいるようだった。
この様子だと、本当に、メテオくんはこのサイヤクダーのことは一切知らないみたいである。
……、じゃあ、誰が?
「マジカル☆ステラ」では、メテオくん以外に、この世界に直接攻めてきた敵キャラはいない。
最終決戦はコメット王国だし、メテオくんがそこで消えた後、ラスボスのメテオくんの両親と戦う、みたいなシナリオだったんだけど。
「天手くん、逃げて!」
何も知らないあおいちゃんがメテオくんに声を掛ける。
そうだ。都合のいいことに、一応、クラスの皆とオッサン先生は、「マジカル・ポラリス」とメテオくん以外、全員教室から逃げ出したのだ。
残った私達が変身をする分には、支障はない。
どうせ、メテオくんは私達の正体を知っているんだし。
「二人とも、やるよ!」
メテオくんを背中に庇う。
だって、ここでのメテオくんは、「天手オリト」という一般人。
絶対に私が守らないと。
「……、うん!」
「やろっか!」
三人で頷き合って、窓の外の巨人を見据える。
「ステラ・マジカルプロテクション!」
三人同時に声を上げ、ステラ・ミラーを胸の前で翳す。
いつも通り、目の前で光が弾けて、私達の視界を覆った。
「……、どうなっているんだ?」
相変わらず床に座っているメテオくんを振り返る。
私達の変身じゃなくて、サイヤクダーが自分の知らないところで勝手に動き出していたショックが相当強いのだろう。
でも、何も知らない人が見たら、目の前の変身ヒロインに腰抜かしている一般人の男子中学生に見えるんだろうな。
あぁ、これも、なかなかいい眺めだ。推しを背にして戦うなんて、こんなシチュエーション、そうそうない。メテオくんヲタクとしては、絶景のひとつに数えられるだろう。
とりあえず、「目の前の一般人の生徒を助ける正義のヒーロー」としては、だ。
「クラスの皆には、内緒だよ?」
にっこり笑って、片目を瞑って見せる。
それから、巨人が大声を出して割った窓ガラスの雨の中を、変身ヒロイン三人で駆け抜けた。
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