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Ⅰ ~邪竜をテイムしたのでついでに魔王も倒しておこうと思う~
【第53話:本当に良かった】
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オレは南の広場に急いでいた。
リルラは、見た目はともかく大陸でも最強クラスの魔法使いだ。
その上にジルから貰った『慟哭の首飾り』も渡しているのだから、そうそう負ける事も苦戦する事もないだろう。
しかし、リリーとルルーは強いと言っても常識の範囲内で、おそらくA級冒険者ぐらいの強さだろう。
魔界門から出てくる敵次第ではあるが、あのとんでもない数の敵を相手にするとなると苦戦する可能性が高い。
「怪我したりしてないだろうな……」
なんか冷静に状況を分析してたら急に不安になってきた……。
「まぁ……もう十分騒ぎになってるし、ちょっとぐらい良いよね……?」
オレはもう周りが驚き振り返るほどの速度で街を駆け抜け、南の広場に向かっていたのだが、不安になって来たのでちょっとだけ本気で……そう、ちょっとだけ……。
「黒闇穿天流槍術、【月歩】!」
~
オレは無事にリリーとルルーの二人と合流する事が出来た。
その後、魔界門が自動で閉じるまで3人でコボルト達を殲滅し続け、市民に被害を出すことなく何とか戦いを終える事が出来た。
出来たのだが……。
「それでコウガ。段々市民の悲鳴と轟音が近づいてきたので警戒していた所にコウガが現れたのですが、どういう事か説明してくれますか?……にゃ」
「黄色い悲鳴ではなかった……にゃ」
ちょっとだけやり過ぎたかもしれない……。
「いや、その、あれだ……【月歩】を連続で使ったら、ちょっとしたソニックブームがですね……」
一応気をつけてはいたんだが……。
「まぁもう少しで私たちの殲滅が追い付かなくなって周りに被害が出る所だったので助かりはしたのですが……にゃ」
「嬉しかったけど、若干 別の被害が出てる……にゃ」
「その……申し訳ない……」
後で聞いたら数人が衝撃波でこけたりしたみたいだが、大きな怪我や家や商店に被害はなかったそうなので本当に良かった。本当に良かった。
被害が出るか出ないかギリギリのとこ狙って急いだお陰だね。抗議は甘んじて受けます。はい。
「なんかリルラの方はいつもの精霊たちが総出で対応して完封したらしいよ。この街のギルド職員の人が早馬でさっき知らせてくれた」
「「さすがリルラです……にゃ」」
どうも「ちゃん」付けは本当にやめて呼び捨てになったようだ……でもこれって昇格なんだろうか?
「そうだな。じゃぁ、オレ達も冒険者ギルドに向かうか」
「「はい!……にゃ」」
リルラは一旦状況説明の為に冒険者ギルドに向かっているそうなので、オレ達もこの後同じように冒険者ギルドに向かう事になった。
~
「コウガ様!ちゃんとお役目果たしてきました~!」
冒険者ギルドの扉を開けた瞬間、オレを見つけたリルラが駆け寄ってきてポムっとまた腰に抱きついてきた。
「さすがリルラだな!良くやったな!」
リルラの頭をわしゃわしゃと撫でてあげると、目を細めて嬉しそうにしている。
と、同時に何か凄い殺気の籠った視線を感じる!?
「な、なんだあの野郎!リルラ様に何て不敬な!」
「くそぉ!爆ぜろ!そして禿げろ!」
「リルラ様の頭をあんな……羨ま恨めしい!!」
なんだ、このリルラ親衛隊みたいなのは……。
「……リルラ?あの人たちは?」
コッソリ小声でリルラに聞いてみると、
「あぁ、さっき魔族の突然の襲撃で壊滅していた弱い衛兵さん達です!仕方ないので私が治しておきました!」
と大声で教えてくれる。
「そ、そうか。良くやったな……」
何か衛兵さん達が胸にダメージを受けて崩れ落ちているけど……まぁ良いか。
そんな事をしていると、ギルドマスターのグラムさんがオレに気付いて慌てて駆け寄ってきた。
「いた!コウガだったな!ようやく来たか!」
ん?何か少し慌てているようだ。
「どうしたんですか?何かまだ問題でも残っているんですか?」
「問題が発生しているかどうかはわからねぇんだが……」
何か要領が掴めない。
オレはその先に続く言葉を待つのだが、オレは大事な事を忘れていた……。
「お前のドラゴンがあの後ギルドに現れたんだよ!あいつ……喋るんだな……正直マジでビビったぜ!」
ジルさん喋っちゃってるよ……ドラゴンで会話できるのはかなり上位のドラゴンだけなんだよね……。
「えっと……ははははは……はっ!?それでジルは!?」
「それがなぁ。何故かジル宛てにドアラの冒険者ギルドからちょうど魔法郵便が届いてな」
ん?魔法郵便?ジル宛てに?いったいどう言う事だ??
「それでその魔法郵便をそのドラゴンが手にとって読んだら、お前が来たらすぐに戻ると伝えておいてくれって伝言頼まれて……そのまま大きくなって飛んでっちまったんだよ!あのドラゴンなにもんなんだよ!?」
もうダメだ……一瞬、ジルの魔法で記憶消してもらおうかと真剣に悩んだオレは決して悪くない。
リルラは、見た目はともかく大陸でも最強クラスの魔法使いだ。
その上にジルから貰った『慟哭の首飾り』も渡しているのだから、そうそう負ける事も苦戦する事もないだろう。
しかし、リリーとルルーは強いと言っても常識の範囲内で、おそらくA級冒険者ぐらいの強さだろう。
魔界門から出てくる敵次第ではあるが、あのとんでもない数の敵を相手にするとなると苦戦する可能性が高い。
「怪我したりしてないだろうな……」
なんか冷静に状況を分析してたら急に不安になってきた……。
「まぁ……もう十分騒ぎになってるし、ちょっとぐらい良いよね……?」
オレはもう周りが驚き振り返るほどの速度で街を駆け抜け、南の広場に向かっていたのだが、不安になって来たのでちょっとだけ本気で……そう、ちょっとだけ……。
「黒闇穿天流槍術、【月歩】!」
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オレは無事にリリーとルルーの二人と合流する事が出来た。
その後、魔界門が自動で閉じるまで3人でコボルト達を殲滅し続け、市民に被害を出すことなく何とか戦いを終える事が出来た。
出来たのだが……。
「それでコウガ。段々市民の悲鳴と轟音が近づいてきたので警戒していた所にコウガが現れたのですが、どういう事か説明してくれますか?……にゃ」
「黄色い悲鳴ではなかった……にゃ」
ちょっとだけやり過ぎたかもしれない……。
「いや、その、あれだ……【月歩】を連続で使ったら、ちょっとしたソニックブームがですね……」
一応気をつけてはいたんだが……。
「まぁもう少しで私たちの殲滅が追い付かなくなって周りに被害が出る所だったので助かりはしたのですが……にゃ」
「嬉しかったけど、若干 別の被害が出てる……にゃ」
「その……申し訳ない……」
後で聞いたら数人が衝撃波でこけたりしたみたいだが、大きな怪我や家や商店に被害はなかったそうなので本当に良かった。本当に良かった。
被害が出るか出ないかギリギリのとこ狙って急いだお陰だね。抗議は甘んじて受けます。はい。
「なんかリルラの方はいつもの精霊たちが総出で対応して完封したらしいよ。この街のギルド職員の人が早馬でさっき知らせてくれた」
「「さすがリルラです……にゃ」」
どうも「ちゃん」付けは本当にやめて呼び捨てになったようだ……でもこれって昇格なんだろうか?
「そうだな。じゃぁ、オレ達も冒険者ギルドに向かうか」
「「はい!……にゃ」」
リルラは一旦状況説明の為に冒険者ギルドに向かっているそうなので、オレ達もこの後同じように冒険者ギルドに向かう事になった。
~
「コウガ様!ちゃんとお役目果たしてきました~!」
冒険者ギルドの扉を開けた瞬間、オレを見つけたリルラが駆け寄ってきてポムっとまた腰に抱きついてきた。
「さすがリルラだな!良くやったな!」
リルラの頭をわしゃわしゃと撫でてあげると、目を細めて嬉しそうにしている。
と、同時に何か凄い殺気の籠った視線を感じる!?
「な、なんだあの野郎!リルラ様に何て不敬な!」
「くそぉ!爆ぜろ!そして禿げろ!」
「リルラ様の頭をあんな……羨ま恨めしい!!」
なんだ、このリルラ親衛隊みたいなのは……。
「……リルラ?あの人たちは?」
コッソリ小声でリルラに聞いてみると、
「あぁ、さっき魔族の突然の襲撃で壊滅していた弱い衛兵さん達です!仕方ないので私が治しておきました!」
と大声で教えてくれる。
「そ、そうか。良くやったな……」
何か衛兵さん達が胸にダメージを受けて崩れ落ちているけど……まぁ良いか。
そんな事をしていると、ギルドマスターのグラムさんがオレに気付いて慌てて駆け寄ってきた。
「いた!コウガだったな!ようやく来たか!」
ん?何か少し慌てているようだ。
「どうしたんですか?何かまだ問題でも残っているんですか?」
「問題が発生しているかどうかはわからねぇんだが……」
何か要領が掴めない。
オレはその先に続く言葉を待つのだが、オレは大事な事を忘れていた……。
「お前のドラゴンがあの後ギルドに現れたんだよ!あいつ……喋るんだな……正直マジでビビったぜ!」
ジルさん喋っちゃってるよ……ドラゴンで会話できるのはかなり上位のドラゴンだけなんだよね……。
「えっと……ははははは……はっ!?それでジルは!?」
「それがなぁ。何故かジル宛てにドアラの冒険者ギルドからちょうど魔法郵便が届いてな」
ん?魔法郵便?ジル宛てに?いったいどう言う事だ??
「それでその魔法郵便をそのドラゴンが手にとって読んだら、お前が来たらすぐに戻ると伝えておいてくれって伝言頼まれて……そのまま大きくなって飛んでっちまったんだよ!あのドラゴンなにもんなんだよ!?」
もうダメだ……一瞬、ジルの魔法で記憶消してもらおうかと真剣に悩んだオレは決して悪くない。
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