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第一章
第33話:タスク
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心配そうにこちらを覗き込む森羅さん。
でも、そうじゃないんだ。
いや、確かにこんな事態になって不安ではある。
でもオレが焦っているのはこの第三の視界に表示されている『タスク一覧』という画面のせいだ。
≪タスク1:下記マップの示す位置に設置された『混沌石』の破壊≫
≪タスク2:マーカーに設定した『異邦人』の排除≫
混沌石? 異邦人? なんだ? どちらも聞いたことないぞ。
もちろん言葉としてはなんとなくわかるが、ここで指すものが何かまではわからない。
全然頭の中が整理出来ていないが、このまま黙っているわけにもいかない。
「心配かけてすみません。でも、えっと、そうじゃないんです」
「そうじゃない?」
「ちょ、ちょっと待ってもらえますか? お話するので考えを整理するのに少しだけ時間をください」
この状況で全部黙って一人で解決するのは難しいだろう。
だけど、丸々全部話すことは避けたい。特にダンジョンアドミニストレーターのユニークスキルについては。
だから色々確認したりする時間を貰うことにした。
みんなもオレになにか起こったのを薄々感じているようだが、この数時間である程度はオレのことを信頼してくれたのか、何も聞かずに待ってくれるようだ。
スキルの使い方と似たような形で、そのタスクに意識を向けるとどういう内容なのかが自然と理解することが出来た。
まず、タスクとは……。
ダンジョン管理者に与えられた作業。うん、そのまんまだな。
ダンジョンシステムから発行されるもので、やるのもやらないのも自由のようだ。
ただ今回は、このタスクは必ずこなさなければならない。なぜなら、この二つのタスクを終わらせた報酬の一つがダンジョンゲートの再稼働だったからだ。
あと今回のタスク、どうも制限時間があるっぽい。
正確に言うと、タスク1の方にカウントダウンする時間が表示されており、この時間内に達成しないといけないようだ。
その理由がダンジョン侵食とあるのだが、どうもこれが進むとダンジョンのシステムが機能しなくなってダンジョンが乗っ取られるようだ。乗っ取った奴がゲートを再稼働させてくれれば帰れるのだろうが、それに縋るのはちょっと頭がお花畑すぎる。
しかし、ダンジョンシステムって乗っ取られるとかあるのか~。
軽トラダンジョンも注意しておかないといけないな。
なにを注意したらいいのか全くわからないが……。
まぁそれは後で考えよう。今次に考えるのは、もう一つのタスク2のことだ。
これは『異邦人』というよくわからない存在の排除ということになっているのだが、人ではなく、魔物ともまた別の存在のようだ。詳細には出来れば討伐が望ましいとの記述もある。
ダンジョンが出来て三〇年。
魔物という非現実的な存在にももう慣れてきてはいたが、まさか他にもまだ未知の存在がいるとは思ってもみなかった。
しかも、ダンジョンのシステムを乗っ取ろうとしているということは、知的生命体の可能性が非常に高い。
単純にそいつの強さがわからないことも怖いが、知性があることが一番厄介かもしれない。
一筋縄ではいかなさそうな状況に嫌になるが、何もわからない手探りの状況よりはマシと前向きに考えよう。
原因の位置が判明しただけでも大きな前進だ。
さて……あとはこのことをどう説明するべきか……。
オレになにかあったのは明らかで、皆がオレに視線を向けていた。
「えっと、待たせてしまいすみません。ちょっと今から突拍子もないことを言いますが、出来れば最後まで話を聞いてから信じるか判断して貰えると助かります」
居住まいを正し、出来るだけ真剣さが伝わるように話をする。
「わかりました。なにかあったようですし、お話を聞かせてください。今は少しでも手がかりが欲しいですから」
皆を代表して椿さんが了承してくれたので話を続ける。
と言っても、さすがにすべてを話すつもりはない。
今日一日一緒に過ごして信用できる人たちだとは思うが、彼女たちは全員森羅家に属する者たちだ。そちらから圧力を掛けられたり、弱みを握られたりなどの事態に陥った場合、どこまで秘密を守ってもらえるのかわからない。
それに全てを話してしまうと、彼女たちを余計に危険に巻き込む可能性もある。
だから、今回の問題を解決させるのに必要な部分のみを話すことにした。
ただ、リスクを減らせる可能性のあることなら出し惜しみはなしでいこう。
「まず、実はオレはちょっと珍しいスキルを所持しています。詳しくは話せませんが、そのスキルによると今回の原因と思われる物体と存在の位置が特定出来ました」
色々質問をしたそうだが、しかし約束通りまずは最後まで話を聞いてくれるようだ。
「話を続けますね。その原因となる物体を破壊し、今回の事態を引き起こした存在を排除することで、ダンジョンゲートが開くことがわかりました。これはオレ個人に発行されたクエストのようなものの報酬と考えて下さい。その物体の名は『混沌石』、引き起こした存在は『異邦人』と言うようです。どちらもその詳細まではわかりませんが、異邦人の方は人でも魔物でもない未知の存在と思われます」
皆、予想外の内容に一瞬内容が理解できず、呆気にとられる表情を浮かべる。だが、次第に咀嚼するようにゆっくりとその意味を理解すると息を呑んだ。
でも、そうじゃないんだ。
いや、確かにこんな事態になって不安ではある。
でもオレが焦っているのはこの第三の視界に表示されている『タスク一覧』という画面のせいだ。
≪タスク1:下記マップの示す位置に設置された『混沌石』の破壊≫
≪タスク2:マーカーに設定した『異邦人』の排除≫
混沌石? 異邦人? なんだ? どちらも聞いたことないぞ。
もちろん言葉としてはなんとなくわかるが、ここで指すものが何かまではわからない。
全然頭の中が整理出来ていないが、このまま黙っているわけにもいかない。
「心配かけてすみません。でも、えっと、そうじゃないんです」
「そうじゃない?」
「ちょ、ちょっと待ってもらえますか? お話するので考えを整理するのに少しだけ時間をください」
この状況で全部黙って一人で解決するのは難しいだろう。
だけど、丸々全部話すことは避けたい。特にダンジョンアドミニストレーターのユニークスキルについては。
だから色々確認したりする時間を貰うことにした。
みんなもオレになにか起こったのを薄々感じているようだが、この数時間である程度はオレのことを信頼してくれたのか、何も聞かずに待ってくれるようだ。
スキルの使い方と似たような形で、そのタスクに意識を向けるとどういう内容なのかが自然と理解することが出来た。
まず、タスクとは……。
ダンジョン管理者に与えられた作業。うん、そのまんまだな。
ダンジョンシステムから発行されるもので、やるのもやらないのも自由のようだ。
ただ今回は、このタスクは必ずこなさなければならない。なぜなら、この二つのタスクを終わらせた報酬の一つがダンジョンゲートの再稼働だったからだ。
あと今回のタスク、どうも制限時間があるっぽい。
正確に言うと、タスク1の方にカウントダウンする時間が表示されており、この時間内に達成しないといけないようだ。
その理由がダンジョン侵食とあるのだが、どうもこれが進むとダンジョンのシステムが機能しなくなってダンジョンが乗っ取られるようだ。乗っ取った奴がゲートを再稼働させてくれれば帰れるのだろうが、それに縋るのはちょっと頭がお花畑すぎる。
しかし、ダンジョンシステムって乗っ取られるとかあるのか~。
軽トラダンジョンも注意しておかないといけないな。
なにを注意したらいいのか全くわからないが……。
まぁそれは後で考えよう。今次に考えるのは、もう一つのタスク2のことだ。
これは『異邦人』というよくわからない存在の排除ということになっているのだが、人ではなく、魔物ともまた別の存在のようだ。詳細には出来れば討伐が望ましいとの記述もある。
ダンジョンが出来て三〇年。
魔物という非現実的な存在にももう慣れてきてはいたが、まさか他にもまだ未知の存在がいるとは思ってもみなかった。
しかも、ダンジョンのシステムを乗っ取ろうとしているということは、知的生命体の可能性が非常に高い。
単純にそいつの強さがわからないことも怖いが、知性があることが一番厄介かもしれない。
一筋縄ではいかなさそうな状況に嫌になるが、何もわからない手探りの状況よりはマシと前向きに考えよう。
原因の位置が判明しただけでも大きな前進だ。
さて……あとはこのことをどう説明するべきか……。
オレになにかあったのは明らかで、皆がオレに視線を向けていた。
「えっと、待たせてしまいすみません。ちょっと今から突拍子もないことを言いますが、出来れば最後まで話を聞いてから信じるか判断して貰えると助かります」
居住まいを正し、出来るだけ真剣さが伝わるように話をする。
「わかりました。なにかあったようですし、お話を聞かせてください。今は少しでも手がかりが欲しいですから」
皆を代表して椿さんが了承してくれたので話を続ける。
と言っても、さすがにすべてを話すつもりはない。
今日一日一緒に過ごして信用できる人たちだとは思うが、彼女たちは全員森羅家に属する者たちだ。そちらから圧力を掛けられたり、弱みを握られたりなどの事態に陥った場合、どこまで秘密を守ってもらえるのかわからない。
それに全てを話してしまうと、彼女たちを余計に危険に巻き込む可能性もある。
だから、今回の問題を解決させるのに必要な部分のみを話すことにした。
ただ、リスクを減らせる可能性のあることなら出し惜しみはなしでいこう。
「まず、実はオレはちょっと珍しいスキルを所持しています。詳しくは話せませんが、そのスキルによると今回の原因と思われる物体と存在の位置が特定出来ました」
色々質問をしたそうだが、しかし約束通りまずは最後まで話を聞いてくれるようだ。
「話を続けますね。その原因となる物体を破壊し、今回の事態を引き起こした存在を排除することで、ダンジョンゲートが開くことがわかりました。これはオレ個人に発行されたクエストのようなものの報酬と考えて下さい。その物体の名は『混沌石』、引き起こした存在は『異邦人』と言うようです。どちらもその詳細まではわかりませんが、異邦人の方は人でも魔物でもない未知の存在と思われます」
皆、予想外の内容に一瞬内容が理解できず、呆気にとられる表情を浮かべる。だが、次第に咀嚼するようにゆっくりとその意味を理解すると息を呑んだ。
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