軽トラの荷台にダンジョンができました★車ごと【非破壊オブジェクト化】して移動要塞になったので快適探索者生活を始めたいと思います

こげ丸

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第一章

第39話:異邦人を倒せ①

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≪それでは作戦を開始します!!≫

 心臓が早鐘を打っている。
 本当に上手くいくだろうか。
 探索者になったばかりだというのに、オレはなんでこんなことに巻き込まれているのだろう。
 不安を誤魔化そうと、余計な事が頭を過ぎる。

 落ち着け……。

 せっかく快適な探索者生活が幕を開けたんだ。
 こんな所で死んでたまるか!

「それじゃぁオレたちも行きましょう!」

「は、はい!!」

 まず最初に向かうのは、倒れている三上さんのところ。

 三上さんと日暮さんは、他の三人から少し離れた位置にいる。
 気配遮断が異邦人にも通じた三上さんは、単身混沌石の元へと向かい、これを三上さんの式神の手を借りて見事破壊することに成功した。

 しかし混沌石を破壊した瞬間、それまであまり大きな反応を見せていなかった異邦人が絶叫。三上さんの方へと向けて走り出した。

 ただ、ここまでは想定の範囲内だった。
 穂上さんと本庄さんが落ち着いて行動を起こし、陣も利用して立ち塞がったのだが……異邦人の強さが想定を上回っていた。

 瞬く間に陣を破壊され、穂上さんと本庄さんも一分と持ちこたえられずに倒されたようだ。
 ようだと言うか、ログに残っているので事実倒されてしまったのだ。

 そして狙われた三上さんは無数に放たれた強力な闇系攻撃魔法を避けきれず、最後には続けざまに被弾し、大きな怪我を負ってしまったようだ。


「日暮さんは、そのまま祈祷を続けて下さい! 急いで準備します!」

 二人の元へと辿り着くと、すぐに管理者倉庫から大量のMP回復ポーションを取り出し袋に詰めていく。

「お待たせしました! 森羅さんはこれをお願いします! 式神にも指示を!」

 ポーションを袋に詰め終わると、森羅さんにそのまま手渡し、オレは次の準備に取り掛かる。

「後鬼! あなたはこの袋を持って椿さんの元に向かい手助けを! 前鬼は本庄さんと穂上さんの護衛をしながら私の所まで連れてくるように!」

≪椿さん、今から後鬼にMP回復ポーションを運んでもらいます。後鬼に指示を出せば持っているポーションを片っ端から掛けて貰えるはずなので、出来るだけ攻撃の手を緩めないようにお願いします!≫

「(わかったわ! なんとしてでも後少し足止めしてみせるわ!)」

 経口摂取の方がポーション一本あたりの回復量は多いのだが、飲むのには時間もかかるし、いくらポーション類はすぐに吸収されると言っても連続で飲めばお腹が膨れる。飲める量には限界がある。
 それなら、どうせMP回復ポーションはまだまだ在庫があるのだから、ここは物量で押させてもらおう!

「森羅さんは日暮さんにこれをかけてあげて」

 続いて、袋に入れずに分けておいたMP回復ポーション数本を森羅さんに渡し、一本は飲んでもらい、残りを日暮さんに掛けてもらう。
 祈祷系のスキルを使用中はポーションが飲めないらしい。

 そうこうしているうちに、前鬼が本庄さんと穂上さんを連れてきてくれた。
 作戦の早い段階で異邦人に動かれると作戦を修正しないといけなかったが、椿さんが猛攻をかけて上手く抑え込んでくれていた。

「ひ、日暮、三上さんは大丈夫なの?」

「穂上さん、日暮さんは今話せないので。でも、きっと助かります! 安全な場所に移動したら森羅さんにも祈祷を使ってもらう事になっていますから」

 式神を使いながら祈祷することが出来ないらしいので今すぐには無理だが、二人で重ねがけすると効果があがるようなので、それに掛けるつもりだ。今は上手くいくと信じて頑張るしかない。

「あ、そうでしたね。すみません。私のほうが日暮のスキルはよく知ってるはずなのに……」

 穂上さんはパーティの盾役だ。
 守れなかったことに責任を感じているのだろう。
 自分の怪我も決して軽くないのに……。

「気にしないで下さい。それより今出来ることを。森羅さん、式神に次の指示をお願いします」

 後鬼も持っていったMP回復ポーションを全て掛け終わりそうだ。

「前鬼! 後鬼と合流して異邦人を抑え込んで! 倒してしまってもかまわないけど、近づけさせないことが最優先です!」

≪椿さん、今から前鬼もそちらに向かいます。スキルを放ちながらここまで後退して下さい≫

「(了解よ)」

 椿さんが徐々に後退りながらこちらに近づいてくる。
 あとは到着に合わせてオレが素早くスキルを使うだけだ。

「って!? はやっ!?」

 ゆっくり後退りしながら近づいてくると思っていたら、椿さんは攻撃スキルを放った直後、後ろに向けて猛ダッシュ。そうして距離を稼ぐと、またすぐに振り返ってスキルを放ち、後ろに向かって猛ダッシュと繰り返し、あっという間に距離を詰めていた。

 椿さんのスキル練度を舐めてたわ!?
 オレも急いで行動に移さなければ!

「それではゲートを開けます!」

 でも、開くのは通用ゲートではない。
 作業部屋用のゲートだ。

 通常より少し小ぶりなゲートが目の前へと出現する。
 オレにとってはもう見慣れたゲートだが、周りのみんなは驚きを隠せなかったようだ。

「ほ、本当にゲートが出現しました……」

 だから森羅さん、美少女が口をあんぐり開けないで。
 またオレのせいだから言わないけど……。

「話を聞いて信じてはいたけど、実際に見るとやっぱりびっくりするわね」

「霧島さん、あなた本当に何者なの……いえ、ごめんなさい。切り札を切ってもらっているのに失礼なことを……」

「本庄さん、頭を上げてください。オレもこれが普通じゃないことぐらいはわかってますから。それよりも、日暮さんと一緒に三上さんを中に運び入れて下さい」

 穂上さんと比べれば幾分怪我の程度が軽い本庄さんに、日暮さんと一緒に三上さんを作業部屋へと運び込んで貰うようにお願いする。

 オレはまだやることが残っているし、森羅さんは式神の制御があるのでまだ入れない。

「わかったわ。でも、さっきも椿が言ったけど、私たちは絶対に霧島さんのスキルのことは話さないから」

「ありがとうございます。いつかはバレても仕方ないとは思ってますが、出来ればもっと強くなってからにして貰えると助かります」

 まだまだ先は長そうだけどな。

「おっと、話は後にしましょう。どうぞ中へ」

 もう椿さんがそこまで来ている。
 時間がない。今はオレの秘密は後回しだ。

 作業部屋の許可設定はさっき分析スキルで思考加速中に終えている。
 四人はゲートに触れると、問題なく作業部屋へと入っていった。
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