軽トラの荷台にダンジョンができました★車ごと【非破壊オブジェクト化】して移動要塞になったので快適探索者生活を始めたいと思います

こげ丸

文字の大きさ
45 / 58
第一章

第45話:異邦人を倒せ⑦

しおりを挟む
 だいふくの魔法は周囲の景色を一変させていた。
 舞い上がった砂塵がゆっくりと晴れると、そこには爆撃にでもあったかのような後が……。

「まじか……」

 最近、オレの理解を超えたことが立て続けに起きすぎる件について。
 頭が痛い……のは、分析スキルのせいか。

 いや、とにかく色々な感情は一旦全部飲み込もう。

 まずは……。

「だいふく!! お前、すごすぎるだろ!!」

 だいふくすげぇ!! これは褒めてやらないと!
 管理者倉庫におやついっぱい入ってたよな?
 今日ばかりは欲しいだけやるぞ?

 うん、犬バカですがなにか?
 というか、こんな感情飲み込めるか!!

 オレは今度こそだいふくを捕まえて抱きかかえると、頬をゴシゴシと押し付けた。

「ばぅぅ……」

 ほんと、なんだよ!? 今の超がつくとんでも魔法!
 あ、臨時管理者の権限で浅井ダンジョンのログを見たら、本当に「超《・》級魔法」って出てるわ。

 てっきり異邦人が使う魔法と同じものかと思ったら、奴が使うダークボールに対して、だいふくのはアビスボールって名前になってる。
 どうも同じ系統のさらに上位の魔法っぽい。

「ばぅわぅ!」

「あぁ、すまんすまん。しかし、だいふく本当に助かったよ。え、まだ終わってない?」

 だいふくが喋ったわけではないが、なんとなく感情が伝わってきた。
 少し前からなんとなく言いたいことが伝わってきている気がしていたんだが今確信した。

 だいふくの不思議パワーで本当に感情のようなものが伝わってきているようだ。
 だいふくなんでもありだな。

「あ、おやつね。はいはい」

「ばぅ♪」

 管理者倉庫から、だいふくの大好物「ちゅるるび~」を取り出して口に突っ込んでやる。三本まとめて。

「はふはふっ♪」

 だいふくの食べっぷりに癒やされていると、正反対な不気味な声が聞こえてきた。
 まじか……異邦人あいつ、あんなの喰らって本当にまだ生きてたのか。

「グぐグゥ……な、なンていりョくダ……」

 ふらつきながらも立ち上がる異邦人。
 だいふくが終わってないって言うから警戒してたけど、とんでもない打たれ強さだな。

「最後ぐらいはオレが……あ、はい。今のオレじゃ無理ですか。そうですか」

 だいふくのジト目の抗議を受けて、最後まで任せることにした。
 飼い主の威厳とかもうないです。

「ばぅ!」

 はいはい。降ろすのね。
 抱っこしてるとジタバタしだしたので地面に降ろしてやる。

「お前の強さはわかったけど、気をつけるんだぞ?」

 ふんすと鼻を鳴らして返事したので信じて見守ることにした。

「ばっふぅぉ~ぉん!」

 今度は何をするのかとちょっと不謹慎ながらもわくわくして見ていると、いつもの下手くそな遠吠えをするだいふく。

 またアビスボールとかいう超級魔法を使うのかと思っていると、今度は周囲に五つの魔法陣が現れた。

「なんだ? 今度はなにするつもりだ……?」

 少し時間がかかっているので異邦人が反撃してくるんじゃないかとちょっと心配したが、やはり相当なダメージを受けたみたいで、まだ動きはなさそうだ。

 と、その目を離した隙に、魔法陣が無くなっていた。

「え? 今、一瞬何かが見えた気が……?」

 魔法陣から大きなコボルトのような影が見えた気がしたのだが、目を凝らしてみてもどこにもそのような存在は見当たらない。

 でも、なにか見えたのは間違いない。

「な、なぁ? だいふく、今の魔法ってもしかして召喚魔法かなにかか?」

「ばふぅん♪」

 あ、なんかどや顔してる……。
 ムカつくけど、可愛い。

 でも、ドヤってるってことは本当に何かを召喚したのか?
 あ、ログを見てみれば……ん~これか!
 えっとなになに? 今のだいふくの魔法は……眷属召喚?

 え!? だいふく眷属なんていんの!?

「ぎィがァァ!? な、なニもノだ!?」

 耳障りな声で悲鳴をあげる異邦人に気付いて目を向けてみると、五体の大きなコボルトのような魔物が異邦人を取り囲んでいた。


 うん。フルボッコにしているな……。


 五体で連携をして一方的に攻撃していた。

 は? あれがだいふくの眷属なのか……?
 なんかめちゃくちゃ強いんだけど!?

 異邦人も黙って殴られているわけではなく、ダークボールを周囲にばら撒いて反撃しているのだが、眷属たちにはかすりもしない。
 完全に異邦人を翻弄して弄んでいる。

 え? なに、この子ら? ちょっと怖いぐらい強いんだけど、なんて魔物だ?

 コボルトを大きくしてシュッとさせたような姿をしているが、なにか影のようなものを纏っていてはっきりと認識出来ない。三上さんの気配遮断は戦い始めると解けると言っていたが、全然そのまんまなんだが?

 困った時のログ検索……。
 あの眷属たちは……アビスコボルト?

 聞いたことない魔物だ。
 まぁだいふくがパグムだからな。気にしたら負けか。

 オレの管理する軽トラダンジョンのフィールドボスであるだいふくの眷属だからか、レベルも表示されているんだが……全員レベル100って……まじか?


 あ…………ちょっと待って。
 だいふくが108というレベルに至った理由がわかった気がする。
 お互いやり合って……切磋琢磨してレベル上げしたんじゃ……?


 そうだ! 思い出した!
 配置する魔物のレベル上限は20までしか設定できないが、フィールドボスは除くってなっていた。

 つまり眷属もフィールドボスの取り巻きだから上限がない。
 上限がないもの同士で戦ってレベルをあげたのか。

 そうか。それでリソースが……。
 眷属もリポップする際はダンジョンリソースを使う。だから急に枯渇したのか。

 原因がわかってちょっとすっきりしたが、思考加速も使ってないのに考え込み過ぎたようだ。
 どうやら異邦人が眷属にボッコボコにされて……。


≪タスク1、タスク2の完了を確認しました。タスク一覧より報酬をお受け取り下さい≫


 とうとう倒されてしまったようだ。

 あまりにも呆気ない幕切れ。
 第三の視界に表示されるメッセージを眺めながら、さっきまで死を覚悟してたのになぁと、まるで他人事のように感じて呆けてしまったのは許して欲しい。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。 異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。 せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。 そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。 これは天啓か。 俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。

WIN5で六億円馬券当てちゃった俺がいろいろ巻き込まれた結果現代社会で無双する!

TB
ファンタジー
小栗東〈おぐりあずま〉 二十九歳 趣味競馬 派遣社員。 その日、負け組な感じの人生を歩んできた俺に神が舞い降りた。 競馬のWIN5を的中させその配当は的中者一名だけの六億円だったのだ。 俺は仕事を辞め、豪華客船での世界一周旅行に旅立った。 その航海中に太平洋上で嵐に巻き込まれ豪華客船は沈没してしまう。 意識を失った俺がつぎに気付いたのは穏やかな海上。 相変わらずの豪華客船の中だった。 しかし、そこは地球では無かった。 魔法の存在する世界、そしてギャンブルが支配をする世界だった。 船の乗客二千名、クルー二百名とともにこの異世界の大陸国家カージノで様々な出来事はあったが、無事に地球に戻る事が出来た。 ただし……人口一億人を超えるカージノ大陸と地球には生存しない魔獣たちも一緒に太平洋のど真ん中へ…… 果たして、地球と東の運命はどうなるの?

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

ダンジョン発生から20年。いきなり玄関の前でゴブリンに遭遇してフリーズ中←今ココ

高遠まもる
ファンタジー
カクヨム、なろうにも掲載中。 タイトルまんまの状況から始まる現代ファンタジーです。 ダンジョンが有る状況に慣れてしまった現代社会にある日、異変が……。 本編完結済み。 外伝、後日譚はカクヨムに載せていく予定です。

【魔物島】~コミュ障な俺はモンスターが生息する島で一人淡々とレベルを上げ続ける~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
【俺たちが飛ばされた魔物島には恐ろしいモンスターたちが棲みついていた――!?】 ・コミュ障主人公のレベリング無双ファンタジー! 十九歳の男子学生、柴木善は大学の入学式の最中突如として起こった大地震により気を失ってしまう。 そして柴木が目覚めた場所は見たことのないモンスターたちが跋扈する絶海の孤島だった。 その島ではレベルシステムが発現しており、倒したモンスターに応じて経験値を獲得できた。 さらに有用なアイテムをドロップすることもあり、それらはスマホによって管理が可能となっていた。 柴木以外の入学式に参加していた学生や教師たちもまたその島に飛ばされていて、恐ろしいモンスターたちを相手にしたサバイバル生活を強いられてしまう。 しかしそんな明日をも知れぬサバイバル生活の中、柴木だけは割と快適な日常を送っていた。 人と関わることが苦手な柴木はほかの学生たちとは距離を取り、一人でただひたすらにモンスターを狩っていたのだが、モンスターが落とすアイテムを上手く使いながら孤島の生活に順応していたのだ。 そしてそんな生活を一人で三ヶ月も続けていた柴木は、ほかの学生たちとは文字通りレベルが桁違いに上がっていて、自分でも気付かないうちに人間の限界を超えていたのだった。

底辺動画主、配信を切り忘れてスライムを育成していたらバズった

椎名 富比路
ファンタジー
ダンジョンが世界じゅうに存在する世界。ダンジョン配信業が世間でさかんに行われている。 底辺冒険者であり配信者のツヨシは、あるとき弱っていたスライムを持ち帰る。 ワラビと名付けられたスライムは、元気に成長した。 だがツヨシは、うっかり配信を切り忘れて眠りについてしまう。 翌朝目覚めると、めっちゃバズっていた。

ダンジョンに行くことができるようになったが、職業が強すぎた

ひまなひと
ファンタジー
主人公がダンジョンに潜り、ステータスを強化し、強くなることを目指す物語である。 今の所、170話近くあります。 (修正していないものは1600です)

処理中です...