【改訂版】槍使いのドラゴンテイマー ~邪竜をテイムしたのでついでに魔王も倒しておこうと思う~

こげ丸

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第一章 中盤

第48話:名探偵

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 相変わらずぜんぜん困ってなさそうに「困ったわね~」とウィンドアさんが呟いているが、それどころではない。今この人なんて言った?

「えっと……ウィンドアさん、今なんと……?」

 間違いであって欲しいと思いながら聞き返してみるが……。

「あららら? 聞こえなかったかしら~? ビアンカさんはこの国の第一王女よ~。あと、王位継承権も第一位だから、ゆくゆくは女王様ね~」

 嫌だこの人……さらなる情報をぶっこんできたよ……。

 後の女王様だというさらなら衝撃の情報事実
 この国『トリアデン王国』の王様は、男女の差なく歳上で血筋の濃いものが王位を継ぐことになっているそうで、ビアンカさんに何か大きな問題が生じない限りは次期女王陛下なのだそうだ。

「な、なんでそんな人が学院で学生を……いや、そもそも護衛も付けずに見学ツアーの案内とか何してるんですか!?」

 この国の後継者を護衛も付けずに見学ツアーの案内をさせるとか、学院側も本当に何を考えているんだ?
 もし案内していたのがオレたちじゃ無かったら、今回命の危険もあったはずだ。

「あららら? 怒られてしまったわ~。でも、たしかに私の不手際なのよね~」

「待って! 学院長は悪くないのですわ! 私がこの国の第一王女『ゼシカ・・・・フォン・トリアデン』なのは事実だけど、この事実を知っているのは学院長と王様お父様だけなの! だから私も秘密を知られたってことでしょ? そもそも今回の件で私は命を救ってもらったようなものですし、絶対に秘密は守るわ!」

 たしかに王女ってことがバレたくないのなら、お互いに秘密を守ろうって話もわかる気はするが……。

「一応ね~。ビアンカさんの送り迎えの馬車はもちろん、所要で学院外に出る時は護衛がついているのよ~」

 学院内で危険に晒されるのは想定外だったのだろう。
 でも、この国の情勢とかはわからないが、それでも学院内で誰かに狙われるとかないのだろうか?

 まぁオレがこれ以上首を突っ込むことではないだろうし、国王様とも話がついているのならここでいろいろ異を唱えても仕方ないか。

「そうですか……。でも、正直驚きました。ずっとビアンカさん……ゼシカ様と呼んだ方がいいですね。ゼシカ様を驚かしてばかりで申し訳ないと思ってましたけど、最後に逆に心底驚かされました」

 オレがそう言うと、ゼシカ様はすこし悲しそうな顔になり、その後迷った素振り見せてから口を開いた。

「あ、あの! コウガさん、あなたたちと出会ったのは『この国の第一王女ゼシカ』ではなく『ただの優秀な学生のビアンカ』だから、ででで出来れば、ととと友達として、今までみたいに『ビアンカさん』と呼んで欲しい! いや、むしろビアンカで!」

 顔を真っ赤にさせながら目を瞑って言う姿は年相応の女の子だ。
 オレはみんなと視線を交わして頷きあうと……。

「わかりました。呼び捨てはちょっと無理ですが……優秀な学生・・・・・のビアンカさん、オレたちなんかでよければ友達になってください」

 と言って手を差し出した。

「ぜ、ぜひですわ!」

 その手を取るビアンカの笑顔はとても素敵だった。


 ◆◇◆◇◆◇◆◇


 なんとかビアンカさんの件が片付いたので、その後はジルの手を借りて十一階・・・に封印を施し、一度学院長室がある九階まで戻ってきていた。
 封印結界はウィンドアさんが一人ですると数時間かかるらしいのだが、何をどうやったのかジルがサポートすると五秒で完成した。どうやったのかとかはもうオレには聞かないで欲しい。

「お婆ちゃん。それでなぜ封印結界が解かれていたのかはわかったのですか?」

 リルラが、ウィンドアさんに淹れて貰った蜂蜜入り紅茶を美味しそうに啜りながら問いかける。

「そうね~。今日の見回り担当がドアンゴ先生なので彼が一番怪しいのですけれど~。確証がないわね~。そもそもドアンゴ先生に私の結界が解けるとも思えないのですけど~?」

 不思議ね~と相変わらずマイペースなウィンドアさん。

 しかし犯人が誰かこの疑問はあっけなく解決する。

≪うむ。犯人はそのドアンゴとかいう男で間違いないぞ≫

 ジルが千里眼を使ったからだ。
 そして千里眼で確認しながら起こった事をみんなに説明してくれた。

「あららら? ジル様にかかったらどんな難事件でも一瞬で解決ね~。名探偵ジルさんね~」

 そりゃぁ、ジルの千里眼があれば、どんな名探偵にも負けないだろう。
 だって、離れた場所を見れるだけでなく、過去に起こったことまで見れるのだから。

 でも、名探偵ジルその呼び方はないと思う……。

「それでドアンゴ先生が犯人なのはわかったけど、目的はなんなのです? ……にゃ」

≪うむ。どうも魔族どもにたぶらかされたようだ≫

 ジルの話を聞いてみると、そのドアンゴ先生とやらは物品鑑定のギフトを持っていて、その能力を魔族に目を付けられ、高額の報酬と引き換えにとある物・・・・を探して持ち出すように取引を持ちかけられたようだ。

「もしかしてそのとある物・・・・って!?」

 ビアンカさんに心当たりがあるのか、すこし慌てた様子だ。

「あららら? そうね~。私たちより魔法が得意な魔族が欲しがるような物と言えば、ビアンカさんの思っている物で間違いないんじゃないかしら~?」

 ウィンドアさんもその心当たりがわかったようだが、一体なんだろう?

「「ビアンカさん、それは何なの? ……にゃ」」

 ビアンカさんは、双子らしくハモって聞き返す二人に一瞬微笑みを浮かべるが、ふたたび表情を引き締めてこうこたえた。

「それは……太古より伝わる王家の秘宝『破戒はかいの宝玉』よ」
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