【改訂版】槍使いのドラゴンテイマー ~邪竜をテイムしたのでついでに魔王も倒しておこうと思う~

こげ丸

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第一章 中盤

第64話:王都冒険者ギルド

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 それからしばらくテリオスさんと話し込んでいたのだが、どうやらテリオスさんは商会の仕事がいろいろと残っていて忙しそうだったので、あらためて夜に食事をする約束をして一旦その場はお開きとなった。

「コウガの同郷の人があの大きな市を開いているとは驚きました……にゃ」

「本当ですね~。それにテリオスさんはコウガ様のことを自分のことのように喜んでいましたし、きっといい人ですね! きっと素晴らしい人です!」

 オレのことを喜んでくれるから素晴らしい人というリルラのその理論はわからないが、まぁテリオスさんがいい人だというのはその通りだろう。ちょっと自慢したがりな所はあるけどな。

「それで、市も満喫したけど、次はどこへ行くの? ……にゃ」

 もともとの目的もこれで一応果たしたことになる。この後どうするかな。

「そうだな~。まだお昼をすこし回ったとこだし……そうだ! ちょっと冒険者ギルドに行ってもいいか?」

 最初の謁見の後に、コルナさんに一〇日以内に冒険者ギルドへ行くように言われていたのを思い出した。
 もともとは明日にみんなで行こうかと思っていたんだけど、今日行って終わらせてしまおう。

「「問題ない……にゃ」」

「はい! じゃぁ、観光しながら向かいましょう♪」

 こうしてオレたちは、王都の街並みを楽しみながら冒険者ギルドへと向かった。



 王都の冒険者ギルドに来るのは二度目だが、この国の冒険者ギルド本部というだけあり何度見ても壮観だ。大きかったドアラの冒険者ギルドの倍ほどの大きさがある。
 五階建てというだけでもこの世界では高層で珍しい建物に入るのだが、高さよりもその横の広さがとても大きい。
 ドアラにもあった鍛錬場が同じように併設されているのだが、それも一つではなく大小複数存在しており、遠目でも多くの冒険者が練習している姿を見ることができた。

 ただ、中に入ってしまえば作りはドアラの街の冒険者ギルドとよく似ており、迷うことなく窓口へと向かえた。
 実際にはドアラの街の冒険者ギルドが王都の本部の作りを真似たのかもしれないが。

「すみません。パーティー『恒久の転生竜』のC級冒険者、コウガと言います。グランドギルドマスターはおられますか?」

 グランドギルドマスターとは、その国の冒険者ギルドを統括する本部のギルドマスターのことを言う。
 冒険者ギルドは基本的に独立機関ではあるが、各国と共存関係にあるので冒険者ギルド自体も国ごとに管理がわかれている。
 つまり、このトリアデン王国の全冒険のトップということだ。

 どんな人だろうか。会えるのがすこし楽しみだ。
 本当ならすごく緊張するのだろうけど、先に国王様と会ってしまったからな。

「なんだ坊主? C級冒険者がギルマスに簡単に会える訳ないだろ? 帰れ帰れ」

 受付嬢の返事を待っていると、後ろから若干チャラい感じの冒険者の男が話しかけてきた。

「ちょっとナギさん! 勝手に受付に来た人を帰そうとしないでください!」

 すぐに受付嬢がその冒険者に注意をしてくれたのだが、オレはその若干チャラい冒険者の男にちょっと興味を持った。

 その冒険者は見た目の軽い感じとは異なり、只者ではない雰囲気を纏っていたからだ。
 それによく見るとかなり鍛え抜かれた体をしており、上位の魔物を素材に使ったと思われる革鎧に身を包んでもいる。

 だけど、オレが気になったのはそこではない。
 その男の首に掛けられている一枚のカードに興味を持ったのだ。

「もしかして、この王都唯一のS級冒険者『豪炎のナギ』さんですか?」

 そう。その男の首には、S級冒険者の証であるオリハルコン製のギルドカードがかけられていたのだ。

「お? なんだ~やっぱわかっちゃう? そうだよな~! 俺から滲み出る何かが……」

「ギルドカード見ただけ……にゃ」

 そっと聞き流そうかと思っていたら、ルルーが容赦なく切り捨てた。
 まぁいいか……ちょっと口をパクパクさせているが話が長くなりそうだったし……。

「えっと……なんかすんません。とりあえずオレたち、こちらのギルドマスターを尋ねるようにある方・・・に言われて来たんです」

 ある方・・・というのは、もちろん数日前に謁見したあの方・・・だ。

「はい! ちゃんと承っています! ちょうどギルドマスターも出先から戻られたのですぐにご案内いたします!」

 しかし、受付嬢と違ってナギさんは納得していないようだった。

「あん? どういう事だ? あの爺が会うとか珍しいな。……決めた! 俺も同席させてもらおうじゃねか! 何かあったら俺が助けてやるよ! それでいいよな!」

 と言って、オレの肩に手を回してきた。

「え? 結構ですけど?」

「「お断り……にゃ」」

「ですね! 私も馴れ馴れしい人はあまり好きじゃありません!」

 さっき以上に口をパクパクさせて固まってるナギさんをその場に残し、オレたちは受付嬢の後をついていくのだった。

 いや、いい人そうだけど、だって面倒そうな臭いがね……。
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