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初夜
初夜-5-
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「あの時から、君のことが忘れられなかった。
きっと迷惑をかける。一緒に出歩くことができないから、嫌な思いをさせるかもしれない。
…………でも、俺は、胡桃が欲しい。欲しくて堪らない」
「っ……」
求められて嫌な気持ちになるわけがない。まして憧れの人だったのなら。
“欲しい”という言葉に体は敏感に反応した。
ここに来た時、胡桃は決めていた。たとえ夢だったとしても、思い出になるならそれでいい。
でも…………
もし、もし、本当に彼が望んでいるのなら。彼が好きと言ってくれたら。
本当に、恋人になれるのなら。
答えは決めていた。
「私……私で良ければ……私も剛史さんが、好き、です」
「…………うん」
頷いて喜びを伝えるように抱き締められた。胡桃も腕を回す。
温かい人の体で全身が満たされていく。誰かに必要とされる喜びがこんなに大きいものだったなんて。
嬉しい。嬉しくて、涙が出てきそうだった。
そして、どんどん濡れている。シーツが湿ってきていた。
「好きだよ」
軽く口づけした後、彼はもう一度胡桃の足を上げて中を覗き、それを確認する。穴を見つけて自分のものを慎重に押していった。ずぶ、という音がして胡桃は甲高い声を上げる。
「ぁっ、いた、い」
「んっく」
急に圧される痛みに目をぎゅっとする。それよりも自分の声が高くなって恥ずかしい。
でも剛史はくぐもった声が出して、再び入れ始める。
「あぁっ……ま、まって、声が」
「いいよっ……声あげて?すげえ興奮する」
タカが外れたような声を上げた。自分でも聞いたことのない、一オクターブ高いくらいの声を張り上げた。
痛みと濡れて擦れる音が同時に来て、脳内に甘美が分泌されていく。とても痛い、痛いのに、とても、気持ちが良い。快楽が巡ってくる。
もっと深くまで来てほしいと願う。胡桃の中になった理性とか知的なものが一切消えてしまい、目の前の男とただ絡み合いたいと思った。
「たっ、たけし、さん」
「ここは……っ、ここはどう?」
「ああっ」
強く擦られてまた声が出る。
今までにない強い電流が神経を破って通る。
雷よりも鋭くて、一気に弾けてしまいそうな、自分が自分で無くなりそうだった。
「そこっ、だめ、ですっ、へんに、なる」
首を横に振っているのに、だめと言いながら体は喜んで勝手に動く。もっととねだるように剛史を誘っていた。
「変になって?おれ、すごく、いいから……このまま動きたいっ」
「あああ」
体が彼にしがみつく。
剛史の動きに合わせるのが精一杯だった。
腰を振らされていると体から汗と液体のような、どろりとしたのものが一緒に出てくる。欲望が溢れ出てくる。自分がこんなに濡らしている事が信じられなかった。
キスと同じように呼吸が一つになっていく。
水底で息をするように、二人だけの声が深く部屋の中でこだましている。
今、この人と繋がっているんだと胡桃は思った。
それ以外何も考えられなかった。
ただ、好きな人と愛を確かめるように重ねていて、それがこんなに心地いいものだと知らなかった。
唸る声と叫び声が響いて、空気に消えた時、息づかいだけが空間に残った。
互いに体を絡めたまま荒く呼吸をする。二人とも恍惚とした顔になっていた。
「たけしさん……すき……です」
「おれも……俺も、胡桃がすき」
そのまま唇を合わせてしばらく動かなかった。
胡桃の体が温かい空気で満ちていた。幸せ、と感じた。
初めての夜。
唇を離してから、まるで互いの体を貪るように二人は何度も刻み合った。
すぐに会えなくなるから。
そして、この夜を忘れたくなかったから。
二人の部屋だけ、明かりが消えた後もシーツの擦れる音と漏れ出る声はしばらく鳴り止まなかった。
きっと迷惑をかける。一緒に出歩くことができないから、嫌な思いをさせるかもしれない。
…………でも、俺は、胡桃が欲しい。欲しくて堪らない」
「っ……」
求められて嫌な気持ちになるわけがない。まして憧れの人だったのなら。
“欲しい”という言葉に体は敏感に反応した。
ここに来た時、胡桃は決めていた。たとえ夢だったとしても、思い出になるならそれでいい。
でも…………
もし、もし、本当に彼が望んでいるのなら。彼が好きと言ってくれたら。
本当に、恋人になれるのなら。
答えは決めていた。
「私……私で良ければ……私も剛史さんが、好き、です」
「…………うん」
頷いて喜びを伝えるように抱き締められた。胡桃も腕を回す。
温かい人の体で全身が満たされていく。誰かに必要とされる喜びがこんなに大きいものだったなんて。
嬉しい。嬉しくて、涙が出てきそうだった。
そして、どんどん濡れている。シーツが湿ってきていた。
「好きだよ」
軽く口づけした後、彼はもう一度胡桃の足を上げて中を覗き、それを確認する。穴を見つけて自分のものを慎重に押していった。ずぶ、という音がして胡桃は甲高い声を上げる。
「ぁっ、いた、い」
「んっく」
急に圧される痛みに目をぎゅっとする。それよりも自分の声が高くなって恥ずかしい。
でも剛史はくぐもった声が出して、再び入れ始める。
「あぁっ……ま、まって、声が」
「いいよっ……声あげて?すげえ興奮する」
タカが外れたような声を上げた。自分でも聞いたことのない、一オクターブ高いくらいの声を張り上げた。
痛みと濡れて擦れる音が同時に来て、脳内に甘美が分泌されていく。とても痛い、痛いのに、とても、気持ちが良い。快楽が巡ってくる。
もっと深くまで来てほしいと願う。胡桃の中になった理性とか知的なものが一切消えてしまい、目の前の男とただ絡み合いたいと思った。
「たっ、たけし、さん」
「ここは……っ、ここはどう?」
「ああっ」
強く擦られてまた声が出る。
今までにない強い電流が神経を破って通る。
雷よりも鋭くて、一気に弾けてしまいそうな、自分が自分で無くなりそうだった。
「そこっ、だめ、ですっ、へんに、なる」
首を横に振っているのに、だめと言いながら体は喜んで勝手に動く。もっととねだるように剛史を誘っていた。
「変になって?おれ、すごく、いいから……このまま動きたいっ」
「あああ」
体が彼にしがみつく。
剛史の動きに合わせるのが精一杯だった。
腰を振らされていると体から汗と液体のような、どろりとしたのものが一緒に出てくる。欲望が溢れ出てくる。自分がこんなに濡らしている事が信じられなかった。
キスと同じように呼吸が一つになっていく。
水底で息をするように、二人だけの声が深く部屋の中でこだましている。
今、この人と繋がっているんだと胡桃は思った。
それ以外何も考えられなかった。
ただ、好きな人と愛を確かめるように重ねていて、それがこんなに心地いいものだと知らなかった。
唸る声と叫び声が響いて、空気に消えた時、息づかいだけが空間に残った。
互いに体を絡めたまま荒く呼吸をする。二人とも恍惚とした顔になっていた。
「たけしさん……すき……です」
「おれも……俺も、胡桃がすき」
そのまま唇を合わせてしばらく動かなかった。
胡桃の体が温かい空気で満ちていた。幸せ、と感じた。
初めての夜。
唇を離してから、まるで互いの体を貪るように二人は何度も刻み合った。
すぐに会えなくなるから。
そして、この夜を忘れたくなかったから。
二人の部屋だけ、明かりが消えた後もシーツの擦れる音と漏れ出る声はしばらく鳴り止まなかった。
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