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五十谷
●1 出会い
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五十谷村までには、国道を車で走ること5時間。
さらに、そこから獣道を歩くこと1時間。
本当にここが現代日本なのかと疑いたくなる位昔の風景を色濃く残している。
五十谷村は、山々に囲まれており緑が豊かだ。
本当にここで、田中明音は消えてしまったのか……?
そんな印象さえ受けてしまう。
五十谷村の呪習の噂さえ聞かなければただののどかな村だ。
「……さてと。」
俺は、早速村の役場に足を向けた。
役場は、村の入り口から少し進んだ所にあった。
こじんまりとしており、緑の蔦が壁を包み込むように覆っていて、まるで廃家。
入口の引き戸の立て付けが悪く、開けるのに少し力を要した。
中に入ると、やはり古木のせいか暗めの室内で、木の香りが鼻につく。中は、役場というよりはただ広いだけの部屋があるといった感じで受付窓口は、一つ二つあるだけだ。
人は、役場の人が二、三人居るだけで暇そうにしているのが確認出来た。
「あの、すみませーん。」
俺が窓口で声を掛けると、係りの若い女性の方が対応してくれた。
「はい、どうされましたか?」
「あの、私。旅行で様々な所を巡ってまして…ここに来るの初めてなんですよ。」
「左様でございますか。」
「ですから、色々とこの村の名所を巡りたいと思いますから、こちらで小さく持ち運びしやすい地図などありますでしょうか?」
俺がそう言うと、女性はにっこりと営業スマイルを俺にくれて、受付の引き出しから小さい折り畳み式の地図をくれた。
これは、この五十谷村の見取り図は村外では、決して手に入らないので、村内の役場で貰ったという田中明音の手帳を参考にした。
地図をしまうと、対応してくれた女性にお礼を言って、役場を後にした。
この村は、山々の間にあるためか日中は、熱がこもってとりわけ暑い。
もう九月も半ばだというのに、まるで八月の夏真っ盛りのような体感気温だ。
俺は、とりあえず持ってきておいた一眼レフで、この村の風景を撮影することにした。
取材の基本は、周りのことを知ること……。
…なんか、一流ライターぽくね?
入社一年目にして、この五十谷村の暗部を包み隠さず伝えることが出来たのなら、一躍社内でも優秀なライターの仲間入り。
そうしたら、バンバンと仕事が入り会社も安定、俺はウハウハ。
………。
いかんいかん、妄想し過ぎていたようだ。
俺は、改めて広げた地図を覗きこむ。
その地図は、この五十谷村全体の大まかな見取り図と、その中にある観光名所についての簡単な注釈などが記載されていた。
観光名所には、榎神社、五十谷展望台、宰府大橋といった場所があるらしい。
……。
やはりというか何というか…注釈には良い点のみが記載されていて、悪い点などは一切ない。
田中明音の手帳のコピーを合わせて見てみる。
そこには、各観光名所についての彼女なりの調査結果が記されていた。書かれている内容はあまり良いと言える物じゃない。
…やはり、自分の目で見て回る方が良いようだな。
…今後の取材の為に。
さらに、そこから獣道を歩くこと1時間。
本当にここが現代日本なのかと疑いたくなる位昔の風景を色濃く残している。
五十谷村は、山々に囲まれており緑が豊かだ。
本当にここで、田中明音は消えてしまったのか……?
そんな印象さえ受けてしまう。
五十谷村の呪習の噂さえ聞かなければただののどかな村だ。
「……さてと。」
俺は、早速村の役場に足を向けた。
役場は、村の入り口から少し進んだ所にあった。
こじんまりとしており、緑の蔦が壁を包み込むように覆っていて、まるで廃家。
入口の引き戸の立て付けが悪く、開けるのに少し力を要した。
中に入ると、やはり古木のせいか暗めの室内で、木の香りが鼻につく。中は、役場というよりはただ広いだけの部屋があるといった感じで受付窓口は、一つ二つあるだけだ。
人は、役場の人が二、三人居るだけで暇そうにしているのが確認出来た。
「あの、すみませーん。」
俺が窓口で声を掛けると、係りの若い女性の方が対応してくれた。
「はい、どうされましたか?」
「あの、私。旅行で様々な所を巡ってまして…ここに来るの初めてなんですよ。」
「左様でございますか。」
「ですから、色々とこの村の名所を巡りたいと思いますから、こちらで小さく持ち運びしやすい地図などありますでしょうか?」
俺がそう言うと、女性はにっこりと営業スマイルを俺にくれて、受付の引き出しから小さい折り畳み式の地図をくれた。
これは、この五十谷村の見取り図は村外では、決して手に入らないので、村内の役場で貰ったという田中明音の手帳を参考にした。
地図をしまうと、対応してくれた女性にお礼を言って、役場を後にした。
この村は、山々の間にあるためか日中は、熱がこもってとりわけ暑い。
もう九月も半ばだというのに、まるで八月の夏真っ盛りのような体感気温だ。
俺は、とりあえず持ってきておいた一眼レフで、この村の風景を撮影することにした。
取材の基本は、周りのことを知ること……。
…なんか、一流ライターぽくね?
入社一年目にして、この五十谷村の暗部を包み隠さず伝えることが出来たのなら、一躍社内でも優秀なライターの仲間入り。
そうしたら、バンバンと仕事が入り会社も安定、俺はウハウハ。
………。
いかんいかん、妄想し過ぎていたようだ。
俺は、改めて広げた地図を覗きこむ。
その地図は、この五十谷村全体の大まかな見取り図と、その中にある観光名所についての簡単な注釈などが記載されていた。
観光名所には、榎神社、五十谷展望台、宰府大橋といった場所があるらしい。
……。
やはりというか何というか…注釈には良い点のみが記載されていて、悪い点などは一切ない。
田中明音の手帳のコピーを合わせて見てみる。
そこには、各観光名所についての彼女なりの調査結果が記されていた。書かれている内容はあまり良いと言える物じゃない。
…やはり、自分の目で見て回る方が良いようだな。
…今後の取材の為に。
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