愛した人は他人の番〜事故番夫に冷遇されているΩを甘く溶かしたのは美貌のΩでした〜

あさ田ぱん

文字の大きさ
12 / 16

12.瘡蓋※

しおりを挟む
 ユリウスはオーレルの夜着の腰紐に、手をかけた。そんな事をするのは初めてだから、緊張して手が震えて、上手く解けない。モタモタしていると、オーレルが少し笑った気配がした。

「わ、笑わないで…!」
「ごめんなさい、かわいくて、つい…」

 オーレルはユリウスの腰ひもを引っ張るのと同時に腕も引いて体勢を入れ替えてしまった。上に乗ったオーレルはユリウスにちゅ、と口づける。

「オーレル、私が…」
「ユリウス、どちらがこうしなければいけない、なんて、ないのですよ」

 オーレルは優しく口づけると、ユリウスの夜着を脱がせてしまった。自分も脱いで全裸になると、ユリウスに覆い被さり、胸の突起をぺろりと舐める。

「あ…っ」
「ふふ、ユリウス、かわいい…」

 乳首をちろちろと舐めながら、反対の手でもう片方の乳首を摘まれる。揶揄うように指で弾かれると、思わず声が出た。

「んっ、あ…っ、あ、はぁ…っ」

 声を出すと手は乳首から離れて、わき腹を撫でながら、ユリウスの下半身へと降りていく。まだ柔らかい陰茎を指でなぞると、その下、陰嚢を優しく揉まれた。

「あ…っ!ん、う…う、ン…」
「ユリウス、気持ちいい?」
「ん…」

 ユリウスが頷くとオーレルはユリウスの足を持ち上げた。膝を折って足を開かせると、浄化魔法を唱え、股間に顔を埋める。

「オーレル、だめ…っ!そんなところ…」

 ダメだといったのに、オーレルはユリウスの太ももを手で押さえつけ、会陰をぺろりと舐めた。そして、手で優しく陰茎を扱く。

「オーレル…、あ、ん…っ!だめ、だめ…」

 オーレルの舌は会陰を舐めながら、更に下へ降りていき、ユリウスの窄まりを丁寧に舐め始めた。焦らすように縁ばかりを舐められると、身体がうずいて、下半身がじゅわ、と濡れる感覚がする。

「ユリウス…。発情期じゃないのに、濡れてる…。そんなに良かった?」
「や、やだぁ…っ、恥ずかしい…」
「私は嬉しい…」

 オーレルは舌を尖らせて、尻穴をつん、と突いた。入り口を尖った舌で突かれ、いたずらにねっとりと舐められると、ユリウスの陰茎は立ち上がってしまう。次第にオーレルが扱いている先端から、先走りでねちねちとした音が鳴る。

「だめ、オーレル…!いっちゃう…っ!」

 ユリウスがオーレルの頭を押して限界を訴えると、オーレルは窄まりから舌を抜いた。それから、ユリウスの立ち上がった陰茎の根元を掴み、上に跨る。

「ユリウス、入れるね?」
「え、で、でも、オーレル…。ほぐさないと」
「大丈夫、ほら…」

 オーレルはユリウスの陰茎を掴むと先端を自身の後孔に押し当てた。オーレルのそこは、発情期のΩらしく、びしょびしょに濡れている。

「オーレル、すごい、濡れてる…」
「ユリウス、貴方が欲しくて…、こうなりました」

 とろけた顔で微笑むと、オーレルはゆっくりと腰を落とした。ぷちゅ…、と音をさせて、ユリウスの陰茎が、オーレルの中に飲み込まれていく。

「あ…、はあ…っ、ユリウス…っ!」
「オーレル…!オーレルの中、ぬるぬるで、すごいっ!」
「あ…っ、あああっ、ユリウスのも、気持ちいい…」

 すべてを収めると、オーレルはユリウスの脇に手を置いて身体を支えながら、腰を振り始めた。オーレルの弾力のある尻が、ユリウスの下半身に何度もぶつかる。ユリウスの陰茎からも先走りが漏れ出ていて、もう、どちらのものとも分からないほど二人の間は濡れていた。

「ユリウス…、あ…っ、はあっ!」
「オーレルっ、キスして…っ!」

 それに答えるように上半身を前に倒すと、オーレルは唇ではなく首筋に噛み付いた。そこは、先日アデルに噛まれた傷が、瘡蓋になったところだ。

「あ、ああああっ!」
「ユリウス…、好き…っ!はぁっ!」

  首を噛まれると稲妻が走ったかのように体が痺れ、ユリウスはオーレルの中に射精した。オーレルの中もユリウスの射精に反応して、ビクビクと震えている。

「あ、…。オーレル、中で、イった…?」
「…ん…。…ユリウスのが、すごく熱くて…」

   とろんとした顔でオーレルは頷くと、吐精の余韻でぼんやりしているユリウスの首筋に、ちゅっ、と口付ける。

 アデルに噛まれた後、その傷はジクジクと痛んでいた。でも、オーレルに噛まれると、瘡蓋さえ、癒えていくように感じる。

(オーレルの傷も、いつか、私が癒したい…)

 ユリウスはその時、これからの行動をはっきりと意識した。

(私も、アデルと、向き合わなければ…)


  ユリウスの首筋を甘噛みしていたオーレルは、まだ荒い息のまま、囁く。

「ね、ユリウス…。私も、ユリウスの中で果てても良い?」
「え…?」

(さっき、中でイったはずでは…)

   ユリウスが驚いているうちに、オーレルはユリウスの物を抜き、まだ立ち上がったままの自分の陰茎をユリウスの後孔にあてがう。

「あ、あ…っ…!」
「かわいい、ユリウス…」
「や、だめ…っ。さっきいったばかりで…。あ。あぁっ、…!」

    先ほど舌で弄られた下半身は既にぐずぐずに溶けていて、オーレルの陰茎を簡単に受け入れてしまう。そして、オーレルの揺蕩うような抽挿に、肉壁は絡みついて悦んだ。

「あん、あ、っ…!あっっあっ……ふぁ!!」
「ユリウス、ユリウス!」

 より強く腰を打ちつけられると、ユリウスの中から、愛液が溢れ出るのを感じた。中がビクビクと痙攣して、オーレルをきゅっと締め付ける。

「ユリウス、イく…!出る…っ!」
「あ…っ、わ、わたしも…っ」

   中に、オーレルの精液が注がれると、それを残らず搾り取るように、ユリウスの中が蠕動する。オーレルの精液を感じながら、ユリウスは中だけで達した。

「ユリウス…。嬉しい。二回も、私でいってくれるなんて…」
「オーレル、私も…です。私で、オーレルが二回も…」

   オーレルの瞳に映る自分は、恥ずかしいくらい、幸せそうな顔をしている。

(私たちは、鏡合わせだ。それなら、オーレルも、きっと…)

 ユリウスは幸せな気持ちで、オーレルの首筋に、キスを落とした。


 

 翌朝、雨音で先に目を覚ましたユリウスは、オーレルが昨夜、抑制剤を飲んでいた事に気がついた。黙って空の薬瓶を見ていると、それに気が付いたオーレルはユリウスの肩をそっと抱き寄せる。

「貴方が私の中に出して、ヒートは治りました。でも、今日はαがくるから、念の為です。怖がりで、ごめんなさい…」
「オーレル…」

(オーレルは、離婚を申し出ると言ったが、この場所を選んだのはやはり、一人では心細かったからだろう)

  ユリウスは少し震えるオーレルに、オルゴールの箱を手渡した。

「これは…?」
「すごく、不格好だけど、手回し式のオルゴールです。先日のお礼には、ならないかもしれませんが…」
「そんなことない。すごく素敵だ…!回してみてもいい?」

  ユリウスが頷いたのを見て、オーレルはオルゴールを回した。シリンダーが回転して、木管が旋律を奏でる。

「私の曲、覚えていてくれたんですね…?」
「ええ。すごく、素敵でしたから」
「本当に嬉しい。ありがとう」
「私も喜んでもらえて嬉しい。良かった。私の気持ちをこめてつくりました」
「ユリウスの気持ち…」
「私も、オーレルと同じ気持ちです…。だから、オーレルと…」
「ユリウス、静かに…!」

   オーレルはユリウスの次の言葉を、唇に指を当てて塞いだ。

「…誰か来ます」
「…え…。でも、まだ外は雨が…」

 オーレルが窓を開けると、外には雨具を着てはいるものの、ずぶ濡れの姿で馬に跨る、アデルの姿があった。

 ユリウスは思わずごく、と唾を飲み込んだ。

「……随分と早い到着だ…。大雨で道が悪く馬車は通れないから、単身、馬でいらっしゃったようですね」
「な、なぜ…?」
「それは…。彼に直接、尋ねてみましょう」

   オーレルはそう言うと、さっと身支度を整えて、部屋を出て行った。ユリウスも慌てて、後を追う。



 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】end roll.〜あなたの最期に、俺はいましたか〜

みやの
BL
ーー……俺は、本能に殺されたかった。 自分で選び、番になった恋人を事故で亡くしたオメガ・要。 残されたのは、抜け殻みたいな体と、二度と戻らない日々への悔いだけだった。 この世界には、生涯に一度だけ「本当の番」がいる―― そう信じられていても、要はもう「運命」なんて言葉を信じることができない。 亡くした番の記憶と、本能が求める現在のあいだで引き裂かれながら、 それでも生きてしまうΩの物語。 痛くて、残酷なラブストーリー。

うそつきΩのとりかえ話譚

沖弉 えぬ
BL
療養を終えた王子が都に帰還するのに合わせて開催される「番候補戦」。王子は国の将来を担うのに相応しいアルファであり番といえば当然オメガであるが、貧乏一家の財政難を救うべく、18歳のトキはアルファでありながらオメガのフリをして王子の「番候補戦」に参加する事を決める。一方王子にはとある秘密があって……。雪の積もった日に出会った紅梅色の髪の青年と都で再会を果たしたトキは、彼の助けもあってオメガたちによる候補戦に身を投じる。 舞台は和風×中華風の国セイシンで織りなす、同い年の青年たちによる旅と恋の話です。

オメガに説く幸福論

葉咲透織
BL
長寿ゆえに子孫問題を後回しにしていたエルフの国へ、オメガの国の第二王子・リッカは弟王子他数名を連れて行く。褐色のエルフである王弟・エドアールに惹かれつつも、彼との結婚を訳あってリッカは望めず……。 ダークエルフの王族×訳アリ平凡オメガ王子の嫁入りBL。 ※ブログにもアップしています

白金の花嫁は将軍の希望の花

葉咲透織
BL
義妹の身代わりでボルカノ王国に嫁ぐことになったレイナール。女好きのボルカノ王は、男である彼を受け入れず、そのまま若き将軍・ジョシュアに下げ渡す。彼の屋敷で過ごすうちに、ジョシュアに惹かれていくレイナールには、ある秘密があった。 ※個人ブログにも投稿済みです。

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

【完結】王のための花は獣人騎士に初恋を捧ぐ

トオノ ホカゲ
BL
田舎の貧村で暮らすリオンは、幼い頃からオメガであることを理由に虐げられてきた。唯一の肉親である母親を三か月前に病気で亡くし、途方に暮れていたところを、突然現れたノルツブルク王国の獣人の騎士・クレイドに助けられる。クレイドは王・オースティンの命令でリオンを迎えに来たという。そのままクレイドに連れられノルツブルク王国へ向かったリオンは、優しく寄り添ってくれるクレイドに次第に惹かれていくがーーーー?  心に傷を持つ二人が心を重ね、愛を探す優しいオメガバースの物語。 (登場人物) ・リオン(受け) 心優しいオメガ。頑張り屋だが自分に自信が持てない。元女官で薬師だった母のアナに薬草の知識などを授けられたが、三か月前にその母も病死して独りになってしまう。 ・クレイド(攻め)  ノルツブルク王国第一騎士団の隊長で獣人。幼いころにオースティンの遊び相手に選ばれ、ともにアナから教育を受けた。現在はオースティンの右腕となる。 ・オースティン  ノルツブルク王国の国王でアルファ。

βな俺は王太子に愛されてΩとなる

ふき
BL
王太子ユリウスの“運命”として幼い時から共にいるルカ。 けれど彼は、Ωではなくβだった。 それを知るのは、ユリウスただ一人。 真実を知りながら二人は、穏やかで、誰にも触れられない日々を過ごす。 だが、王太子としての責務が二人の運命を軋ませていく。 偽りとも言える関係の中で、それでも手を離さなかったのは―― 愛か、執着か。 ※性描写あり ※独自オメガバース設定あり ※ビッチングあり

処理中です...