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3.お礼
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「チョーカーを用意した。お礼状と一緒にヴァルター夫人へ贈るように」
アデルが用意したのは、碧色のチョーカー。
(私に、贈らないチョーカーを、ヴァルター夫人に…)
それがダメ押しとなり、お礼状を書きながら、ユリウスのアデルへの気持ちは、塵一つ、失せてしまった。
(二人は先輩後輩だと言っていたが、アデルはヴァルター夫人が、好きなんだ。そして、ヴァルター夫人も…。きっと、私と事故的に番になってしまったから、思いを遂げられなかったのだろう…)
アデルが用意したチョーカーを送った後、ヴァルター夫人からは直ぐに、お礼の手紙が届いたらしい。『らしい』というのはその返事が、家令からアデルに届けられ、ユリウスは目にしていないからだ。
(もう、どうでもいい事だが…)
そう思っていたのに、また、朝食の席にアデルが現れた。
「…ヴァルター夫人が、またお茶をと申されている。今度はこちらに、お招きしてはどうだ…?」
(……私を目くらましにして、密会でもするつもりか…?)
アデルの提案を聞いたユリウスの胸の中には、黒い靄が渦を巻き、しっかりとした形を作っていった。
「旦那様の、仰せの通りにいたします」
そして、返事をすると直ぐに、ユリウスはエルバレイン公爵家の、医師の元へ向かった。
エルバレイン公爵家の専属医は、タウンハウスにも同行している。彼はこの屋敷の中で、唯一、ユリウスに優しく同情的な人物だ。
流産後の定期検診はまだ数日先だったが、先日、抑制剤を飲みすぎたこともあり、彼を訪ねても不自然ではない。
ユリウスが訪ねて行くと、扉の前にいた兵士も、ごく自然に取り次ぎをしてくれた。
「ユリウス様、また、お加減が悪いのですか…?」
「先生、今日は別の、ご相談で参りました」
「相談?」
純粋に心配してくれているらしい、医師に申し訳なく感じながら、ユリウスは単刀直入に、要件を切り出した。
「できるだけ最短で、妊娠したいと思っています。…アデル様には内緒で、発情促進剤をいただけないでしょうか?」
「ユリウス様、それはいけません…!」
医師は焦った顔で首を振る。そして、ユリウスの肩に、手を置いた。
「発情促進剤は劇薬です。万が一量が多すぎたり、番と性行為に及ばない場合、地獄の苦しみを味わうことになる」
「先日、アデル様が私と性交渉したことは既にご存知ですね…?私は今を逃すと。もう、次の機会はないと思うのです。危険は承知の上です」
「しかし…!」
「流産後、義両親からは詐欺だと罵られ嫌われています。このまま妊娠しなければ、私はエルバレイン家にいられ無い。家を追い出され、番を失い…、命を落とすΩを、救ってください、先生…!」
番を失ったΩは、短命だと言われている。それをユリウスに説いてここに留まるよう説得したのは、この医師なのだ。彼は唇を噛むと、眉を寄せた。
「ユリウス様、服用する量は必ず指示を守ってください。飲む場合は、確実にアデル様がいる時にすること」
「先生、ありがとうございます…!」
ユリウスは数日後、発情促進剤を受け取る約束を取り付けた。勿論それを、自分で飲むつもりはない。
(ヴァルター夫人に飲ませて、アデルと浮気させよう。その現場に踏み入って脅し、口止め料を貰う…。ヴァルター夫人は元王族。暫く生活に困らないくらいの金を貰えるはず。私はそれで、ここを出る)
どのみちアデルは発情期でもユリウスを抱かない。それならここにいない方が精神的にずっと楽だ。
(むしろ、好き合っている二人にきっかけを与えて、感謝されるかもしれない…)
ユリウスは筆を取った。薬を受け取ってから、アデルが屋敷にいる日を選び、ヴァルター夫人へ招待状を送った。
汗ばむ陽気の午後、ヴァルター夫人はエルバレイン邸にやってきた。
「ヴァルター夫人、わざわざ、お越しいただきありがとうございます」
「こちらこそ。お招きいただき、ありがとうございます。もう、体調は良いのですか…?」
「はい。ご迷惑をお掛けしました」
応接室へ案内すると、ヴァルター夫人は一枚の絵の前で立ち止まった。
「ああ、懐かしい。これ、私が生徒会長をした時の、姿絵だ」
「へえ…」
応接室にあまり来ないユリウスが、その絵を見るのは初めてだった。
全員、王立魔法学校の制服を着て、にこやかに微笑んでいる。一番端にアデルと、真ん中にヴァルター夫人を見つけた。
「Ωで生徒会長になったのは私が初めてで…。ふふ、嬉しいな…」
その絵をそこに置いたのは、きっとアデルなのだろう。
(アデルはこの頃から、ヴァルター夫人を好きだったのかもしれない)
絵の効果なのか、ヴァルター夫人は、周りに給仕する使用人がいるからか、先日ヴァルター公爵家の屋敷に行った時と同じような、優しい微笑みを湛えている。
「これ、同じものが欲しいな。写させてもらおうかな…」
「主人に確認いたします。でも、ヴァルター公爵に叱られませんか…?」
αは通常、番を独占したがると言われている。学生時代とは言え、他のαがいる絵姿を、ヴァルター公爵はよく思わないかもしれない。
「はは、そんな心配はありませんね」
「では、確認しておきます」
ユリウスは愛想良く応じたが、密かに焦っていた。
(そろそろ、アデルが城から戻る時間だ。早くふたりきりになって、発情促進剤を飲ませなくては…)
ユリウスは紅茶を注ごうとしていた給仕の女に、声をかける。
「旦那様がそろそろ戻られる時間だ。見て来てくれないか…?」
そう声をかけると、女は頷いて、部屋を出て行った。ユリウスは立ち上がると、自らティートロリーの前に立ち紅茶のポットを手に取る。
「段取りが悪くて、申し訳ありません」
ユリウスは、ヴァルター夫人の死角に入ると、ポットの中を確認するふりをして、発情促進剤を入れた。
ポットを持ち、ヴァルター夫人の前に立つと、手が震えるのを何とか抑え、カップに紅茶を注ぐ。
「エルバレイン次期公爵夫人に自ら給仕していただかけるなんて、感激です」
「私はもともと、城の下級官吏ですから…。こちらの方が性に合っています」
「ふふ…。そうですか」
ヴァルター夫人はユリウスを鼻で笑うと、カップを口元に運ぶ。ユリウスは震えながら、その様子を見守った。
立ち昇る湯気から、紅茶の香りを嗅いだヴァルター夫人は、ユリウスを見て微笑んだ。
「私は、この国の宰相の妻であり、元王族です。そんな私に、良くこれを出せましたね…?」
「え…?」
ユリウスの背中に、途端に冷たい汗が伝う。
(気付かれた…?)
「ヴァルター夫人、何をおっしゃって…」
「とぼける気ですか?まあいいでしょう。それならこれは、あなたが飲みなさい」
ヴァルター夫人は乱暴にカップを置くと、ユリウスの前に突き出した。
ユリウスは、手元の懐中時計をちらりと見る。
(まもなく、アデルが帰宅する。自分で飲んで信じさせ、ヴァルター夫人に飲んでもらえれば…)
どちらにせよ、これを飲む以外の選択肢はユリウスにない。ヴァルター夫人は頬杖をついて、ユリウスを見つめている。
(…飲むしかない!)
ユリウスはカップの紅茶を全て飲み干した。
「これは、ヴァルター夫人のために、夫アデルが用意した茶葉でして…」
「へぇ…」
平静を装ったはずが、言い終わると手が震えて、ソーサーの上にカップをうまく戻せなかった。急激に、胸がドキドキと音を立てる。
「あの、ヴァルター夫人も…」
「はあ?そんなもの、飲めるわけがない。自分の状態が分からないのですか?匂いも酷くなっている」
ヴァルター夫人はユリウスを鼻で笑った。
(ヴァルター夫人には、気付かれていた…!)
アデルが用意したのは、碧色のチョーカー。
(私に、贈らないチョーカーを、ヴァルター夫人に…)
それがダメ押しとなり、お礼状を書きながら、ユリウスのアデルへの気持ちは、塵一つ、失せてしまった。
(二人は先輩後輩だと言っていたが、アデルはヴァルター夫人が、好きなんだ。そして、ヴァルター夫人も…。きっと、私と事故的に番になってしまったから、思いを遂げられなかったのだろう…)
アデルが用意したチョーカーを送った後、ヴァルター夫人からは直ぐに、お礼の手紙が届いたらしい。『らしい』というのはその返事が、家令からアデルに届けられ、ユリウスは目にしていないからだ。
(もう、どうでもいい事だが…)
そう思っていたのに、また、朝食の席にアデルが現れた。
「…ヴァルター夫人が、またお茶をと申されている。今度はこちらに、お招きしてはどうだ…?」
(……私を目くらましにして、密会でもするつもりか…?)
アデルの提案を聞いたユリウスの胸の中には、黒い靄が渦を巻き、しっかりとした形を作っていった。
「旦那様の、仰せの通りにいたします」
そして、返事をすると直ぐに、ユリウスはエルバレイン公爵家の、医師の元へ向かった。
エルバレイン公爵家の専属医は、タウンハウスにも同行している。彼はこの屋敷の中で、唯一、ユリウスに優しく同情的な人物だ。
流産後の定期検診はまだ数日先だったが、先日、抑制剤を飲みすぎたこともあり、彼を訪ねても不自然ではない。
ユリウスが訪ねて行くと、扉の前にいた兵士も、ごく自然に取り次ぎをしてくれた。
「ユリウス様、また、お加減が悪いのですか…?」
「先生、今日は別の、ご相談で参りました」
「相談?」
純粋に心配してくれているらしい、医師に申し訳なく感じながら、ユリウスは単刀直入に、要件を切り出した。
「できるだけ最短で、妊娠したいと思っています。…アデル様には内緒で、発情促進剤をいただけないでしょうか?」
「ユリウス様、それはいけません…!」
医師は焦った顔で首を振る。そして、ユリウスの肩に、手を置いた。
「発情促進剤は劇薬です。万が一量が多すぎたり、番と性行為に及ばない場合、地獄の苦しみを味わうことになる」
「先日、アデル様が私と性交渉したことは既にご存知ですね…?私は今を逃すと。もう、次の機会はないと思うのです。危険は承知の上です」
「しかし…!」
「流産後、義両親からは詐欺だと罵られ嫌われています。このまま妊娠しなければ、私はエルバレイン家にいられ無い。家を追い出され、番を失い…、命を落とすΩを、救ってください、先生…!」
番を失ったΩは、短命だと言われている。それをユリウスに説いてここに留まるよう説得したのは、この医師なのだ。彼は唇を噛むと、眉を寄せた。
「ユリウス様、服用する量は必ず指示を守ってください。飲む場合は、確実にアデル様がいる時にすること」
「先生、ありがとうございます…!」
ユリウスは数日後、発情促進剤を受け取る約束を取り付けた。勿論それを、自分で飲むつもりはない。
(ヴァルター夫人に飲ませて、アデルと浮気させよう。その現場に踏み入って脅し、口止め料を貰う…。ヴァルター夫人は元王族。暫く生活に困らないくらいの金を貰えるはず。私はそれで、ここを出る)
どのみちアデルは発情期でもユリウスを抱かない。それならここにいない方が精神的にずっと楽だ。
(むしろ、好き合っている二人にきっかけを与えて、感謝されるかもしれない…)
ユリウスは筆を取った。薬を受け取ってから、アデルが屋敷にいる日を選び、ヴァルター夫人へ招待状を送った。
汗ばむ陽気の午後、ヴァルター夫人はエルバレイン邸にやってきた。
「ヴァルター夫人、わざわざ、お越しいただきありがとうございます」
「こちらこそ。お招きいただき、ありがとうございます。もう、体調は良いのですか…?」
「はい。ご迷惑をお掛けしました」
応接室へ案内すると、ヴァルター夫人は一枚の絵の前で立ち止まった。
「ああ、懐かしい。これ、私が生徒会長をした時の、姿絵だ」
「へえ…」
応接室にあまり来ないユリウスが、その絵を見るのは初めてだった。
全員、王立魔法学校の制服を着て、にこやかに微笑んでいる。一番端にアデルと、真ん中にヴァルター夫人を見つけた。
「Ωで生徒会長になったのは私が初めてで…。ふふ、嬉しいな…」
その絵をそこに置いたのは、きっとアデルなのだろう。
(アデルはこの頃から、ヴァルター夫人を好きだったのかもしれない)
絵の効果なのか、ヴァルター夫人は、周りに給仕する使用人がいるからか、先日ヴァルター公爵家の屋敷に行った時と同じような、優しい微笑みを湛えている。
「これ、同じものが欲しいな。写させてもらおうかな…」
「主人に確認いたします。でも、ヴァルター公爵に叱られませんか…?」
αは通常、番を独占したがると言われている。学生時代とは言え、他のαがいる絵姿を、ヴァルター公爵はよく思わないかもしれない。
「はは、そんな心配はありませんね」
「では、確認しておきます」
ユリウスは愛想良く応じたが、密かに焦っていた。
(そろそろ、アデルが城から戻る時間だ。早くふたりきりになって、発情促進剤を飲ませなくては…)
ユリウスは紅茶を注ごうとしていた給仕の女に、声をかける。
「旦那様がそろそろ戻られる時間だ。見て来てくれないか…?」
そう声をかけると、女は頷いて、部屋を出て行った。ユリウスは立ち上がると、自らティートロリーの前に立ち紅茶のポットを手に取る。
「段取りが悪くて、申し訳ありません」
ユリウスは、ヴァルター夫人の死角に入ると、ポットの中を確認するふりをして、発情促進剤を入れた。
ポットを持ち、ヴァルター夫人の前に立つと、手が震えるのを何とか抑え、カップに紅茶を注ぐ。
「エルバレイン次期公爵夫人に自ら給仕していただかけるなんて、感激です」
「私はもともと、城の下級官吏ですから…。こちらの方が性に合っています」
「ふふ…。そうですか」
ヴァルター夫人はユリウスを鼻で笑うと、カップを口元に運ぶ。ユリウスは震えながら、その様子を見守った。
立ち昇る湯気から、紅茶の香りを嗅いだヴァルター夫人は、ユリウスを見て微笑んだ。
「私は、この国の宰相の妻であり、元王族です。そんな私に、良くこれを出せましたね…?」
「え…?」
ユリウスの背中に、途端に冷たい汗が伝う。
(気付かれた…?)
「ヴァルター夫人、何をおっしゃって…」
「とぼける気ですか?まあいいでしょう。それならこれは、あなたが飲みなさい」
ヴァルター夫人は乱暴にカップを置くと、ユリウスの前に突き出した。
ユリウスは、手元の懐中時計をちらりと見る。
(まもなく、アデルが帰宅する。自分で飲んで信じさせ、ヴァルター夫人に飲んでもらえれば…)
どちらにせよ、これを飲む以外の選択肢はユリウスにない。ヴァルター夫人は頬杖をついて、ユリウスを見つめている。
(…飲むしかない!)
ユリウスはカップの紅茶を全て飲み干した。
「これは、ヴァルター夫人のために、夫アデルが用意した茶葉でして…」
「へぇ…」
平静を装ったはずが、言い終わると手が震えて、ソーサーの上にカップをうまく戻せなかった。急激に、胸がドキドキと音を立てる。
「あの、ヴァルター夫人も…」
「はあ?そんなもの、飲めるわけがない。自分の状態が分からないのですか?匂いも酷くなっている」
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