男の子たちの変態的な日常

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343 変態霊能力者

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 家に自称霊能力者が謎のお札を持って押し売りに来た。


「あなたには悪霊が取り憑いてます! 今すぐお祓いしなければ悪霊に呪い殺されてしまうことでしょう。普通なら100万円のところを今だけ半額の50万円でお引き受け致しますwww」


 いやはや、この手の霊感商法をやっているような輩が令和の時代になってもいるとは驚きだ。
 暇だった僕は少しだけ目の前のアホを相手にしてやることにした。


「へぇ~、そうなんですか。で、その悪霊とやらはどんなヤツなんですか?」


 僕が尋ねると、お祓い棒を無造作に振り回す自称霊能力者は一瞬考えた後にその場で思い付いたように言った。


「え~と、悪霊の正体は何かと言いますと……。生前一度もモテることなく生涯孤独だった男の悪霊です。配偶者を得られなかったモテない男の恨み辛みほど、この世で強い者はありませんからねwww」


 仮にそれが本当だとしたら確かに怖いなあと思いながら僕は笑いを必死になって堪えた。


「なるほど、確かにそれは怖いですねぇ。でも、何で僕なんかに取り憑いたんでしょうか?」
「え~と、まあ……おそらくモテなかった腹いせにあなたのような可愛い子に取り憑いてみたんじゃないでしょうか」


 腹いせに取り憑くとかマジ勘弁してほしいなあと思いながら、そろそろ自称霊能力者を追い払う方法を考え始める。


「出来ることなら、お金をかけない方向性で解決していただけると嬉しいんですがねwww」


 金を払う気がないということをアピールすれば、さすがに帰ってくれるだろうと思ったが、その考えは甘かった。


「ですが、悪霊が取り憑いた状態のまま、お過ごしになられますと、関わった人たち全てを不幸にしてしまいます。1秒でも早くお祓いしなければ、悪霊があなたの幸せを根こそぎ奪っていくことでしょう」


 確かに今年に入ってから、まるでいいことがない。もしかしたら、本当に悪霊が取り憑いていて僕からラッキーパワーを奪っているのだろうか?


「おや? その様子ですと、どうやら思い当たる節があるみたいですね。何をやっても上手くいかないのは、あなたのせいではありません。それは全て悪霊の仕業なのです。お祓いすれば、あなたは悪霊から解放され、バラ色の人生を歩むこと間違いなし! たったの50万円で輝かしい未来を手に入れるチャンスですよ~」


 先程までは見下しきっていたが、話を聞いているうちに僕は自称霊能力者に洗脳されていった。
 本当に悪霊が取り憑いていたとしたら、僕のせいでリョウを不幸にしてしまうのではないだろうか?


「その……実は今、手元に50万円なくて。えっと……そのうち必ずお支払いいたしますので、どうかお祓いしていただけないでしょうか?」


 自称霊能力者は一瞬考えたが、ふと僕の方を見て淫猥な表情を浮かべ始めた。


「なるほど、お話は分かりました。それでは、本日はお金の方はいりません。その代わりと言っては何ですが……」


 そう言うと、自称霊能力者は僕の胸もとを両手で掴んだ。


「ひぃ~ッ!」
「お代は身体の方でけっこうですからwww」


 そう言いながら、自称霊能力者は僕のブラウスのボタンに手をかけてきた。


「な、何を⁉︎」
「別にいいじゃないですか~、一発ヤラせるだけでお祓いしてもらえるんですからwww」


 自称霊能力者がひとつ、ふたつとブラウスのボタンをはずす。
 僕は抵抗できなかった。抵抗したら、我が家に不幸をもたらす悪霊をお祓いしてもらえない。
 ボタンをはずされ、ブラウスの前がはだけると、僕の胸が露わになった。


「ふぇぇ……」


 狼狽する僕を気にもかけず、堂々と胸を鷲づかみにしてきた。


「どうやら揉まれ慣れているようですね。いつも彼氏にこうやって揉まれまくってるんでしょぉ~?」
「いや、らめぇ……」
「いいですねぇ、中途半端に抵抗されると却って興奮しますよ。男を喜ばせるテクニックを分かってらっしゃいますねwww」


 混乱したなか、僕は自称霊能力者に向かって哀願していた。


「……そろそろお祓いしてもらえませんか?」
「う~ん、それはこれからのあなたの態度次第ですねwww」


 そう言うと、自称霊能力者がもう片方の胸も鷲づかみにしてくる。
 好きでもない相手に胸を好き勝手されていることが耐え難い屈辱だった。


「では、さっそく穴を出してもらいましょうかwww」
「……穴?」
「入れる穴に決まってるでしょう。もう出したくて仕方ありませんよwww」


 僕は自らの手をスカートの中に入れていった。そして泣きながらタイツを剥き下げていった。
 自称霊能力者はそんな僕をニヤニヤしながら見つめている。タイツを膝小僧の上まで下げると、再びスカートの中に手を入れていった。スカートの裾がたくしあがり、太腿があらわになる。
 自称霊能力者の目が胸から太腿へと移る。恥ずかしいと思ったが懸命に耐え、下着に手を触れた。だが、そこで手が動かなくなった。


「あれ、どうしたんですか? とっとと脱いでいただかないと、お祓いしませんよwww」


 そう言われて、僕は清水の舞台から飛び降りる思いでパンツを下げていった。
 パンツは膝小僧にからまるタイツの上で止まる。


「ほう、白ですかwww」
「あぁ、見ないで……」


 下着を見られただけで、おぞましさに鳥肌が立つ。


「まくってください」
「うぅッ……」


 ダメだ。拒否したら、悪霊のせいでリョウまで不幸にしてしまうかもしれない。それだけは絶対に避けねばならない。


「何してるんです? はやく見せてくださいよ」


 僕はスカートの裾をつかむとたくしあげ始めた。
 太腿が露わになっていき、自称霊能力者の目がギラギラし始める。太腿の付け根近くまであらわになり、足が震え出す。


「何トロトロしてるんだ? あくしろッ!」


 自称霊能力者の怒号に僕は恐怖と屈辱で思わず涙腺が崩壊してしまう。


「泣いてないで、とっとと見せろwww」


 自称霊能力者が僕のスカートを無理やり捲ろうとした次の瞬間、その手を横から制止するリョウの力強い腕が視界に入った。


「やれやれ、霊媒師ごっこは他所でやってくんねえか?」


 リョウの拳が顔面にめり込むほど見事な右ストレートが決まると、自称霊能力者の身体が宙を舞う。自称霊能力者の身体が床に着地する前にリョウは外に向かって思いっきり蹴り上げて家から追い出してくれた。


「アキラに取り憑こうとした悪い虫は俺が祓ってやったぜ♡」
「リョ~ウ、怖かったよぉ!」


 リョウの力強い腕の中で自分の身体が浄められていくような心地を味わった僕にもう怖い物などないのだった。
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