男だらけの変態異世界冒険譚

M

文字の大きさ
70 / 87
クェーサーΩ編

70 変態ラブ&ピース

しおりを挟む
 ヒビキが鳴滝を倒したことで、この世界に再び平和が訪れた。
 復興作業は順調に進み、人々は元の日常生活を取り戻しつつあった。
 僕は今回の戦争で己の無力さを実感し、再び剣の修行に明け暮れていた。ヒビキは僕に対して「剣術は力の優位だけで勝ちが成立するものではない。力のないミライでも身を守ることができるくらいには強くなれる」と激励してくれた。
 今日から早速本格的な稽古をヒビキが付けてくれた。

「ミライ、よく聞け。強いヤツは身のこなしだけで見れば分かる。強い男とは美しいものだからな♡」

 ヒビキは剣を構えながら凛としたまなざしを僕に向けた。僕は、きりりと背筋を伸ばして端座している。
 正座しながら僕はヒビキに憧れのまなざしを向けていた。確かにヒビキの所作は凛々しく、美しかった。僕より何倍も大柄で筋肉質なつややかさは鍛えあげた健康美を感じさせる。

「僕はヒビキみたいに美しくなれないもん……。剣術なんだから相手を退けられればいいんでしょ?」

 僕がそう言うと、ヒビキはおだやかな笑みを返した。

「はははッ! 俺が言った『美しさ』というのは、そういう意味じゃない。つまり無駄がないということだ。素振りを徹底的に繰り返すことで無駄な動きをなくし、敵を確実に退ける強さを身につけるってことさ」

 その後ひたすら剣を振るって打ち込み、気力、体力が尽き果てるまで繰り返す。

「ミライ、大丈夫か? 未だやれそうか?」

 と声をかけてくれたヒビキへ、面の奥から荒い息使いととともに僕が答えた。

「うん、平気……もう少しだけ続けるよ」

 肉体を鍛え抜いていくことで、精神は純粋に研ぎ澄まされていくと聞いたことがある。その言葉を心に念じては、みずから肉体をいじめるように厳しい修行に打ち込んでいった。
 ひとしきり気力を振り絞ってのかかり稽古が続いた後、ようやく僕たちは剣を置き、プロテクターを取った。トレーニングウエアは汗に濡れ、肌にまとわりつくようだ。
 思ったより汗で身体が冷えたので僕たちはすぐにお風呂に入ることにした。
 ヒビキは勢い良く僕の頭にお湯をかけてくれた。

「ふぅ、あったかいや♡」

 少しずつ身体が温まってきた。
 すると、いきなりヒビキは抱きついて僕の唇へ優しいキスをした。

「んッ……むぅ……」

 口の中にヒビキの舌が入り込み、僕の舌に絡みついてくる。鼻孔からヒビキの匂いがいっぱいに入り込んできて、頭の中がお花畑になる。

「ふあぁ……はぁ……」

 長い長いキスのあと、やっと身体を離したが、すぐさまヒビキはキスをもう一度してきた。だが、今度は急がず、僕の感触を味わうための、じっくりとした口付けとなった。
 ようやくヒビキは唇を離した。しかし、背中に回した手を離そうとはしない。ヒビキは鼻をくんくんと鳴らしながら僕の体臭をたっぷりと味わっていた。
 ヒビキの手のひらは僕の胸をまさぐり、僕の指はもう固く反り返っているヒビキの肉棒を撫で上げ始める。
 僕の中にヒビキは中指を第一関節ぐらいまで簡単に入れてしまった。
 僕は激しく喘ぎながらもヒビキにしがみつき、何度もキスをした。

「もう、ガマンできないぜぇ~ッ!」

 ヒビキに強く抱きしめられて、僕の頰が赤く染まる。

「僕も……ヒビキのが欲しいッ!」

 ヒビキはクルッと僕の身体を前後に回すと、そのままヒップに手をかける。

「はふんッ……んッ……」

 ピクッと僕の身体が震える。ヒビキは右手で僕のお尻を撫で続けながら、そそり立った肉棒を近づけてきた。

「んッ……あぁ……あぁ……」

 ヒビキは肉棒を僕の中にぶち込もうと先端を当てる。すぐさまニチャッとした粘度の高い液体がからみつく音が聞こえてきた。
 角度が合った瞬間、ヒビキの肉棒は僕の中にズブリと入っていった。
 僕は左手を壁につけたまま、右手を伸ばし自分の中に入っているヒビキの肉棒に触れた。まだ半分くらいも埋まっていない肉棒を指先で撫で上げていく。
 キスのかわりに、ヒビキは僕の手を握り、腰を動かす。ヒビキが腰を動かすたびに僕の中は肉棒の侵入を受け入れるかのように広がっていく。

「んッ! ンッ! ふあぁ……いッ……いぃ……すごくいい~♡」
「あぁ、ミライ……最高に締まるぜぇ~♡」
「んッ……くぅ……ヒビキ……あぁ~♡」

 快感が高まるに連れ、僕の中は柔らかくなり奥へ奥へとヒビキは肉棒を進撃させる。ついに根元まで挿入されたが、今度は僕の中が生き物のようにうねり、侵入してきた異物へとねっとりと絡みつく。

「くぅ……さすがはミライだぜぇ! 思わず昇天しちまいそうだぁ~♡」
「はぁ! はぁ! はぁ! いっぱい……いっぱい入ってるよぉ……中で動いてるぅ~」

 周囲に僕たちの喘ぎ声と、接合されている部分が奏でる淫靡な音色が反響した。水音とは明らかに違う、ブチャブチャという、快感を貪りあう音色が。

「んッ……んッ……らめぇ、すぐイッちゃいそう。イッちゃうよぉ……ヒビキの……おっきいので……イッちゃう~♡」
「はぁはぁ……ミライ……一緒に……イこうぜぇ~♡」
「きて……いっぱい……ヒビキのが……欲しいのぉ~♡」

 ヒビキは前かがみになって僕を背中から抱きしめ、強引に突き立てた。背後から入り込んだ棹は、僕の中をめちゃくちゃにつきたて、子宮の奥へとめり込んでいく。

「ふあぁッ! あッ! 奥まできてるぅ~♡」
「くぅ……うッ……神ってるミライの中でビッグバン起こすぜぇ~♡」
「イッちゃう~、僕の中で宇宙誕生しちゃうよぉ~♡」

 僕はヒビキの腕をギュッと握った。
 その瞬間……、

「うあッ……あッ、あッ、あぁぁぁぁッ!!!」

 激しく絶頂の叫びをあげ、身体を大きく仰け反らせた。同時にヒビキも頂点に達した。

「くッ……うぅ! うぅ! うぅ~ッ!」

 ヒビキの肉体から白濁した液体が一気に射出され、僕の奥へと吹き出した。それを受け取った奥の壁が急速に縮まり、肉竿を逃すまいとギュ~ッとしめつける。

「うッ……あッ……あぁ! あぁ~ッ!」

 僕の絶頂は一度では収まらず、ヒビキの肉棒がビクッと震えて内部に触れるたびに小さく、大きく絶頂を続けた。
 ついには2人とも立っていられなくなり、繋がったまま床にへたり込んでしまった。
 僕は背中で荒く息を繰り返していたが、抜けないように身体を反転させてヒビキにしがみつく。
 僕たちは再び訪れた平和な日常が末永く続くことを祈りながら、いつまでもお互いに激しく求め合うのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした

リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。  仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!  原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!  だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。 「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」  死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?  原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に! 見どころ ・転生 ・主従  ・推しである原作悪役に溺愛される ・前世の経験と知識を活かす ・政治的な駆け引きとバトル要素(少し) ・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程) ・黒猫もふもふ 番外編では。 ・もふもふ獣人化 ・切ない裏側 ・少年時代 などなど 最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。

ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました

あと
BL
「お兄ちゃん!人肌脱ぎます!」 完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け 可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…? 攻め:ヴィクター・ローレンツ 受け:リアム・グレイソン 弟:リチャード・グレイソン  pixivにも投稿しています。 ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。

批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

【完結】国に売られた僕は変態皇帝に育てられ寵妃になった

cyan
BL
陛下が町娘に手を出して生まれたのが僕。後宮で虐げられて生活していた僕は、とうとう他国に売られることになった。 一途なシオンと、皇帝のお話。 ※どんどん変態度が増すので苦手な方はお気を付けください。

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

魔王の息子を育てることになった俺の話

お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。 「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」 現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません? 魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。 BL大賞エントリー中です。

処理中です...