レイプされて男性恐怖症になった僕に彼氏ができた件

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第62話 あざとい転校生がやって来た件〜後編〜

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「うひゃひゃ、ちょうど暇してたところに面白そうなのが飛び込んできたぜwww」


 性懲りもなく僕はDQNに絡まれ、後ろから羽交い締めにされてしまった。


「お前も授業サボりに来たのかぁ~? 見かけによらず、悪い子ちゃんだなぁwww」


 僕は逃げ出そうと必死に足掻くが、力で敵うはずもなく、為す術もないままDQNに身体を触られまくる。


「いやだッ! 離して……」
「おいおい、自分からオレたちのところに遊びに来といてつれねえなぁwww」


 DQN共は集団で僕を押さえ付けると、スカートの中に手を入れてきた。


「うひょ~、誰から先にイッちゃう?」
「早い者勝ちで良くね?」
「いや~、痛い! 離してッ! 触らないでぇ~!!!」


 ひたすら大声を上げながら死ぬ気で抵抗していると、誰かの足音が勢いよくドタドタと聞こえ始める。


「やべぇ……誰かが走ってこっちに向かって来てるぞ」
「センコーか? 早く逃げるぞ、見つかったら面倒くせえ」


 Ωのような力の弱い者の前では暴力的に振る舞うDQNでも教師は怖いらしい。僕を守るためなら、教師にも立ち向かう一護いちごくんの爪の垢を煎じて飲ませてやりたいくらいだ。
 DQNが一目散に逃げ去った後、制服をボロボロにされてパンツを脱がされた僕は体育館の裏で1人取り残された。


「アオイ⁉︎ どうしたんだ、その格好は⁉︎ 誰かに乱暴されたんだな⁉︎」
一護いちごくん……」


 休み時間が終わっても教室に戻って来ない僕を心配した一護いちごくんは学校中を探してくれたらしい。
 今までの事情を説明すると、一護いちごくんは僕を抱きしめながら怒りで顔を真っ赤にした。


「クソ~、アオイがこんな目に遭ったのも元を辿れば全て痣都井あざといのせいだ! あいつ、ゼッテェ許さねえ~!!!」
「もういいよ……。どうせ僕なんか……」
「アオイ……」


 一護いちごくんはお姫様抱っこで僕を教室まで運んでいくと、教師に事情を説明してくれた。そのおかげで説教を食らわずに済み、普通に授業に参加する。
 あっという間に昼休みになると、痣都井あざといさんの周囲は今まで以上に人集りが出来ていた。


「ミクリちゃん、パン買ってきてあげるよ♡」
「オレの弁当、ミクリちゃんに分けてあげるね♡」
「ミクリちゃん、一緒に食べよぉ~♡」


 周囲にチヤホヤされまくる痣都井あざといさんはニヤニヤしながら僕のところに近寄ってきた。


「さっき体育館の裏でレイプされそうになったんでしょ? いろんな意味で大丈夫だったのwww」


 痣都井あざといさんが僕に話しかけたことで周囲の視線がこちらに釘付けになる。


「えっと……平気だよ。僕には一護いちごくんがいるから」


 僕の返答に痣都井あざといさんは一瞬だけ眉をひそめたが、すぐに平静を装って口を開いた。


「へぇ~、そうなんだぁ♪ いいなぁ~、一護いちごくんに守ってもらえてさ。守ってもらえないΩは男の子にビクビクしながら生活しないといけないから大変だよ~♡」


 そう言うと、痣都井あざといさんの周囲にはウンコに集るハエのごとく男が集まってきた。


「ミクリちゃんはオレが守るよぉ~♡」
「いや、オレの方がミクリちゃんを守れるぜ♡」
「いやいや、オレといた方が安心だって♡」


 呆れてモノも言えず、僕はその場から立ち去ろうとするが、しつこく痣都井あざといさんは粘着してくる。


「待ってよぉ~♪ アオイちゃんも一緒にお弁当食べようよ♡」
「僕、一護いちごくんと食べるから。後、ちゃん付けで呼ぶのやめて」
「なんでぇ~? 可愛い名前なんだから、ちゃん付けして何が悪いのwww」


 一護いちごくんと2人で一緒にいる時も痣都井あざといさんはストーカーのようにまとわりついてきた。


「男の子って、いつも身体目当てで近づいてきてね♡ ホント困っちゃうの~♪ だから一護いちごくんみたいな強くてカッコいい男の子に守ってもらわないとミクリ生きていけな~い! 愛人的ポジションでいいからミクリを傍に置いて~」
「…………………………」


 一護いちごくんは無言で聞き流していたが、痣都井あざといさんは鋼のメンタルで口説き落とそうと躍起になる。


「う~ん、なかなかの難攻不落ですなぁ。それならアオイちゃんみたいにミクリも一護いちごくんの肉便器になろうかぁwww」


 僕も一護いちごくんも痣都井あざといさんの発言に思わずドン引きしてしまった。


「あのなぁ~、俺はアオイのことを肉便……いや、えっと……とにかく、そんな風には見てないから!」
「でも、アオイちゃんとエッチはしてるんでしょwww」
「まあ、してはいるが……その、俺とアオイはいたって健全な関係であるからしてだなぁ~」
「ふふふ、可愛い♡ 一護いちごくんって、案外ウブなんだねwww」


 僕が想像している以上に痣都井あざといさんはホントにあざとく、見事なまでに一護いちごくんのペースを乱していく。


「もぉ~、いい加減にしてよ! 痣都井あざといさんはモテるんだから他にいくらでも男と付き合えるでしょ! どうして僕の一護いちごくんに執着するの⁉︎ 僕への当てつけなの⁉︎」


 思わずブチギレてしまった僕は学校中に聞こえるくらいの大声で痣都井あざといさんに怒鳴り散らす。


「う~ん、何でだろう? 自分でも分からないやwww」


 そう言うと、痣都井あざといさんは僕の耳元で囁いた。


「自分より下のΩにいい彼氏がいると無性に奪いたくなるんだ。人間は他人が持ってるモノほど欲しくなる生き物だから♡」


 痣都井あざといさんの言葉に僕は背筋が凍り付いた。どうやら本気で僕の一護いちごくんを狙っているらしい。
 僕の反応に気を良くした痣都井あざといさんはケラケラ笑いながら肩を叩いてくる。


「そんなに怖がらないでよ~♡ 別に取って食うわけじゃないんだからさwww」
「僕は……別に怖がってなんか……」
「Ωなんだから『僕』って言うのはやめた方がいいよ。自分のことは名前で呼んだ方が可愛いってwww」
「いや、自分のこと名前で呼ぶのはキモいよwww」


 なんだかんだで痣都井あざといさんとの距離は縮まったが、依然としてライバルであることに変わりはない。
 痣都井あざといさんみたいなブリっ子は男ウケは良くても女子からはかなり嫌われており、その点は救いだった。と言っても、一護いちごくんと付き合ってる僕も相当嫌われているだろうけど……。
 Ωの社会的地位が低いのも男の庇護下で生きようとする生存本能が働いてるせいなのかもしれない。やっぱり、Ωとして生まれた者は男女関係なく、お姫様願望が強いのだろう。
 一護いちごくんを巡るΩ同士のバトルに勝ち残るため、僕もブリっ子を極めようか悩む今日この頃。
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