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第1回
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N南高は、名前に南とついているのに私立校だった。文系とも理系ともつかない。輩出した人は、有名人らしいが名前はよく知らないような人が並ぶような、そんな高校だった。実際、初当選から5年で干された議員、巨大な陰謀が発覚したせいで消されたがたいして報道の場に姿を見せなかった新聞記者、低浮上のニッチな小説家――そんな顔ぶれが並ぶ。書き出しで文系かどうかわからないと書いたが、この小説家の売り上げから察するに、N南高は理系だ。
校門は、桜の木の切り株で一面に埋め尽くされていた。武藤俊は半ば呆れながら校長に挨拶をした。
「こんど、1年ほどここにいる武藤です」
「武藤さん。お若いねえ」出てきた、お世辞にも豊かな髪とはいえない男だった。「あ、失礼した。校長の岩居です」
岩居、と名乗った男が後ろにさがり、もう一人の男がぬっと姿を現した。「事務の森沢です。人事も私がやっております」四十五、六だろうか。こちらは、髪が豊かだ。きれいな対比だ、と武藤は思った。
「ああ、森沢さん……」
「それでですね、武藤さんね」白髪がいった。きれいなコントラストだ。「あなたたちには、3年龍組を担当してもらおうと思うんです」
「3年、リューグミ……?」
「留年のリューで留組。説明は――、しなくてもわかりますよね」白髪がつづける。
事務の森沢が後を引き取った。「かっこわるいでしょ、『おい、留組ぃ』なんて。ですから、急遽、龍に……」
「問題児ばかりなんですよ」白だ。
「そうです」黒がうなずいた。
「1年の石川が2留、2年の豊山が1年で1留と2年で2留、3年の橋本が1年で1留して3年で2留、同じく3年の岡部が――、」
「ちょっと待ってください」武藤が割って入った。「竜組って、いったい何人いるんです?」
「七人ですけど」校長がこともなげにいった。
校門は、桜の木の切り株で一面に埋め尽くされていた。武藤俊は半ば呆れながら校長に挨拶をした。
「こんど、1年ほどここにいる武藤です」
「武藤さん。お若いねえ」出てきた、お世辞にも豊かな髪とはいえない男だった。「あ、失礼した。校長の岩居です」
岩居、と名乗った男が後ろにさがり、もう一人の男がぬっと姿を現した。「事務の森沢です。人事も私がやっております」四十五、六だろうか。こちらは、髪が豊かだ。きれいな対比だ、と武藤は思った。
「ああ、森沢さん……」
「それでですね、武藤さんね」白髪がいった。きれいなコントラストだ。「あなたたちには、3年龍組を担当してもらおうと思うんです」
「3年、リューグミ……?」
「留年のリューで留組。説明は――、しなくてもわかりますよね」白髪がつづける。
事務の森沢が後を引き取った。「かっこわるいでしょ、『おい、留組ぃ』なんて。ですから、急遽、龍に……」
「問題児ばかりなんですよ」白だ。
「そうです」黒がうなずいた。
「1年の石川が2留、2年の豊山が1年で1留と2年で2留、3年の橋本が1年で1留して3年で2留、同じく3年の岡部が――、」
「ちょっと待ってください」武藤が割って入った。「竜組って、いったい何人いるんです?」
「七人ですけど」校長がこともなげにいった。
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