職も住処もなくした私が訳ありアパートの管理人にスカウトされました。何やら事情があるようです。

ピヨピヨ

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不思議な抜け道

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「もう、お帰りになって大丈夫ですよ。駅では相変わらず、三人があなたを待ち伏せていますが、彼らからはあなたが視えません」
「え、そういう? というかなんで知っているんですか?」

 しかし、瀧崎は葵の話をさらっと無視して先を続ける。

「本格的な縁切りになりますともっと高額になりますが」
「いえ、充分です。ありがとうございました」

 葵は慌てて頭を下げた。

「縁切りした者達に不用意に声をかけたり、じっと見続けたりしないに。その瞬間あなたの姿は彼らから認知されてしまいますから。いまは、彼らから、あなたを隠している状態です」
「わかりました。気を付けます」

 本格的な縁切りとは何だろうともいながら、葵は帰ろうとする。

「ああ、ちょっと待ってください。他にもあなたを追いかけている者たちがいるのですよね?」
 瀧崎がそれを知っていてももう驚かない。

 どういう訳か彼には人の過去やら置かれた状況がある程度見えるようようだ。
「ええ、なんだか、どんどん増えてきちゃったんですよ」
「彼らからはあなたが、見えている状態です」
「は? じゃあ、みつかっかちゃうじゃないですか!」
 折角縁を切ってもらったのに。

「裏口を使いますか?」
「え? はい? 裏口ですか?」
「ええ、拝殿の裏に回ってみてください」
 そういえば、ここは石段が結構あった。参拝客用にエレベーターでもついているのだろうか。

「まさか、駅まで地下通路でもあるんですか?」
「地下通路ではありませんが、小道が続いています」
「小道?」
 すると社長が呆れたような顔をする。

「やれやれ、あなたは視える人なのに常識にとらわれているせいか手のかかる人ですね。その先に竹林があるでしょう?」
 そう言われてお社の後ろを見るとさっきまでビルがそそり立っていた場所に竹林が広がっている。
「え? なんで?」
「まっすぐ抜ければ、アパートの銭湯に繋がっていますよ」
「へ?」
「ほら、さっさと行ってください。私は忙しいのですよ」
 しり込みする葵を社長は引きずってく。

「いや、ちょっとさすがにそれはこわいんですけれど」
「まったく、ごくまれにあなたのような人がいるんですよね」
「私のような人?」

「ええ、普通の人には見えないものが視えてしまう人ですよ」
「……おもったんですけれど、あの竹林も見えているだけで普通の人には入れないのではないのですか?」
 すると社長が呆れたような顔をする。

「ここと竹林は同じ空間い存在しているんですよ。だから、普通に通れるはずです」

 葵はやっと納得した。つまり自分がここにいることがおかしいと。
「じゃあ、前に来た神社とこの神社は違うのですか?」
「存在している空間が少し違いますね。でも竹林を抜けて銭湯に出れば戻れますよ。くれぐれも銭湯からこちらの世界に来ないように」

「分かりました。行ってきます」
「お疲れ様です。水原さん」

 葵は社長あらため神社の神主に見送られて、竹林に入った。
 
「なんだか、私、どんどん普通から遠ざかって行く気がする」

 葵はそう独り言ちた。


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みんなの感想(2件)

きんお(僧侶)

最高に面白いほっこりホラー物語です😁‼️
ファンになりました‼️
これからも更新してくださいますよう、心よりお願い申し上げます🌷🌷🌷🌷🌷

2021.03.29 ピヨピヨ

きんお(僧侶) 様
感想ありがとうございます!
返信遅れてすみません(汗
時間を見つけて更新したいと思います!!

解除
道産子
2021.01.31 道産子

二股男に祟りがあればいいのに~

2021.01.31 ピヨピヨ

道産子様

感想ありがとうございます。
確かに元カレひどいやつです(汗

解除

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