44 / 44
不思議な抜け道
しおりを挟む
「もう、お帰りになって大丈夫ですよ。駅では相変わらず、三人があなたを待ち伏せていますが、彼らからはあなたが視えません」
「え、そういう? というかなんで知っているんですか?」
しかし、瀧崎は葵の話をさらっと無視して先を続ける。
「本格的な縁切りになりますともっと高額になりますが」
「いえ、充分です。ありがとうございました」
葵は慌てて頭を下げた。
「縁切りした者達に不用意に声をかけたり、じっと見続けたりしないに。その瞬間あなたの姿は彼らから認知されてしまいますから。いまは、彼らから、あなたを隠している状態です」
「わかりました。気を付けます」
本格的な縁切りとは何だろうともいながら、葵は帰ろうとする。
「ああ、ちょっと待ってください。他にもあなたを追いかけている者たちがいるのですよね?」
瀧崎がそれを知っていてももう驚かない。
どういう訳か彼には人の過去やら置かれた状況がある程度見えるようようだ。
「ええ、なんだか、どんどん増えてきちゃったんですよ」
「彼らからはあなたが、見えている状態です」
「は? じゃあ、みつかっかちゃうじゃないですか!」
折角縁を切ってもらったのに。
「裏口を使いますか?」
「え? はい? 裏口ですか?」
「ええ、拝殿の裏に回ってみてください」
そういえば、ここは石段が結構あった。参拝客用にエレベーターでもついているのだろうか。
「まさか、駅まで地下通路でもあるんですか?」
「地下通路ではありませんが、小道が続いています」
「小道?」
すると社長が呆れたような顔をする。
「やれやれ、あなたは視える人なのに常識にとらわれているせいか手のかかる人ですね。その先に竹林があるでしょう?」
そう言われてお社の後ろを見るとさっきまでビルがそそり立っていた場所に竹林が広がっている。
「え? なんで?」
「まっすぐ抜ければ、アパートの銭湯に繋がっていますよ」
「へ?」
「ほら、さっさと行ってください。私は忙しいのですよ」
しり込みする葵を社長は引きずってく。
「いや、ちょっとさすがにそれはこわいんですけれど」
「まったく、ごくまれにあなたのような人がいるんですよね」
「私のような人?」
「ええ、普通の人には見えないものが視えてしまう人ですよ」
「……おもったんですけれど、あの竹林も見えているだけで普通の人には入れないのではないのですか?」
すると社長が呆れたような顔をする。
「ここと竹林は同じ空間い存在しているんですよ。だから、普通に通れるはずです」
葵はやっと納得した。つまり自分がここにいることがおかしいと。
「じゃあ、前に来た神社とこの神社は違うのですか?」
「存在している空間が少し違いますね。でも竹林を抜けて銭湯に出れば戻れますよ。くれぐれも銭湯からこちらの世界に来ないように」
「分かりました。行ってきます」
「お疲れ様です。水原さん」
葵は社長あらため神社の神主に見送られて、竹林に入った。
「なんだか、私、どんどん普通から遠ざかって行く気がする」
葵はそう独り言ちた。
「え、そういう? というかなんで知っているんですか?」
しかし、瀧崎は葵の話をさらっと無視して先を続ける。
「本格的な縁切りになりますともっと高額になりますが」
「いえ、充分です。ありがとうございました」
葵は慌てて頭を下げた。
「縁切りした者達に不用意に声をかけたり、じっと見続けたりしないに。その瞬間あなたの姿は彼らから認知されてしまいますから。いまは、彼らから、あなたを隠している状態です」
「わかりました。気を付けます」
本格的な縁切りとは何だろうともいながら、葵は帰ろうとする。
「ああ、ちょっと待ってください。他にもあなたを追いかけている者たちがいるのですよね?」
瀧崎がそれを知っていてももう驚かない。
どういう訳か彼には人の過去やら置かれた状況がある程度見えるようようだ。
「ええ、なんだか、どんどん増えてきちゃったんですよ」
「彼らからはあなたが、見えている状態です」
「は? じゃあ、みつかっかちゃうじゃないですか!」
折角縁を切ってもらったのに。
「裏口を使いますか?」
「え? はい? 裏口ですか?」
「ええ、拝殿の裏に回ってみてください」
そういえば、ここは石段が結構あった。参拝客用にエレベーターでもついているのだろうか。
「まさか、駅まで地下通路でもあるんですか?」
「地下通路ではありませんが、小道が続いています」
「小道?」
すると社長が呆れたような顔をする。
「やれやれ、あなたは視える人なのに常識にとらわれているせいか手のかかる人ですね。その先に竹林があるでしょう?」
そう言われてお社の後ろを見るとさっきまでビルがそそり立っていた場所に竹林が広がっている。
「え? なんで?」
「まっすぐ抜ければ、アパートの銭湯に繋がっていますよ」
「へ?」
「ほら、さっさと行ってください。私は忙しいのですよ」
しり込みする葵を社長は引きずってく。
「いや、ちょっとさすがにそれはこわいんですけれど」
「まったく、ごくまれにあなたのような人がいるんですよね」
「私のような人?」
「ええ、普通の人には見えないものが視えてしまう人ですよ」
「……おもったんですけれど、あの竹林も見えているだけで普通の人には入れないのではないのですか?」
すると社長が呆れたような顔をする。
「ここと竹林は同じ空間い存在しているんですよ。だから、普通に通れるはずです」
葵はやっと納得した。つまり自分がここにいることがおかしいと。
「じゃあ、前に来た神社とこの神社は違うのですか?」
「存在している空間が少し違いますね。でも竹林を抜けて銭湯に出れば戻れますよ。くれぐれも銭湯からこちらの世界に来ないように」
「分かりました。行ってきます」
「お疲れ様です。水原さん」
葵は社長あらため神社の神主に見送られて、竹林に入った。
「なんだか、私、どんどん普通から遠ざかって行く気がする」
葵はそう独り言ちた。
0
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(2件)
あなたにおすすめの小説
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
「毒が効かない体になるまで毒を盛られた令嬢は、復讐なんて望まない——ただ、助けもしないだけ」
歩人
ファンタジー
侯爵令嬢エレーナは、義母と義妹に3年間毒を盛られ続けた。「病弱な姉」として
社交界から消し、財産と婚約者を奪う計画——しかしエレーナには、前世の記憶から
来る毒物の知識があった。毒の種類を特定し、密かに解毒しながら「弱った姉」を
演じ続け、証拠が積み上がるのを待つ。卒業の夜会で義妹が勝ち誇るその場で、
エレーナは3年分の診断書を差し出す。「復讐? いいえ。ただ、もう助けないだけ」
崖からポイ捨てされた不運令嬢ですが、銀髪イケメン竜王に『最愛の伴侶』としてスカウトされました!
阿里
恋愛
不作も天災も、全部わたしのせい!?
「不運な女」と虐げられ、生贄として崖から捨てられたわたし、ミラ。
でも、落ちた先で待っていたのは、まぶしいほど綺麗な銀髪の竜王・アルベルト様でした!
「君がいたから、この国は守られていたんだよ」
えっ、わたしって実はすごい聖女だったの!?
竜宮城で贅沢三昧&溺愛生活スタート!
そんな中、わたしを捨てて大ピンチになった元婚約者が「ミラ、戻ってきて!」と泣きついてきて……。
地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした
阿里
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
最高に面白いほっこりホラー物語です😁‼️
ファンになりました‼️
これからも更新してくださいますよう、心よりお願い申し上げます🌷🌷🌷🌷🌷
きんお(僧侶) 様
感想ありがとうございます!
返信遅れてすみません(汗
時間を見つけて更新したいと思います!!
二股男に祟りがあればいいのに~
道産子様
感想ありがとうございます。
確かに元カレひどいやつです(汗