よく分からない。だけど…

いなば

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「…え?!ごめん、もっかい言って??」

ここは、学校。
ここは、教室。

見慣れた校舎にどうやって登校してきたのかも忘れたくらいには俺の頭の中は胸板でいっぱい。

今は昼休憩。
昨日あの後のことを直ぐに聞かれるかと思ったが村瀬はこの時間まで話題に出さなかった。村瀬も村瀬で何かあったような顔をしている。

俺は昨日の出来事を相談した。

「彼氏が…出来た」
超小声。

「急展開!!」
村瀬が大きな声を出したのを諌めながら俺は、お試しだけどさ。
と、付け加えた。

「なんて告ったの?好きとか分からんつってたじゃん」

興味津々といった様子で目を爛々と輝かせる村瀬。

「…告ってない…」

「えっ!?あっちから??どういうこと?」

「なんか、一目惚れ?らしい??お試しで付き合ってる…??」

「いやいや、?だらけじゃねーか!一目惚れって!あっちも?んで、あっちが試されてるとか」

「あっち、も?も ってなんだよ?」

村瀬の一言に引っかる。

「だーっ、もううるさいな。お前とっくに一目惚れ状態だったじゃんよ!!そんなことはいいから、詳細を!はよ!」

「理屈じゃないって...言ってた。」

村瀬が、こっちを真剣な表情で、俺を見ている。

「....」
俺は、恥ずかしくなってきて机に突っ伏した。

「....」

「えっ?まだ、続きあると思って待っちゃったじゃん!詳細そこ!?抜き出すとこそこ??絶対その一言でおさまってないよね??文章問題苦手だったっけ!!ねぇ!」

村瀬が、机に伏した俺の頭部をぐりぐりと押さえつけている。

「なあ、付き合ってみるってどうやって決意した?」

伏したままの俺の耳元に村瀬が呟いた

「...提案してもらって、俺には悪いとこはなくて...恋愛が何かわかるきっかけになれば良いなくらいの気持ちかな?」

決意という決意をした記憶もないのが事実。

「なに?少年ぐいぐいきて嫌なのか?俺から断る?」

村瀬の何かは、少年絡みのようだな。

「嫌、、、嫌というか...怖い?」

不安そうな声音になった村瀬が
心配になり俺は、顔を上げた

「お、それ、怖いじゃないって顔してる。」

「え?」
村瀬が首をかしげる。

「こまってる顔。」

「え??」
俺の言葉に先程とは反対側に首を傾げている。

「困ってる...かぁ。なるほどな...近いかも...?」

「困ってるって言ってやるなよ?少年傷つくぞたぶん。」

黙りと、考え込んでしまったようで村瀬からの返答は無い。俺の相談を聞いてる暇はなさそうだな...付き合うって普通お互いを知ってから、好きになるポイントをお互いが重ねていったことによって起こる関係だよな??
お互いを知るのはこれから...好きになるポイントは...俺にはあったけどあっちには...?...俺にはあったのか??助けてもらったからか..
わっかんねぇ!とりあえず、試しでいいって言ってんだから試してみるしかないんだよな!?

どうすっかなぁ....はぁあぁと息を吐いたと同時に俺のスマホが鳴る。

「彼氏?」
ニヤニヤと小声で村瀬がちゃかしてくる。

「か、かれっ...ああ..まぁ、そう」
画面を確認しつつ、答える
耳まで赤い自覚はある。
「なんて、なんて??好きだよ?とか?」
「違ぇよ、今日何時の電車?って。痴漢に合わないようにしてくれてるんだろ」
トトトッと返信を打ちながら答えると
「一緒に帰りたいんだと思うけどなぁ~」
村瀬は相変わらずのニヤニヤ顔だ
「それなら、そう言ってくれた方が嬉しいけどなぁ。申し訳ない気持ちが勝ってしまうし」
「お互いの気持ちは言い合った方がいいぞ~言わないと分からないぞ~」
「うるせえ、そっちこそ、いざ少年がグイグイ来なくなったら、おろおろするんだから現時点の心情くらい伝えといたら良いんじゃないのか~?」
言い返したみたいになってしまったが、俺たちは混乱したまま悩んでいる訳で、相手がいる悩みだ。1人で悩んでいても相手の考えが分からない以上このまま悩んでても進展しない。
「「伝える...だな!」」
2人でうんうんと頷き合い残った昼飯をかきこみ午後からの授業を受けた。
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