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第83話 安心するわ

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「気持ち悪いですよ、さっきから、なんなんです?」

「ううん、なんでもないよ!」


ライナーが久しぶりに戻ってきて、無意識にニコニコしている。

おもいっきりやらかしてしまった次の日ライナーは帰ってきた。
今報告会を開いているところである。
ライナーが高崎でかってきたティーバッグはこんな時にも美味しい紅茶を入れてくれる。
カップはゴツッとしたマグカップだが、良い匂いがジュード達を包む。

「ライナーお疲れさま。ごくごく。ああ!久々の紅茶。」

「部隊の方にも配布してますので、みんな休憩をとってますよ。」

この1ヶ月はグナンの勢力をおさえて頑張っていた兵士に労いの一杯である。

「現時点ではグナンの中枢部の勢力は此方に向かってくる余力は皆無でしょう。ジュード様が気にかけてらっしゃった、王子も無事です。元気そうに遊んでましたよ。」

「え、遊んでた?」

「はい。一緒に鬼ごっこしてきましたけど?」

ブフォッとルードリッヒが紅茶を吹いた。


「ゲホゲホフェ...。ゴホッゴホッ」

「ルーイ、大丈夫?」

ジュードがルードリッヒの背中を摩る

「だ、大丈夫だ。...ライナー、お前いつもどんな偵察してるんだ。」

「え、いつもこんな感じですけど?私、見目も良いですし、声も良いでしょ?スッと入って出てくるのに、嫌な顔をされたことはありませんよ。」

スンっとした表情になるジュードとルードリッヒ

「そうか...。そういう奴だったか...。」

「こういう奴なんです。」

今更なにいってんだ、お前らという表情を隠さずにルードリッヒが次の言葉を吐き出した。

「グエンナは...。鬼畜が居ましたよ。一人だけでは無いようなので、全部掃除するためには策を講じなくてはいけない。」

3人ともイケメンのキリッとした顔に戻る。









「昨夜はお楽しみのようでしたね!」


ライナーが言った!





「あ゛あ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」



ジュードがはずかしすぎて、テントから出て走り出した!





「逃げたな...。ククク...。」


「どうでした?処女でしたでしょう?」


「ああ、覚えたての猿みたいで、夢中になっていたよ。」


「ルードリッヒ様がですか?」


ライナーがニヤニヤして、そういった。



少し頬の赤いルードリッヒがゴホンと一つ咳払いをした。
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