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第85話 今夜もお楽しみですかね?

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「倒れる奴があるか。」

寝かされて、看病されるジュード君が涙目で布団を頭からかぶった。

「少し休め、私は、少し出てくる。ライナー、後は頼む。」

「...はい。畏まりました。」

ルードリッヒは、何故かしっかり装備を着けてテントから出ていった。

「...。」

「何ですか?」

「ルードリッヒは、何処に向かったのかな~って...。」

「戦争終わらせに行くんですよ。ジュード様がふて寝している間に。」

「へっ?終わるの?これ...。じゃあ...。」


帰れるんだねと言おうとして、頭を抱え込むジュード。


ぶつぶつぶつぶつ...。

「何唱えてるんですか、気持ち悪い。」



「俺は悪くない俺は悪くない俺は悪くない俺は悪くない...。」


「え、でもジュード様も楽しんだでしょ?」



「ぎゃーーーーーーーーーーー」



また頭から布団をかぶって、丸くなった。


「モギー(?)」


「は?モギー?」


意味のわからない言葉を発して、ジュードは眠りについた。


「目覚めたら、終わってますよ。お疲れ様です、主。」

そう言って、ジュードの背中を幼子をあやすようにトントンし、明かりを消して外に出た。
ライナーは外に居た騎士に伝えた

「私はルードリッヒ様と一緒に条約を締結してくる。3日後には撤退する各自準備をしておいてほしい。」

「ハッ!!畏まりました!」

安心しきった表情で眠るジュードに申し訳なく思いつつもライナーはルードリッヒの御付きで行動することにした。

「ジュード殿下が起きたら、昨夜はお楽しみでしたね?ぐっすり眠れましたか?と伝えてほしい。」

騎士はジュード達のテントの前で交代で警備についている真面目で口の固い人間である。
勿論、昨夜の情事は筒抜けであるが、一つも気にしていないように振る舞っていたのに、ライナーに改めて言われて、咳払いをして、顔を赤らめた。


「ライナー様、御冗談を。」

「ははっ、ではグナンと締結後、二人でグエンナを一掃してくる。」

「ハッ!御武運を!」

「うん。」




ジュード君が心配していたグナンの王子は、グエンナに留学という人質に出ていて、王も王妃もグエンナからの圧力によって、しぶしぶ戦争に参加していたようだったがライナー潜入により、現在無事保護している。
グナンが条約上ルードリッヒの傘下に入れば、グエンナは孤立

裏で蠢くグエンナの組織を掃除するには、軍隊は使えない。

逃げられては困るからだ。



なに、心配は、いらない。
痛恨のミスでもない限り、マリーの作成したチートアイテムもある。
勝利は目の前だ。
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