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第四章 亡国編
亡国ⅩⅠ 朝⑥〜囚われた籠の鳥
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「こうして僕は魔王に匿われ、そこで結界術を身につけたのさ。大切なものは自分自身で守るために。」
デステールはそう言うと、空になったカップにお茶を入れるようシイナに促す。アルエットは変わらず項垂れたまま、アムリスは唇を噛み締めながら話を聞いていた。ガステイルは眉をひそめながらデステールを見つめ、口を開いた。
「だからあんたは魔王軍に入って、フォーゲルシュタットを滅ぼすつもりだと言うのか。」
「フォーゲルシュタットを滅ぼすというのが女王の殺害という意味なら、そうなるね。」
「ほかの人間の命にこだわらない理由は?悪いけど、俺が同じ経験をしたら……女王の命だけ、と割り切るなんてできないからさ。」
「僕にも半分、人間の血が入っているから……じゃ、弱いかな?」
「それなら、女王だけは絶対に許せない理由は?そりゃ彼女のやったことはお前にとって許されないことなのは分かるが……人間と魔族が戦争している以上、お前みたいな運命を背負っているやつなんて珍しくないだろ。」
「確かに、故郷を滅ぼしたことは今となってはそこまで重要じゃない。許せない理由は……アルエットの母親面をしていることだね。奪っただけの泥棒が母親を名乗るなよ。」
デステールの微笑みの奥で徐々に渦巻く殺意に、ガステイルの額から脂汗が滲む。
「あの女が起こしたことを戦争だから仕方ないと言うのなら……僕があいつを殺してアルエットを取り返すのも、戦争だから仕方ないだろう?」
デステールの怒りに満ちた声に、アムリスが涙を流し反論する。
「もうやめて……そんなことしたって、セイレーンのみんなは……」
「喜んではくれない……だろうね。まさか、復讐はまた別の復讐を産むだけ……だなんて、続けるつもりじゃないよね?」
「ッ……!!」
「確かに、僕が人間の女王を殺せば……誠に不本意ながら、アルエットは母の仇として僕の命を狙うかもしれない。だがね……僕はそれでいいとすら思っているんだよ。」
「どういうこと……?」
「僕は人間の女王に復讐するため生きてきた……それが成就すれば、それ以降はおまけの人生に過ぎんよ。それに、僕は今まで独りで生きてきた……もしもアルエットが僕を殺したとて、誰かがアルエットの命を狙うことのないようにね。だから僕の復讐は、アルエットの復讐で打ち止めになるようになっているんだよ。」
「……嘘よ。妹に殺されても構わないって……240年間ずっと離れ離れだったのに、再会してかける言葉がそれでいいだなんて、嘘よ……。」
「アムリスの言う通りだ。お前、本当は妹と平和に暮らしたいだけなんだろ?本当は、240年前のケイレスでの暮らしがずっと続いて欲しかったんだろ?だから……女王以外の人間を殺すことにこだわらず、グレニアドールの街の領主になったんじゃないのか?」
アムリスに加勢したガステイル。デステールはその指摘に少し表情を曇らせる。
「……根拠は?」
「この街そのものだよ。そりゃ結界で包んで犯罪行為を無理やり検知するという歪な仕組みではあるが、それも人間と魔族を共存させるという理想のための装置だ。そのお前の理想のルーツは、両親と自分たち……人間と魔族が共に幸せを育むその生活にあったんだろ。」
「……なんとでも言え。綺麗事でどう取り繕っても、女王を殺す意思は揺るがんよ。」
デステールはシイナの入れた紅茶を一口含み、横目でアルエットの様子を伺いつつごくりと飲む。アルエットは俯き、拳を握りしめ小刻みに震えていた。
「アルエットも情報を整理する時間が必要みたいだね……少し、休憩にしようか。」
「かしこまりました……お茶菓子をご用意いたします。」
「ありがとうシイナ、僕はやることあるから先に向かっておくよ。」
「やること……?」
左側の扉――執務室の方へと進みかけるデステールを不審がり、咄嗟に声をかけたガステイル。デステールはフフと口元を緩めて笑い言った。
「ちょっとこれから、出かけてこようと思ってね……ほれ」
そういうとデステールは懐から魔道具を取り出す。豪邸で見た記憶のあるガステイルが、
「それは……映像共有の魔道具!?」
と叫ぶ。デステールは感心したように頷いた。
「よく知っているね。最近グレニアドールの市場にも出回り始めたようでね、ひとつ買ってみたんだ。」
「いったい何を見せるつもり……?」
「これから僕が行くところだよ……それ!」
デステールがそういうと、三人の目の前にとある風景が映し出される。その映像を見た三人は、言葉を失った。
「え……?」
「は……?」
「嘘でしょ……?」
映像には、未曾有と言うべき質量の魔物と魔族の大軍が映っていた。その行軍の先に小さく見えているのは……フォーゲルシュタットの城壁。
「いつの間に……?」
「みんな!急いで向かうわよ!!!」
アルエットが椅子から勢いよく立ち上がり、食堂の出口へと向かって走り出す。しかし、その出口の直前で見えない壁に弾かれてしまった。
「痛っ……」
「結界……まさか!」
「言っただろ……危害を加えるつもりはないと。紅茶に毒を盛ったりなんかしないさ、この部屋に入った時点で全て僕の思い通りなのだから。」
「だったら……アムリス!聖剣で!」
「無駄だよ。この部屋の結界は三つ重ねてかけてあるんだ。君たち一人ずつに対応した結界をね。聖剣で斬れるのはその子に対応した結界のみ……つまり、アルエットとそこのエルフは閉じ込められたままなのさ。」
「だったらデステール、あんたを殺せばいいんでしょう!!」
アルエットはそう言い、デステールに斬りかかるが、その剣に触れることなくデステールとシイナは姿を消した。
「チッ、瞬間移動……」
「その通り!」
突如、映像から響く声。三人は映像を見ると画面にはデステール達が映っていた。
「それじゃアルエット、そこで見ておくといい……僕たちの仇敵に天罰が下る瞬間をね。」
デステールは映像魔道具を手に取り、再び場所を移した。
デステールはそう言うと、空になったカップにお茶を入れるようシイナに促す。アルエットは変わらず項垂れたまま、アムリスは唇を噛み締めながら話を聞いていた。ガステイルは眉をひそめながらデステールを見つめ、口を開いた。
「だからあんたは魔王軍に入って、フォーゲルシュタットを滅ぼすつもりだと言うのか。」
「フォーゲルシュタットを滅ぼすというのが女王の殺害という意味なら、そうなるね。」
「ほかの人間の命にこだわらない理由は?悪いけど、俺が同じ経験をしたら……女王の命だけ、と割り切るなんてできないからさ。」
「僕にも半分、人間の血が入っているから……じゃ、弱いかな?」
「それなら、女王だけは絶対に許せない理由は?そりゃ彼女のやったことはお前にとって許されないことなのは分かるが……人間と魔族が戦争している以上、お前みたいな運命を背負っているやつなんて珍しくないだろ。」
「確かに、故郷を滅ぼしたことは今となってはそこまで重要じゃない。許せない理由は……アルエットの母親面をしていることだね。奪っただけの泥棒が母親を名乗るなよ。」
デステールの微笑みの奥で徐々に渦巻く殺意に、ガステイルの額から脂汗が滲む。
「あの女が起こしたことを戦争だから仕方ないと言うのなら……僕があいつを殺してアルエットを取り返すのも、戦争だから仕方ないだろう?」
デステールの怒りに満ちた声に、アムリスが涙を流し反論する。
「もうやめて……そんなことしたって、セイレーンのみんなは……」
「喜んではくれない……だろうね。まさか、復讐はまた別の復讐を産むだけ……だなんて、続けるつもりじゃないよね?」
「ッ……!!」
「確かに、僕が人間の女王を殺せば……誠に不本意ながら、アルエットは母の仇として僕の命を狙うかもしれない。だがね……僕はそれでいいとすら思っているんだよ。」
「どういうこと……?」
「僕は人間の女王に復讐するため生きてきた……それが成就すれば、それ以降はおまけの人生に過ぎんよ。それに、僕は今まで独りで生きてきた……もしもアルエットが僕を殺したとて、誰かがアルエットの命を狙うことのないようにね。だから僕の復讐は、アルエットの復讐で打ち止めになるようになっているんだよ。」
「……嘘よ。妹に殺されても構わないって……240年間ずっと離れ離れだったのに、再会してかける言葉がそれでいいだなんて、嘘よ……。」
「アムリスの言う通りだ。お前、本当は妹と平和に暮らしたいだけなんだろ?本当は、240年前のケイレスでの暮らしがずっと続いて欲しかったんだろ?だから……女王以外の人間を殺すことにこだわらず、グレニアドールの街の領主になったんじゃないのか?」
アムリスに加勢したガステイル。デステールはその指摘に少し表情を曇らせる。
「……根拠は?」
「この街そのものだよ。そりゃ結界で包んで犯罪行為を無理やり検知するという歪な仕組みではあるが、それも人間と魔族を共存させるという理想のための装置だ。そのお前の理想のルーツは、両親と自分たち……人間と魔族が共に幸せを育むその生活にあったんだろ。」
「……なんとでも言え。綺麗事でどう取り繕っても、女王を殺す意思は揺るがんよ。」
デステールはシイナの入れた紅茶を一口含み、横目でアルエットの様子を伺いつつごくりと飲む。アルエットは俯き、拳を握りしめ小刻みに震えていた。
「アルエットも情報を整理する時間が必要みたいだね……少し、休憩にしようか。」
「かしこまりました……お茶菓子をご用意いたします。」
「ありがとうシイナ、僕はやることあるから先に向かっておくよ。」
「やること……?」
左側の扉――執務室の方へと進みかけるデステールを不審がり、咄嗟に声をかけたガステイル。デステールはフフと口元を緩めて笑い言った。
「ちょっとこれから、出かけてこようと思ってね……ほれ」
そういうとデステールは懐から魔道具を取り出す。豪邸で見た記憶のあるガステイルが、
「それは……映像共有の魔道具!?」
と叫ぶ。デステールは感心したように頷いた。
「よく知っているね。最近グレニアドールの市場にも出回り始めたようでね、ひとつ買ってみたんだ。」
「いったい何を見せるつもり……?」
「これから僕が行くところだよ……それ!」
デステールがそういうと、三人の目の前にとある風景が映し出される。その映像を見た三人は、言葉を失った。
「え……?」
「は……?」
「嘘でしょ……?」
映像には、未曾有と言うべき質量の魔物と魔族の大軍が映っていた。その行軍の先に小さく見えているのは……フォーゲルシュタットの城壁。
「いつの間に……?」
「みんな!急いで向かうわよ!!!」
アルエットが椅子から勢いよく立ち上がり、食堂の出口へと向かって走り出す。しかし、その出口の直前で見えない壁に弾かれてしまった。
「痛っ……」
「結界……まさか!」
「言っただろ……危害を加えるつもりはないと。紅茶に毒を盛ったりなんかしないさ、この部屋に入った時点で全て僕の思い通りなのだから。」
「だったら……アムリス!聖剣で!」
「無駄だよ。この部屋の結界は三つ重ねてかけてあるんだ。君たち一人ずつに対応した結界をね。聖剣で斬れるのはその子に対応した結界のみ……つまり、アルエットとそこのエルフは閉じ込められたままなのさ。」
「だったらデステール、あんたを殺せばいいんでしょう!!」
アルエットはそう言い、デステールに斬りかかるが、その剣に触れることなくデステールとシイナは姿を消した。
「チッ、瞬間移動……」
「その通り!」
突如、映像から響く声。三人は映像を見ると画面にはデステール達が映っていた。
「それじゃアルエット、そこで見ておくといい……僕たちの仇敵に天罰が下る瞬間をね。」
デステールは映像魔道具を手に取り、再び場所を移した。
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