要石の巫女と不屈と呼ばれた凡人

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第五章 刀と竜

見えない糸

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 目の前に威風堂々といった佇まいで立つ女騎士が、俺を睨みつける。

「お前のどこが、ジェットだと言うのだ! 見るからに初心者の冒険者が、あの方の名を騙るとは売名行為も甚だしい! 成敗してくれる!」

「は? 初心者? 待て待て! こう見えても、俺は、Bラんぬわぁ! ちょ! こんな所で抜くな! うわ! 聞け! 話を! おい!」

「偽物の言葉など、聞くわけないだろう! これまでも何人もの偽物がいたのだ! お前もだろう!」

 女騎士は、何故か激昂して斬りかかってきており、完全に俺を偽物扱いで、止まろうとしない。

「おい! 五蓮ゴレンジャ! お前らいつも、俺の事を漆黒の騎士ジェットブラックと呼ぶだろう! 今だ! 今がその時だ! 呼べ!」

「いや、さっきそれでお前にボコられたし、呼ぶわけないだろ」
「素直に切られちゃいなさいよ」
「泣いて謝ったら許されるかもよ?」
「……ぶぅふ! 笑いが……」
「きっと、そこを切り抜けられたら……いや斬られとけ」

「お前ら! このヤロっだぁあぶねぇ! お前女騎士も少しは、人の話を聞け!」

「うるさい! 私は相手の話を聞くと騙されるから、あまり聞くなと言われているのだ! 騙されるか!」

「残念すぎるだろ!」

 どんどん苛烈さを増す剣戟を躱しながら、ガストフ支部長をみた。

「何か用か『変態の中の変態キングオブ脳筋』? あと、そろそろ外でお願い出来るか?」

「お前は偽物の上に、『変態』なのか! 神妙に斬られろ!」

「ふざけんな! あんなおっさんの言うこと、信じるな!」

 すると、女騎士はピタっと止まった。

「お! やっと話を聞く気に…」

「失礼ですが、貴方は?」

「俺は、王都ギルド支部長のガストフだ」

 ガストフ支部長が、真面目な顔をしながら答える。

「この者は?」

「『変態の中の変態キングオブ脳筋』だ」

「ギルドの支部長殿が言っておられる事が、間違いなわけ無いだろう! この変態!」

「ふざけるなぁあ! ちょ! マジで!待て! うおわ! そうだ! アシェリ! エディス! セラ!」

 俺が仲間の名前を呼ぶ。

「「「(巻き込まないで)」」」

 三人は口パクで、俺にそう伝える。

「酷くない!?」

「諦めて、私に斬られろ!」

「ふざけんな! ちくしょぉおおお! 『送風ファン』!」

 俺は、送風ファンで風を起こし、ギルドの床の砂埃を巻き上げた。

「な!? 急に風が! うわ! 目に砂が! くそ! はっ! あいつは何処行った!」

「逃げたわね」
「逃げ足早かったですね」
「御武運を」



「くそ! ふざけやがって、覚えてやがれよ!」

 ギルドから逃げて、路地裏で三下の捨て台詞みたいな事を口走ってしまい、激しく落ち込んでいると、さっきの女騎士の大声・・が聞こえてきた。

「何処だぁ! 『変態の中の変態キングオブ脳筋』! 逃げても無駄だぞ! 出てこい!」

「アイツ、大声であんな二つ名を叫びやがって……はぁ、もういいや。アメノ爺さんの所に逃げよ」

 俺は、紹介状を貰うついでに女騎士から匿ってもらうために、神出鬼没隠蔽/隠密/偽装で気配を消しながら、コソコソと城へ向かった。



「ヤナ殿はいつも騒がしくしておるのぉ、ふぉっふぉっふぉ」

「いや、マジで笑えないからな?」

 俺は城へ到着すると、門番にアメノ爺さんを呼んでもらい、一先ず城内の敷地に入れてもらった。

「ほれ、これが儂からの紹介状じゃ。まぁ、一応良くしてくれとは書いておいたのじゃが、何処まで動いてくれるかのぉ」

「その刀工が引退した切っ掛けってのが、一番弟子が亡くなったからだったよな? 病気か何かだったのか?」

「いや、北の霊峰に神鉄を採掘しに行った際に、一握りの神鉄を手に持ちながら瀕死の重傷で戻ってきたそうじゃ」

「神鉄?」

 この世界には、刀を打つのに最も適した鉱物は、最も堅いアダマンタイトでもなく、最も魔力親和性の高いオリハルコンでもなく、最も穢れなき材質である神鉄が適していると言われているのそうだ。

「それが北の霊峰にあるのか?」

「そう言われておった・・・。初代刀工である勇者様が、霊峰で手に入れた神鉄を用いて、神の刀とも称されるような一振りを打ったそうじゃ」

「その神の刀は何処かにあるのか?」

「何処ぞの蔵か、何処ぞの迷宮の奥深くか、はたまた海の底なのか」

「要するにわから無いんだな……まぁ、あるか分からんものを探すより、作ったほうが早そうだ」

 俺がそんな事を言い放つと、アメノ爺さんは呆れたように言葉を返す。

「当時の勇者様でも、一振り分の神鉄しか持って帰ってこれなかったのじゃぞ? それに、そんな素材があったとして、誰がそれを打てるというんじゃ」

「ん? 今の刀工がダメでも、まだ一人弟子が居るかも知れないんだろう?」

「あくまで、いるかも・・じゃぞ? それにのぉ、只でさえ鍛治の世界は厳しい。その上、女子じゃったからのぉ」

「取り敢えず、会ってみてから考えるさ。それに、俺は『勇者』じゃなくて『冒険者』だからな。素材の収集なら、俺の領分さ。神鉄でもオリハルコンでも、収集してみせるさ」

 俺は、笑いながらそう言った。

「まぁ、ヤナ殿なら本当に何とかしそうじゃがな、ふぉっふぉっふぉ。して、それまで、取り敢えずの刀でも必要かの?」

「それなんだがなぁ、迷ったんだが新しい刀を手に入れるまでは『烈風』と『涼風』に獄炎か神火を形状変化デフォルマシオン表面処理コーティングして使う事にした」

 無銘の刀やアメノ爺さんの違う刀を貸してもらっても、もし刀の力が足りてなくて折れるなら勿体無い。

「手に馴染んだものを、使いたい気持ちは分かるがのぉ」

 そして、アメノ爺さんは苦笑しながら外を見ながら、呟く。

「それと、そろそろアレ・・も何とかしてくれんかのぉ。五月蝿くてかなわんのだが?」

 実はさっきから無視していたが、女騎士の俺を探す声が外から聞こえていたのだ。

「あいつどんだけ声デカイんだよ……何とかって言ってもなぁ、俺の言葉なんて、全く聞きゃしないしなぁ。ギルドの奴らは面白がって、誤解を解こうとしてくれないしな」

 俺が、大きな溜息をつくと丁度そこにエイダさんもやって来た。

「あら? ヤナ様、どうなされたんですか?」

「刀工への紹介状を、アメノ爺さんに書いてもらっててな。それを受け取りにきた所だ。エイダさんは、どうしたんだ?」

「私は、面白そうな叫びが聞こえて来るので見に行こうかと、フフフ」

 エイダさんは、俺を・・見ながら嗤っていた。

「絶対止めろ……今より良くなる未来が全く見えない……」

「なら、どうするんですか? アレ、北都ノスティの伯爵の所にいるディアナでしょう?」

「確かそんな名前だったような気がするな。それが、どうかしたのか?」

「あの子の家は代々伯爵家に仕える騎士なのですが、その中でもディアナは、特に騎士の才を持っていると話に聞いております。ただ……」

「ただ?」

「思い込みが激しい事でも、有名です」

 その言葉に、俺は愕然とした。

「俺は一体、どうしたら……」

 俺が苦悩していると、エイダさんが事情を聞いてくる。

「一体何が、あったのですか?」

 俺は、盗賊団を討伐した時の事と、先程のギルドでの出来事を掻い摘んで伝えると、エイダさんは普通に笑っていた。

「笑い事じゃ無いんだがな……」

「ヤナ様の言葉を聞かないのであれば、その漆黒の騎士ジェットブラックとやらで、ディアナの前に出て行って、目の前で形状変化デフォルマシオンを解除したらいいのでは?」

「それだ! そんな簡単な事に、何故気付かなかった俺! 『獄炎のヘルフレイム絶壁ウォール』『形状変化デフォルマシオン』『黒炎のヘルフレイム全身鎧プレートアーマー』! あとは、確か声も変えてたよな『ボイス変換チェンジャー』……こんなものかな」

 俺は盗賊団を討伐した際の格好と、声を思い出しながら再現した。

「よし! 行ってくる! 二人ともありがとな!」

 俺は城門から飛び出し、今も大声で我輩・・を呼ぶ方へと駆け出した。

「エイダ、お主……上手く・・・いくと思っておらんだろ?」

「勿論、上手く・・・いくと思ってますよ?」

 エイダが嗤っていた事を、俺はその時は知る由もなかった。



「くそ! あの変態の偽物め! 逃げ足だけは早いな! 何処へ行ったのだ!」

 私は、街中をあの変態を呼び掛けながら走り回ったが、見つけることが出来なかった。そして、彼奴は冒険者だった筈なのだから、ギルドへ戻ってくると予想し一旦、ギルドで待ち伏せする事にした。

「……はぁ……偽物ばかりで、本物のジェット様は何処におられるのか? 早く私との約束を、果たして頂きたいのに……」

 私が落胆していると、何処からともなく足音が聞こえてきた。


 "カツーン"



 "カツーン"




 "カツーン"



 私が、足音が聞こえてくる方向を見ると、私は心臓の鼓動が早くなるのを感じた。

「ジェット様!」

「久しぶりだな。ディアナよ、また会ったな」

「名前を覚えてくださっていたのですか! それに、やっと逢いに来てくれたのですね!」

「え? あぁ、会いに来たぞ。今日は話があってだな。良く聞いてほし……」

 私はやっと逢いに来てくれたジェット様に、早くお伝えしなければならないと、意気込んでいた。

 私とジェット様周りには、人集りが出来ていたが、全く気にならなかった。むしろ、この想いを皆に知ってほしいくらいだった。

「ジェット様!……私は、あの時貴方に救われたというのに、貴方に思わず襲いかかってしまいました。そして、私は見事に返り討ちにあった」

「そうだったな、そして実は我輩の正体は……」

「そうです! そして、打ちのめされた私を、それでも貴方は美しいとおしゃってくれました」

「聞こうよ、俺の話……あぁ、うん、言った気がするな?」

「その時、私は初めてとも言える感情を貴方に抱いたのです……貴方に、死を覚悟する程に蹂躙・・された後、貴方に美しいと言われた私は……初めてを奪われたのです!」

「変な省略するなぁああああ!?」

「うわぁ……」
「なにやってるんですか……」
「擁護のしようがないです……」

 私の後ろに立っていた三人が、何やら呟いているが私にはよく聞こえなかった。

「アイツって、アイツだよな?」
「おそらくな。だが顔が見えないからな、もしかしたら違うかもしれんが」
「俺なら、これだけの人前で女にあそこまで言われたら、顔なんて晒したくないけどな」
「ちげぇねぇな、ハッハッハ」

 私は周囲の声を聞いて、閃いた。

「そうです! お顔をお見せください! アノ時も、最後まで・・・・お顔をお見せにならなかった!」

「だから、言い方ぁあ! なんでこんな事に……こうなったら……ディアナよ! 我輩には敵が多い! 衆目に、顔を晒すわけにはいかぬのだ! それは当然……お前にもだ」

 私は、その言葉に愕然としてしまった。

「何故ですか!」

「それは……お前を守るためだ。我輩の素顔を見てしまったら、お前にまで危害が及ぶだろう。そんな事は、許されぬ」

 私は、苦悩するような声で話す彼の言葉に、思わず叫んでいた。

「あれから私は強くなりました! 貴方が、また逢いに来てくれることを信じて! 私は貴方の力になれる!」

「くっ……真っ直ぐな心が眩しい……我輩を助けるだと? それであればせめて我輩に、一太刀浴びせられるくらいになったら考えてやろう」

「なら! 今すぐにでも! いざ!」

「待て待て! 刀が……えっと、我輩は今すぐにこの街から離れなければならんのだ! もし、お前と我輩に見えない糸があるのであれば、また会えるだろう! その時にこそ、力を示してみよ! 然らばだ!『送風ファン』」

「待ってくださっげほっげほ! 急に砂埃が! ジェット様ぁああ! 必ず貴方に繋がる糸を、全力で手繰り寄せてみせますから!」

「やっぱり、逃げたわね」
「流石、逃げ足早かったですね」
「もう、詰んでいる気がしますが……」



 こうして、私は胸に希望を抱きながら、王都への援軍の任務を終え、北都ノスティへと帰路に着いたのだ。

「ジェット様……」

 私の想いが、彼に届くことを信じて、今は前を向いて歩き続けた。
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