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第87話 沈まぬ者
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『誰かの戦いを止めようとするとき、当然止める側も覚悟を決めないといけないことは、分かっているね?』
「我が覚悟を決める前に、貴様が放り出しただろうカァアァン!?」
カンは、二人から同時に痛恨の一撃をその身に受けたが、まさにチート的な変態能力である〝常時発動M型〟の効果により体力が戻っていた。
「こいつは……ドMカン?」
「おぉ! 我に気付いたのか、かっちゃん! 魔王のMではないぞ! 潰されると喜ぶ系のMの方カァアァン!」
「……自分で、それ言っちゃうんだね……」
「蜜柑! 離れるでないカァアァン! これは、要らぬ争いを避けるために、こう言うしかなかったのカァアァン!?」
「……」
「葉桜ぁああ! 見なかった事にするなぁああ! 何か言うのが、むしろここでは優しさであろうカァアァン!? 無言が一番惨いと、知っての事カァアァン!」
三人は、喋る空き缶の突然のカミングアウトにより、完全にドン引きしていた。
そしてそれは、黒女神に精神侵食されていた葉桜さえも、ドン引きする程だった。
よっぽど空き缶がMだと言うのは、精神攻撃になったのだろう。
葉桜のその様子に、かっちゃんが気付くと、カンに大声で指示を飛ばす。
「葉桜の心が揺れている? ドMカン! 葉桜の心を、もっと揺さぶれ!」
「何か釈然としないのだカァン?」
「ドMカンちゃん! 何でここにいるかは、敢えて聞かないから、葉桜君をお願い!」
「蜜柑でさえも、ドMを我につけてしまうのカァン……しかし、揺さぶれて言われてものぉ。一体、何をすれば良いのカァン?」
特に狙って葉桜に精神攻撃を与えた認識がないカンには、かっちゃんと蜜柑の言葉に対する行動が取れないでいた。
「ドMカンの変態発言で、葉桜がドン引きした事で心が揺さぶられたんだ! そっち路線で攻めてみてくれ!」
「どんどんシリアスが遠のくが、本当に良いのカァン?」
かなり場の雰囲気を気にするカンに対して、かっちゃんも蜜柑も力強く頷いた。
『まぁ、カン以外の三人にとっては、この場のシリアスが逃げたとしても、この危機的状況を脱する方が優先だよね』
「かっちゃん達が良いと言うのであれば……ならば、仕方あるまいカァン。葉桜よ、我を見るのカァン」
「……」
カンの問いかけに、葉桜は目線だけを向けた。
「見たな? それでは……我を踏むのカァアァン! 力の限りぃいいい! めきべこっと音がするまでカンモォオオオオン!」
「「うわぁあ……」」
『気持ち悪……』
「……」
「さぁ! 遠慮せずに! 我が、お前を全身で受け止めてやろぉおおではないカァアァン!」
「…………ひぃ!?」
カンの執拗な変態的な言動に、葉桜は僅かに恐怖の声を漏らした。
「葉桜の顔が、完全にガチ引きしているぞ! 今だ! 〝峰打極限超次元斬〟!」
そして、かっちゃんの放った剣尖が葉桜を捉えたのだった。
「……そんなに嫌がることカァン?」
若干の憂いを帯びたカンの呟きが、誰にも聞かれる事なく消えていくのであった。
カンの気持ち悪い叫び声に葉桜がガチ引きした瞬間に、かっちゃんは召喚国の王より直々に伝授された〝奥義〟〝次元斬〟を更に昇華した〝極限超次元斬〟を放った。
そしてそれは、葉桜を必要以上に傷つけないように、峰打で放たれており、葉桜はダメージを負ったものの無事であった。
「う……阿木君……すまない……僕は……」
「何も言うな。元の世界に帰ったら、殴り合いでも何でもしてやる。取り敢えず、今はクソッタレな駄女神をぶった切ろうぜ」
「……我を目の前にして、全力でスルーするでないカァン。今の結果の大部分の功績は、我と言って過言ではないのカァン」
「ドMな空き缶の叫び声で葉桜君に隙が出来たお陰で、かっちゃんの技が決まったとか、正直黒歴史として改竄したいところだよねぇ」
「蜜柑……少し見ない間に辛辣さに磨きがかかったカァアン」
カンのメンタルに、蜜柑がダメージを与えている時、全員の頭に直接響いてくるかの様に、強制的に声が聞こえていた。
〝あら、正気に戻っちゃったの。つまんないわねぇ、もっとドロドロな感じが見たかったのにぃ〟
「おぬしは……まさカァン」
声が聞こえてくる方向には、玉座に優雅に腰掛け黒いドレスを着た上に、禍々しいオーラを纏った美女が座っていた。
「黒女神カァン!」
"誰の名前が黒女神カァンよ!? 喧嘩売ってんの!"
「え? カァンはおぬしの名前と言う意味で叫んだわけではなくてだな」
〝私は、女神クローズよ!〟
「黒が名前なのは、ひねりがないカァン。カァンとクローズ、似ているといえば似ていると言う事で、結果オーライではないカァン」
〝何処が近い名前なのよ! もういいわ……誰がこの場に送り込んできたか、知らないけど。流石に喋る空き缶じゃ、この場にいるには雑魚すぎよ。そして、他の三人もね!〟
女神クローズが腕を天へと掲げると、カン達がいる地面に異変が起きた。
「なんだ!? 足元が!?」
「かっちゃん! 床が沼みたいになってる!」
「しまった! 僕としたことが!」
〝ふふふ、さっさと沈んでしまうことね! アッハッハッハッハッハ?〟
女神クローズは、何かに気付き高笑いを止めた。
そして、視線に先にはアイツがいたのだった。
「おいおい、我を忘れてもらっては困るカァン。この、ちょっと浮くことの出来る空き缶をカァアァン!」
ただ一本の空き缶が、女神の術から逃れ、そして堂々と存在をそこに示すように叫ぶのであった。
「我が覚悟を決める前に、貴様が放り出しただろうカァアァン!?」
カンは、二人から同時に痛恨の一撃をその身に受けたが、まさにチート的な変態能力である〝常時発動M型〟の効果により体力が戻っていた。
「こいつは……ドMカン?」
「おぉ! 我に気付いたのか、かっちゃん! 魔王のMではないぞ! 潰されると喜ぶ系のMの方カァアァン!」
「……自分で、それ言っちゃうんだね……」
「蜜柑! 離れるでないカァアァン! これは、要らぬ争いを避けるために、こう言うしかなかったのカァアァン!?」
「……」
「葉桜ぁああ! 見なかった事にするなぁああ! 何か言うのが、むしろここでは優しさであろうカァアァン!? 無言が一番惨いと、知っての事カァアァン!」
三人は、喋る空き缶の突然のカミングアウトにより、完全にドン引きしていた。
そしてそれは、黒女神に精神侵食されていた葉桜さえも、ドン引きする程だった。
よっぽど空き缶がMだと言うのは、精神攻撃になったのだろう。
葉桜のその様子に、かっちゃんが気付くと、カンに大声で指示を飛ばす。
「葉桜の心が揺れている? ドMカン! 葉桜の心を、もっと揺さぶれ!」
「何か釈然としないのだカァン?」
「ドMカンちゃん! 何でここにいるかは、敢えて聞かないから、葉桜君をお願い!」
「蜜柑でさえも、ドMを我につけてしまうのカァン……しかし、揺さぶれて言われてものぉ。一体、何をすれば良いのカァン?」
特に狙って葉桜に精神攻撃を与えた認識がないカンには、かっちゃんと蜜柑の言葉に対する行動が取れないでいた。
「ドMカンの変態発言で、葉桜がドン引きした事で心が揺さぶられたんだ! そっち路線で攻めてみてくれ!」
「どんどんシリアスが遠のくが、本当に良いのカァン?」
かなり場の雰囲気を気にするカンに対して、かっちゃんも蜜柑も力強く頷いた。
『まぁ、カン以外の三人にとっては、この場のシリアスが逃げたとしても、この危機的状況を脱する方が優先だよね』
「かっちゃん達が良いと言うのであれば……ならば、仕方あるまいカァン。葉桜よ、我を見るのカァン」
「……」
カンの問いかけに、葉桜は目線だけを向けた。
「見たな? それでは……我を踏むのカァアァン! 力の限りぃいいい! めきべこっと音がするまでカンモォオオオオン!」
「「うわぁあ……」」
『気持ち悪……』
「……」
「さぁ! 遠慮せずに! 我が、お前を全身で受け止めてやろぉおおではないカァアァン!」
「…………ひぃ!?」
カンの執拗な変態的な言動に、葉桜は僅かに恐怖の声を漏らした。
「葉桜の顔が、完全にガチ引きしているぞ! 今だ! 〝峰打極限超次元斬〟!」
そして、かっちゃんの放った剣尖が葉桜を捉えたのだった。
「……そんなに嫌がることカァン?」
若干の憂いを帯びたカンの呟きが、誰にも聞かれる事なく消えていくのであった。
カンの気持ち悪い叫び声に葉桜がガチ引きした瞬間に、かっちゃんは召喚国の王より直々に伝授された〝奥義〟〝次元斬〟を更に昇華した〝極限超次元斬〟を放った。
そしてそれは、葉桜を必要以上に傷つけないように、峰打で放たれており、葉桜はダメージを負ったものの無事であった。
「う……阿木君……すまない……僕は……」
「何も言うな。元の世界に帰ったら、殴り合いでも何でもしてやる。取り敢えず、今はクソッタレな駄女神をぶった切ろうぜ」
「……我を目の前にして、全力でスルーするでないカァン。今の結果の大部分の功績は、我と言って過言ではないのカァン」
「ドMな空き缶の叫び声で葉桜君に隙が出来たお陰で、かっちゃんの技が決まったとか、正直黒歴史として改竄したいところだよねぇ」
「蜜柑……少し見ない間に辛辣さに磨きがかかったカァアン」
カンのメンタルに、蜜柑がダメージを与えている時、全員の頭に直接響いてくるかの様に、強制的に声が聞こえていた。
〝あら、正気に戻っちゃったの。つまんないわねぇ、もっとドロドロな感じが見たかったのにぃ〟
「おぬしは……まさカァン」
声が聞こえてくる方向には、玉座に優雅に腰掛け黒いドレスを着た上に、禍々しいオーラを纏った美女が座っていた。
「黒女神カァン!」
"誰の名前が黒女神カァンよ!? 喧嘩売ってんの!"
「え? カァンはおぬしの名前と言う意味で叫んだわけではなくてだな」
〝私は、女神クローズよ!〟
「黒が名前なのは、ひねりがないカァン。カァンとクローズ、似ているといえば似ていると言う事で、結果オーライではないカァン」
〝何処が近い名前なのよ! もういいわ……誰がこの場に送り込んできたか、知らないけど。流石に喋る空き缶じゃ、この場にいるには雑魚すぎよ。そして、他の三人もね!〟
女神クローズが腕を天へと掲げると、カン達がいる地面に異変が起きた。
「なんだ!? 足元が!?」
「かっちゃん! 床が沼みたいになってる!」
「しまった! 僕としたことが!」
〝ふふふ、さっさと沈んでしまうことね! アッハッハッハッハッハ?〟
女神クローズは、何かに気付き高笑いを止めた。
そして、視線に先にはアイツがいたのだった。
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私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
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