ダークな乙女ゲーム世界で命を狙われてます

夢月 なぞる

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2章 帰郷(ダイジェスト版)

状況把握と回想~吸血

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 ……君か。
 え? 何してんのかって? 雨に打たれてるんだよ。
 水も滴るいい男って、ね。

 ……はあ。ごめん。今日は話をする気分じゃないんだ。
 また、後日って……、え、なになに??
 ついてこいって?
 ええ、ちょ。そんな強引な……

 て、ここ? 君の家?
 君、確か一人暮らしだよね。
 その家に男連れ込んだってわけ?
 うわあ、ちょ、それって……君。

 え? 変な事をしようとしたら叩き出すって?
 そういえば、君って確か何かの武道の段持ちだったっけ。
 心します。

 え? 冷めるからコーヒーをさっさと飲めって。
 ありがとう。
 ……ずずぅ。

 はあ、暖かい。
 ……ねえ、なんか見られてると落ち着かないんだけど?
 なんか話してほしいと思ってる?
 え、前の続き? ……聞きたいのってそれなんだ。
 君って変なやつだねえ。こういう時って、なんで雨に打たれてたって聞いてこない?
 え? そんなことに興味ない? 酷いなあ。

 ……ん、まあ、そうだねえ。
 どこまで話したっけ。
 ああ、そうだ。確か、紅原が気を失ったところまでだったっけ?

 でも、そうだなあ。
 アレの続きになるけど、あれとは違う話をしようか。

 紅原と遭遇した翌日、環は藤崎堂を後にするんだ。
 紅原が来たことで、もしかしたらゲームの世界に藤崎家を巻き込むかもっていう懸念を抱いたから。
 学園の事情に藤崎堂を巻き込めないって、一刻も早く学園に帰ろうとする。
 その途中で、何故か聖さんと黄土兄弟と遭遇するんだ。
 なぜ、出会ったのかは具体的に聞かないほうがいいよ。

「それにしても、環ちゃん。外で出会うなんて奇遇だね~。運命みたい」
「お友達の和菓子屋さんにいるんじゃ…」

 て、聖さんの言葉。ちなみに環は帰郷先のことも香織のことも聖さんに話していない。
 ……それで環の気持ちは察してほしい。

 とにかく、聖さんと黄土兄弟に出会って、遊びに誘われる環だ。
 もちろん、拒否したよ。
 ゲームの登場人物と関わりたくないのはあったけど、何より明らかにデートに巻き込まれたくないからね。他人のデートに付き合わされるとかないでしょ?
 でも、結局学園の理事長を叔父に持つ双子の脅しに屈して、彼らに付き合うことになる。

 彼らの乗ってきた車で目的地まで移動するんだけど、その車というのがあれだよ。
 あの、外見長くて、内装が部屋みたいな高級車。
 その中で繰り広げられる聖さんに対する双子による接待、もといいやいちゃに環はげんなり見ることしかできない。
 せめて視線を外に向ければ、スモークガラスにはカーテンが引かれていて、外が見えない。
 どこに連れて行かれるのか不安になって、双子にきこうとするけどそこで異変に気付く。
 双子と聖さんが倒れていたんだ。
 寝ているだけのようだけど、非常事態に環は助けをよぼうとした。
 それに、双子の携帯電話を使おうとしたけど、誰に助けをもとめるか迷っている内に車が止まり、聖さんたちを眠らせたと思わしき、二人組の男女に車から引きずり降ろされ、そのまま首筋を殴られ昏倒させられてしまう。

 その後、環は気づけば牢獄にいた。
 現代日本に牢屋があるは驚きだけど、どこにだって、好事家って存在するからね。
 牢屋って言うからにはきちんと鉄格子がはまっていて、鍵もかけられていた。
 しかし、鍵は一番簡単な方式の南京錠。
 環には一つ特技があってね。
 それが、簡易な鍵を外せてしまうって特技。
 珍しく、主人公みたいな技術だけど、それを使って環は外に出た。

 環は自分の力を知っていたから、自分一人で聖さんたちを助け出そうとなんて考えなかった。
 助けを呼ぼうと、外に向かう途中で、話し声の聞こえる部屋を見つけたんだ。
 そこでは犯人一味が言い争いをしていた。

 ところでさ、君は疑問に思わない?
 あのゲームの吸血鬼は迫害を恐れて、対外的にはその存在を秘密にしてる。
 でもそれに反して吸血鬼ハンターって存在してるだろ?
 じゃあ、彼らは吸血鬼を知ってて、吸血鬼を狩っているのかと言えば、答えはノーだ。

 実はハンター協会って裏で吸血鬼が運営している組織だ。
 彼らが狩らされているのは本物ではなく、吸血鬼の血を浴びて、廃人と化し血を求める化け物と化した人間の成れの果てだ。

 吸血鬼の血は人間には猛毒だ。それに少しでも触れると、人間は気が触れて廃人になる。
 それだけじゃなくて、血を求めて彷徨うゾンビみたいになっちゃう。
 何かの事故や事件で彼らの血に触れる人間は誰にも救えない。
 だから、殺してあげるのが一番なんだ。
 それを知らずに吸血鬼だって狩らされているのがハンター何だ。

 で、何が言いたいかと言えば、あくまでも吸血鬼の存在を知っている人間は限りなく少ないはずなんだけど、どうにも犯人は双子が吸血鬼であることを知っている様子だったってこと。
 そして、これは単なる身代金目的の誘拐ではなく、どうやら彼らの血を売買するための人さらいだってことに環は悟るんだ。
 吸血鬼の血は猛毒だけど、手順を踏んで扱えば不老長寿の妙薬になるって言われてるんだ。

 それに気付いた環は急いで助けを求めて、犯人の隠れ家を飛び出した。
 でも外は土砂降りの雨で、更には犯人の隠れ家らしき館は山奥にあった。
 環は思いっきり道に迷ってね。雨に打たれながら、環は自らの力不足を嘆くんだ。
 助けを呼ぶことも山を一人で降りることもできない自分が不甲斐なくてね。

 思わず泣き叫ぶ環。……ちょっと、気持ちはわかる気がするね。
 環は普通の女の子で、本当になんの力もない。
 無力でなんの能力もない。

 でも、それってだれでもそうなんじゃないかって思うんだ。
 自分の力の及ぶ範疇を超えた時って、本当に心が折れそうになるから。

 え? さっきに僕みたい、だって? 
 ……うん、そうだね。全く、そう。
 僕には君が現れたみたいに、彼女にも救いの手が現れた。
 まあ、真実救いになったかは疑問だけどね。

 木々の間から現れたのは、何故か蒼矢会長だった。
 でもね。彼もきっちりお約束をかます。
 雨に濡れた環は泥だらけで、前回出会った時のように青白い顔をしていた。
 それを見た彼は間抜けにもまた、環を幽霊だと見誤って気絶した。
 だが、環も今度は逃げている場合ではないと、蒼矢会長をたたき起こして懇願した。

 蒼矢の力ならきっと聖さんと双子を犯人から救い出せると思ったから。
 環は前回会った時に、蒼矢が言ったなんでも願いを叶えると言った言葉を持ちだして、願い事を言った。
 最初、願いを聞けと言った環に蒼矢はなぜか、つまらなさそうな反応を示したけど、願い事の内容を口にすると、今度は打って変わって、真剣な表情で環の話を聞いてくれた。
 それに安堵した環は蒼矢を伴い、犯人と聖さんたちのいるだろう館へと案内した。

 まず、向かったのは最後に彼らを見た部屋だった。
 しかし、時間が経っていたので、誰も居ない。
 もしかして、手遅れで、すでに三人は売られてしまったのかと環は真っ青になる。

 ところで、この時の環の状態なんだけど。
 実はもともと彼女、風邪気味だったんだよね。
 ほら、蒼矢会長との初対面の時に水をかけられていたでしょ?
 アレの後遺症というか、そんなもの。
 それが今回の雨に濡れたりしたせいで、悪化してたんだ。
 正直この時は歩いているのがやっとの状態。
 体調が悪いと人間って不思議と気が弱るよね。
 だから思わず、環は感情の抑制が聞かずに泣きだしてしまった。
 突然泣き出す、環に驚いた蒼矢会長は慰めるつもりか、抱きしめてきた。
 風邪のせいで振り払う気力もない環はそのまま彼の胸の中で泣いてしまった。
 慰めの言葉に環が不安がっている、聖と双子らしき気配を感じる場所について蒼矢が告げると、環は怒って、そこでようやく涙が引っ込んだ。

 蒼矢の案内で、環が向かったのが、建物に隣接したホールのような建物。
 もともと犯人の隠れ家は山間のホテルを改装した場所だった。
 なんで、そんな場所に牢屋があったのか疑問かもしれないけど、つっこまないで。
 建物についての言われもあるけど、物語には関係ないからね。

 ホールに入った環たちは双子と聖を探し、三人を見つけることができた。
 ホールではない小さな小部屋に押し込まれるように倒れている三人に駆け寄ると、蒼矢の呼びかけに、翔瑠がうっすらと目を開いた。
 無事な様子にホッとしたのも束の間、大きな音と共に小さな電流のようなものが体を走り抜ける。
 音の割には衝撃は少なく環はなんともなかったが、周囲の人々は違った。
 皆気を失って倒れており、蒼矢はくもんの表情を浮かべていた。

 いったい何が起きたのかと、混乱する環の前に誘拐犯二人組が現れる。
 誘拐犯の男のほう、バレットと呼ばれたほうが言うにはどうやら吸血鬼ハンターの使用する罠が使われたようだった。
 人間には効力のないそれだが、吸血鬼は完全に動けなくなる。
 会長に復活してもらえないかとすがったが、彼は呻くばかり。
 絶望的な状況に焦る環の横にもう一人の犯人、ブルーローズと呼ばれている女が近づいてきた。
 その女は吸血鬼に恨みがあるようで、蒼矢会長の頭を蹴飛ばし、詰ってくる。
 絶体絶命の状況だが、あくまでも暴力とは無縁だった環には何もできない。
 そんな時に脳裏にゲームの知識が浮かぶ。状況を打開するにはそれしかない、と思い、油断しているブルーローズを突き飛ばし、眠る聖さんから彼女のロザリオを引きちぎって、呪文を唱えた。
 環が唱えたのは、あらゆる力を打ち消すと言われる光を生み出すものだよ。
 これに寄って、吸血鬼たちを苦しめる罠を解除しようとしたんだ 。

 え?知ってるって? ああ、これゲーム本編でも使われたネタだもんね。
 でも、あの厨二病全開の呪文を唱えたのかだって? そりゃそうだよ。
 まあ、恥ずかしがっている場合でもないしね。

 とにかく、呪文は成功したけど、だからといっておそらく人間である犯人たちを止める力はない。
 環が突き飛ばしたことに腹を立てたブルーローズが、特殊警棒で環を殴りつける。
 今度こそ殺されるかと思っていたら、そこでようやく蒼矢が復活して、犯人たちを圧倒、無効化した。

 そこで終わっていれば、めでたしめでたしで終われたんだけどね。
 実はこの時の蒼矢は吸血鬼の巨大な力に飲まれて、暴走していたんだ。
 そんな彼が暴れたら、敵味方なく死んでしまう。
 慌てて止めようとするが、蒼矢は環の話を聞かない。それどころか<古き日の花嫁>の血を嗅ぎつけて聖に迫ろうとする。
<古き日の花嫁>の血は吸血鬼に力を与えてくれるというのは君も知ってるだろ。
 でもそれを理性のない、暴走時に飲んだらどうなるか……。

 環は何がなんでも止めようと蒼矢の前に立ちふさがる。
 決死の覚悟の通せんぼはなんとか功を奏して、蒼矢会長は止まるんだけど、その際に聖の代わりに環が会長の餌食になってしまう。

 肉食獣に襲われた哀れな獲物の状況だよね。
 喉笛に食いつかれるような錯覚に環が動けずにいたら、血を得たことで満足できたのか、蒼矢会長はその場で気を失って倒れた。
 それに安堵するも、環も満身創痍だ。
 一緒にひっくり返って、そのまま意識を飛ばそうとした。

 しかし、ここで思わぬ声を聞くんだ。
 え? 攻略対象の誰かが助けに来たのかって?
 違うよ。味方という点では同じなのかもしれないけど。
 環に声をかけてきたのは黒いフードの男で便宜上の名前を『神様』とした。
 自称神様は環にこの場から逃げるよう、告げた。
 胡散臭い神様のことばに、渋る環だけど、このままでいたら多分吸血鬼の事情に巻き込まれる。
 苦渋の選択を迫られた、環が出した答えは……。

 ……て、あ、ちょっと電話だ。待ってね……はい、うん。分かりました。
 ごめんね。ちょっと実家から呼び出し。
 続きはまたこんどね。
 え? また良い所でって? ごめんごめん。
 お詫びに次は原稿持ってくるから。

 あっと、そういえばなんかごめんね。
 タオルとか汚しちゃって。しかも、服まで……。
 ちゃんとクリーニングして返すから。
 ……ところで、君って一人暮らしだよね。なんで君の部屋に男物が……

 え? お兄さんの忘れ物?
 ……そうか、お兄さんのなんだね。安心した。
 え?何がって?‥…うーん、秘密。

 じゃあ、本当に今日は有難う。
 なんか君と話ができて気が紛れたよ。

 ……うん、分かった。もう雨に打たれるようなことはしないよ。
 心配してくれるの? うれしいなあ。
 そんなんじゃないって? いや、照れない照れないって……灰皿はやめてね。死ぬから。

 とにかく行くよ。
 それじゃあ、また明日ね。ばいばい。
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