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間章 眩る蜉蝣
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朽葉の薄黄色の襦袢が俺の体に巻き付く。
「大丈夫だからね…紫蘭ちゃん…」
ぽたりと背中に感じる汗。
朽葉は普段あまり汗をかかないのに。
ぽたり、ぽたり
それはどんどん増えていく。
──朽葉も興奮してるんだ、俺に
そう思い至った途端、自分自身の箍が外れるのを感じた。
「くちはっ…」
もっと気持ちよくして
「あっ…ねえっ…もう…」
早く気持ちよくなりたい
「まーだ」
朽葉の甘ったるい声までが、俺の背筋を泡立たせる。
「もっと…朽葉…ぁ」
指が中に入ってくる。
俺自身を扱く指はまだ緩慢と動いている。
もどかしい
もっと、欲しい
朽葉が欲しい
早く、吐き出させて
「嫌っ…ねえ…朽葉っ…早くっ…」
「だめだってば…」
すでにこうなることを予測してか、ローションが滴るほど朽葉の指に纏わりついてる。
徐々に卑猥な音が大きくなる。
体が極限まで熱くなって、汗が吹き出してくる。
内側が、来て欲しくてひくつく。
朽葉の温かい唇が、背中にキスを落としていく。
「かわいい…紫蘭ちゃん…」
早く、ねえ
早く
「も、いいっ…ねえっ…くちはのおっきいのちょうだいっ…」
後ろを拡張していた指が止まった。
「ふふ…いい子…ちゃんと、僕だってわかってるんだね…」
ちゅっと音を立てて襦袢のはだけた肩にキスすると、急に朽葉のぬくもりが離れていく。
「くち…は?」
寂しくて手を伸ばすと、くるりと体が仰向けにされた。
紫の天井と、真正面に朽葉の綺麗な顔が見えた。
微笑んで俺を見下ろしてる。
「ちゃんと自分でお尻広げて見せて?そしたら僕の入れてあげる」
汗がまたぽたりと落ちてきた。
でもそれは
涙……?
「くちは…?」
「なあに?」
「泣いてるの?」
「うん」
「どうして」
なんで?
嫌なの?
俺だから?
湊じゃないから?
「嬉しいの」
「え…?」
「だって、紫蘭ちゃん。僕だってちゃんとわかってくれる」
「…なに…?」
「湊のことだって怖がってるのに、僕のことは大丈夫でしょ?」
「…うん…」
わかって、たんだ
たまに漂ってくる、湊の男臭い匂い
それがちょっと怖かったの、朽葉はわかってたんだ
「だから、嬉しいの」
ぽろぽろ、ぽろぽろ
朽葉の涙は止まらない
「怖かったねえ…紫蘭ちゃん」
「…くちは…」
「でももう、大丈夫だよ」
「朽葉ぁ…」
「ねえ、紫蘭ちゃん」
ゆっくりと、朽葉が俺のなかに入ってきた。
「っ…くちはっ…」
めりめりと、壁を破るように登ってくる。
同時に、極限まで高まる予感。
もうすぐそこまで来てる。
「あー…気持ちいい…」
「朽葉ぁ…」
「もう久しぶりだから、すぐ出ちゃう…紫蘭ちゃん、気持ちいいんだもん」
「やだぁっ…もっと、欲しいっ…」
「ふふ…わかってるよ…」
雨みたいに、朽葉から汗が飛んでくる。
今度は涙じゃない。
朽葉の気持ちいい、汗
「紫蘭ちゃん…ねえ、僕と…」
「ああっ…」
「僕とさ…」
ずぶりと奥深くまで朽葉が突き刺さると、目の前に火花が散ったかのような快感が突き抜けていく。
だから、あの時
朽葉がなんて言ったか
俺には聞こえなかったんだ
もっと、揺さぶって
もっと、奥に入って
「朽葉っ…いいっ…」
「紫蘭ちゃん…も、だめかも…」
「い…い、出して…俺も、もう」
「んんっ…あ、だめ出ちゃう…」
「も、だめえっ…」
まぶたの裏に、笑う朽葉の残像が残った──
「大丈夫だからね…紫蘭ちゃん…」
ぽたりと背中に感じる汗。
朽葉は普段あまり汗をかかないのに。
ぽたり、ぽたり
それはどんどん増えていく。
──朽葉も興奮してるんだ、俺に
そう思い至った途端、自分自身の箍が外れるのを感じた。
「くちはっ…」
もっと気持ちよくして
「あっ…ねえっ…もう…」
早く気持ちよくなりたい
「まーだ」
朽葉の甘ったるい声までが、俺の背筋を泡立たせる。
「もっと…朽葉…ぁ」
指が中に入ってくる。
俺自身を扱く指はまだ緩慢と動いている。
もどかしい
もっと、欲しい
朽葉が欲しい
早く、吐き出させて
「嫌っ…ねえ…朽葉っ…早くっ…」
「だめだってば…」
すでにこうなることを予測してか、ローションが滴るほど朽葉の指に纏わりついてる。
徐々に卑猥な音が大きくなる。
体が極限まで熱くなって、汗が吹き出してくる。
内側が、来て欲しくてひくつく。
朽葉の温かい唇が、背中にキスを落としていく。
「かわいい…紫蘭ちゃん…」
早く、ねえ
早く
「も、いいっ…ねえっ…くちはのおっきいのちょうだいっ…」
後ろを拡張していた指が止まった。
「ふふ…いい子…ちゃんと、僕だってわかってるんだね…」
ちゅっと音を立てて襦袢のはだけた肩にキスすると、急に朽葉のぬくもりが離れていく。
「くち…は?」
寂しくて手を伸ばすと、くるりと体が仰向けにされた。
紫の天井と、真正面に朽葉の綺麗な顔が見えた。
微笑んで俺を見下ろしてる。
「ちゃんと自分でお尻広げて見せて?そしたら僕の入れてあげる」
汗がまたぽたりと落ちてきた。
でもそれは
涙……?
「くちは…?」
「なあに?」
「泣いてるの?」
「うん」
「どうして」
なんで?
嫌なの?
俺だから?
湊じゃないから?
「嬉しいの」
「え…?」
「だって、紫蘭ちゃん。僕だってちゃんとわかってくれる」
「…なに…?」
「湊のことだって怖がってるのに、僕のことは大丈夫でしょ?」
「…うん…」
わかって、たんだ
たまに漂ってくる、湊の男臭い匂い
それがちょっと怖かったの、朽葉はわかってたんだ
「だから、嬉しいの」
ぽろぽろ、ぽろぽろ
朽葉の涙は止まらない
「怖かったねえ…紫蘭ちゃん」
「…くちは…」
「でももう、大丈夫だよ」
「朽葉ぁ…」
「ねえ、紫蘭ちゃん」
ゆっくりと、朽葉が俺のなかに入ってきた。
「っ…くちはっ…」
めりめりと、壁を破るように登ってくる。
同時に、極限まで高まる予感。
もうすぐそこまで来てる。
「あー…気持ちいい…」
「朽葉ぁ…」
「もう久しぶりだから、すぐ出ちゃう…紫蘭ちゃん、気持ちいいんだもん」
「やだぁっ…もっと、欲しいっ…」
「ふふ…わかってるよ…」
雨みたいに、朽葉から汗が飛んでくる。
今度は涙じゃない。
朽葉の気持ちいい、汗
「紫蘭ちゃん…ねえ、僕と…」
「ああっ…」
「僕とさ…」
ずぶりと奥深くまで朽葉が突き刺さると、目の前に火花が散ったかのような快感が突き抜けていく。
だから、あの時
朽葉がなんて言ったか
俺には聞こえなかったんだ
もっと、揺さぶって
もっと、奥に入って
「朽葉っ…いいっ…」
「紫蘭ちゃん…も、だめかも…」
「い…い、出して…俺も、もう」
「んんっ…あ、だめ出ちゃう…」
「も、だめえっ…」
まぶたの裏に、笑う朽葉の残像が残った──
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