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第一章 地球淫界化計画を阻止せよ!
雷の聖使、燦燦たる初陣!?⑥
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淫魔将軍の“唯一無二の忠臣”である使い魔は、彼がそこから屋根に出た二階の窓に巨大なヤモリのように張り付いており、不気味な黄緑色にギロギロと両眼を光らせるその形状はメガネザルに酷似しているが、このストリキンには体毛が一本もなく、ぬめぬめと光る黒斑模様を全身に散らした灰色の体色はそのまま地肌らしかった。
全長は1メートル余り、体重は20キロ前後と推測される小怪物はひっきりなしに呼吸音とも鳴き声ともとれる金属的な不快音を発しており、そのボリュームが更に上がればこれも一種の立派な武器といえたが、今この時、雷の聖使が直面している脅威は首を絞め上げてくる尻尾であったのである。
両者の距離が二メートル以上は離れていることから、その異様なまでの長さはむしろ、こちらの方が使い魔の本体なのではないかと疑わせるに十分であった。
「ストリキンよ、分かっているとは思うが雷撃には十分注意しろよッ!」
未だ視力の回復どころか激痛からも回復せぬ両眼を抑えたままの主が軒下から警告するが、それに応えるかのように一瞬にして敵から尾を外した魔物はあたかも暗闇でムチを振るうSMの女王のごとくそれを翻すと、次なるアクションに移行しかねて立ち竦む美戦士の背中を強かに打ち据えた!
「──あうッ…ああッ!」
幸いにも《装甲モード》を維持していたため痛みは皆無であったが、この短躯にいかなる剛力を秘めているものか衝撃自体は凄まじく、雷の聖使の躰は白い放物線を描いて地上で待ち構える?ベルバスの頭上目がけて落下する!
「──おお、分かるッ!
たとえ目は見えずとも、この忘れ難き魅惑の香りで貴女が私の腕の中に飛び込んでくるのがッ!!」
瞬時に痛みを忘れ、瞑目したまま両手を広げて妄執の対象を抱擁せんと熱り立つ超淫獣であったが、今や完全に聖防霊の依代となっているルリアは何と大気を足場に跳躍し、二階建てあばら家のはるか上方で満月を背景に華麗に一回転すると、そのまま空中に停止した!
「──我が相棒よ、出番だ!」
聖防霊が叫ぶと、直ちに雷の聖使に異変が起きた──まず全身が雷撃を放っている時とは明らかに異なる性質のどこか朧ろな白光を発すると、あろうことかその右手が股間へと移動し、戦闘服越しに陰核を激しく擦り立てたのだ!
「──はああぁッ!」
…この快感とも苦痛とも判断しかねる呻きが華やいだ二十歳のJDのものではなく、美声を誇った往年の名声優・WG氏を彷彿とさせる聖防霊の地声であったのは御愛嬌だが、この“妖艶にして淫靡なる虚空の舞い”によって弓なりにのけ反った聖使の大きく開かれた口元から、まさに心霊体そのもののごとき桃色の不定形物質が飛び出した!
“ピロハラピロハラピロハラリ~ンッ♪”
まるで不思議な笛の音のような響きを伴ってそれはみるみる変形し、僅か数秒で大人用のグローブほどもある、驚くほどクリアな輪郭のショッキングピンクの手となっていた!
そして右手でも左手でもない、等しいサイズの五本の指がぐわっと広げられた掌部分には顔が──あたかもハロウィンのカボチャのお面のごとく、目と口だけがそれと分かる単なる空洞によって表現されていたのだが、既に戦闘モードに入っているのか明らかにハッキリと憤怒の形相を示していたのである!
「ふふふ、夢見心地で微睡んでいた宿主の体内から召喚されてご機嫌斜めなのはいつものことだが、今回は早くも好敵手の存在を察知して一部の隙もない臨戦態勢のようだな…頼むぞミンチ!
──そしてもちろん親玉は私が殺るッ!!」
全長は1メートル余り、体重は20キロ前後と推測される小怪物はひっきりなしに呼吸音とも鳴き声ともとれる金属的な不快音を発しており、そのボリュームが更に上がればこれも一種の立派な武器といえたが、今この時、雷の聖使が直面している脅威は首を絞め上げてくる尻尾であったのである。
両者の距離が二メートル以上は離れていることから、その異様なまでの長さはむしろ、こちらの方が使い魔の本体なのではないかと疑わせるに十分であった。
「ストリキンよ、分かっているとは思うが雷撃には十分注意しろよッ!」
未だ視力の回復どころか激痛からも回復せぬ両眼を抑えたままの主が軒下から警告するが、それに応えるかのように一瞬にして敵から尾を外した魔物はあたかも暗闇でムチを振るうSMの女王のごとくそれを翻すと、次なるアクションに移行しかねて立ち竦む美戦士の背中を強かに打ち据えた!
「──あうッ…ああッ!」
幸いにも《装甲モード》を維持していたため痛みは皆無であったが、この短躯にいかなる剛力を秘めているものか衝撃自体は凄まじく、雷の聖使の躰は白い放物線を描いて地上で待ち構える?ベルバスの頭上目がけて落下する!
「──おお、分かるッ!
たとえ目は見えずとも、この忘れ難き魅惑の香りで貴女が私の腕の中に飛び込んでくるのがッ!!」
瞬時に痛みを忘れ、瞑目したまま両手を広げて妄執の対象を抱擁せんと熱り立つ超淫獣であったが、今や完全に聖防霊の依代となっているルリアは何と大気を足場に跳躍し、二階建てあばら家のはるか上方で満月を背景に華麗に一回転すると、そのまま空中に停止した!
「──我が相棒よ、出番だ!」
聖防霊が叫ぶと、直ちに雷の聖使に異変が起きた──まず全身が雷撃を放っている時とは明らかに異なる性質のどこか朧ろな白光を発すると、あろうことかその右手が股間へと移動し、戦闘服越しに陰核を激しく擦り立てたのだ!
「──はああぁッ!」
…この快感とも苦痛とも判断しかねる呻きが華やいだ二十歳のJDのものではなく、美声を誇った往年の名声優・WG氏を彷彿とさせる聖防霊の地声であったのは御愛嬌だが、この“妖艶にして淫靡なる虚空の舞い”によって弓なりにのけ反った聖使の大きく開かれた口元から、まさに心霊体そのもののごとき桃色の不定形物質が飛び出した!
“ピロハラピロハラピロハラリ~ンッ♪”
まるで不思議な笛の音のような響きを伴ってそれはみるみる変形し、僅か数秒で大人用のグローブほどもある、驚くほどクリアな輪郭のショッキングピンクの手となっていた!
そして右手でも左手でもない、等しいサイズの五本の指がぐわっと広げられた掌部分には顔が──あたかもハロウィンのカボチャのお面のごとく、目と口だけがそれと分かる単なる空洞によって表現されていたのだが、既に戦闘モードに入っているのか明らかにハッキリと憤怒の形相を示していたのである!
「ふふふ、夢見心地で微睡んでいた宿主の体内から召喚されてご機嫌斜めなのはいつものことだが、今回は早くも好敵手の存在を察知して一部の隙もない臨戦態勢のようだな…頼むぞミンチ!
──そしてもちろん親玉は私が殺るッ!!」
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