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第四章 チーム✦カリギュラの脅威
新・凶祭華同盟の蠢動⑤
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「──ぎぎゃッ!!」
もとより狙い定める余裕など無かったにもかかわらず、窮余の一策がものの見事に最も効果的な個所にヒットした手応えを覚えたベルバスは敢然と奮い立った。
「虫ケラめがッ!
このオレ様に対してあれだけの暴言を吐いたからには当然それなりの覚悟はできてるんだろうなッ!?
だが実際にその醜躯にわが瞋恚の打擲を浴びて虚勢を保てるかッ──いやそもそも立っていられるのかよッッ!?」
まさしくこの言葉通り、ここからの奇怪な器官による打撃は凄まじいものがあった!
面妖なことにガズムオル星人は淫欲のみではなく殺意によっても陽根を伸長させることが可能であるのか、殆ど最長の3メートルまで達した土留色の肉柱は一旦虚空に突き上げられた後に鋼の鞭を彷彿とさせる鈍い唸りを上げつつ急降下して淫獣人の脳天を打ち据えたのである!
「ぬがはぁッッ!?」
かつて鬼舞邸に潜入した際、挑発の報復として大教帝の人間体である嵐太郎から見舞われた金属バット(グリップエンド)の一撃を遥かに凌駕する破壊力を食らって思わず膝を屈めた淫獣人であったが、大きく弧を描いた魔性の根棒が狙ったのはその左膝裏であった。
「ぬぶッ!!」
呻きと肺に溜まった空気を同時に吐き出して片膝を着く孝次──そして一旦手前に戻された巨根は間髪入れずラリアットの要領で敵の喉笛をモロに痛撃する!
「えげえッ!!」
まさに特大のブーメラン──あまりの衝撃に呼吸すら奪われた淫獣人第1号は喉を押さえながら辛うじて踏み留まるが、またもや真上から襲いかかってきた肉鞭に延髄付近を痛打されてついに突っ伏してしまう。
「──オラァッ!どうしたさっきまでの威勢はッ!?
日本一の美ボディだとッ!?
あの豚女のカラダがかッ!?
おい解体屋ッ、冗談はそのブサイク面と体型だけにしとけよなッ!!
──もう一つ言っとくぜッ!
これから頭蓋骨叩き割られてアイツを姫と崇める狂った脳ミソをグズグズにされるのはテメエの方だってことをッッ!!」
まさにメッタ打ち…その正体が生殖器官であるとは到底信じ難い肉の凶器を振り上げては叩きつける“死の往復運動”は恐るべきことに20回近く繰り返されても一向に止む気配はなく、むしろ回を重ねるごとにその激しさを増してゆく気配すら窺わせる…。
『ふうむ、なるほどな。
私にとっての一番の懸念点はまず第一に耐久力、次いで敏捷性であったのだが、どうやら前者に関する限り合格点を付けられそうだ…。
もちろん私自身は食らったことはなく、未来永劫その予定もないがベルバス氏…いやガズムオル戦士の男根攻撃の威力は見た目以上に凄まじく、躰の芯を腐食させるかのような悪どい効き目を有するという…。
まあしかし目にする度に悪い意味で驚嘆させられるが、性的興奮のみならず闘争心の高揚によっても勃起する生物など、宇宙広しといえど果たして彼ら以外に存在するものだろうか…!?
もう一方の敏捷性についてだが、これはそもそも〈素体〉の肉体的制約から予想していた通りあまり期待できそうもないな。
仮に“指定”を私に任せて頂けるなら、吟味に吟味を重ねたとしても高原を選択することはおろか、失礼ながらノミネートすることすらもないだろうが、誰あろうババイヴ猊下が御自ら決断された以上は尊重するのが臣下としての責務であるのは論を俟たぬ…。
さて、かくなる上は淫獣人にとって当面の最大の壁となるのは蒼頭星の人工戦士だろうが、実際に手合わせした私に言わせれば、連中のスピードについていくのは絶対に不可能──尤も“創造者”である猊下によれば完全な完成に至るには最低でも1カ月は要するとのことであったから多少の期待は持てるわけだが…。
ふふふッ、まあ隣の片尾くんとしては何より相対したいのは“心のマドンナ”である雷の聖使こと越水ルリア嬢なのであろうが、もとよりわれらが星王ザジナスの依代である立山満寿也氏が彼女にご執心なのであるから、残念ながら対戦の可能性はゼロに等しい…。
しかも目下奮闘中のベルバス氏もまた彼女に魅了され、決して成就できぬ恋に身を灼く一人とあっては、さしもの猛女も気の休まる暇もないといったところだろうて。
ああ、できることならばこれらの魔の手から麗しき姫君を救い出す白馬の騎士でありたいものだが、負極界のしがらみに雁字搦めにされている哀れな宮仕えの身とあってはそれもままならぬ…。
ならば唯一望み得るのは、カリギュラ主宰に美しき獲物を献上する名誉ある役割を引き受けさせて頂くことだけといえようかな…。
そして当の聖使にとってもそれが最も心理的負担が軽微であろうという忖度は、決して一方的な思い上がりではないと思うのだが…。
──むっ、上体を起こしたな。
ふふふ、さすがはチームきってのタフガイ、やはりこれしきのタコ殴りで参ってなどいなかったか…いや、そうこなくっちゃあ…』
あたかもうたた寝から目覚めたかのようにムックリと顔を上げた淫獣人第1号の表情は頭頂から幾本かの血の糸こそ垂れ落ちていたものの、信じられぬことに不敵な薄ら笑いを浮かべていたのである!
「何いッ…バ、バカなッ!?
ノーマルな地球人の頭蓋骨ならほんの2,3発で、いかに淫獣人とてこの辺りで西瓜のように叩き割れるはずッ…!
テッ、テメエ一体どんな石頭してやがんだッ!?」
焦りの表情を隠しきれず、必死の力を奮い起こして分身を乱れ打ちするベルバスだが、さすがに打ち疲れの感は否めずその踵はジリジリと後退をはじめているではないか?
そしてそれを見逃す自称“喧嘩の天才”高原孝次ではなかった。
「──ケケケッ、どうしたんなら?
Sがビビって後退りするようじゃ、“宇宙一キッショいSMプレイ”も強制終了してしもうたようなモンじゃのォ…。
しっかし物足らん…まるでそよ風が吹きすぎたみてえでなーんも感じんかったが…その証拠にタンコブ1つできとりゃせんがな…はぁ~、血はほんのちょびっと出とるみてえじゃけど、いっこも効いちゃおらんのに、何でじゃろ?
なあカメガシラ、オメエよくよく考えた方がええで…その程度の実力じゃ”少数精鋭“をモットーとする新・凶祭華同盟はおろか、より大きな括りのチーム✦カリギュラの中ですらとてもやっていけりゃあせんで…」
「やかましいッ!
第一、オレはカメガシラなんかじゃねえッ、誇り高きガズムオルの戦士、大教帝警備隊長・ベルバスだッ!!」
及び腰で懸命に打撃を続けるものの、もはやそれを防ぐことすらなくにじり寄ってくる頑健な淫獣人──その左手が一瞬にして肉鞭を掴むと同時に振り上げた右腕が一閃し、自慢の逸物は丁度真中付近から青紫色の血飛沫を上げて寸断されてしまったのである!
「いぎゃッあわあああああッッ!!!」
地面に這いつくばり、ひたすら打ち据えられていた間に孝次が装着していた黒いメリケンサック──その打突部分には戦闘靴と同じく鋭利極まる鋸刃が埋め込まれており、それが三度ばかり高速で振られたことによってこの惨劇を引き起こしたのであった。
左手で握った切除部分を蹲って悲泣する持ち主の顔面に叩きつけながら、凶祭華同盟の頭を自認する漢は野獣の唸りのごときドスの効いた低く重い声音でこう言い放った。
「カメガシラじゃろうがベルバスじゃろうが、こっちにとっちゃ関係ねえんじゃ…。
ただのォ、オメエは今さっき、絶対言うちゃあおえんセリフを言うてしもうたんじゃわ…。
ここまで言やあ、分かるじゃろ?
ワイの前でかつ姫を誹謗することは、自分で自分に死刑宣告するようなものなんじゃて…。
でもな、ワイももう一匹狼じゃねえ、一つの軍団を束ねる責任ある立場じゃ…せえじゃけえ、無益な殺生はしとうねえ…。
一回だけ言うで、救かりてえんなら、土下座せえや…。
いくら宇宙人つったって、この国で二年近くも暮らしとりゃ土下座の意味ぐらいは分かるじゃろが?
せえで、“宇宙一アホな私が間違っておりました、磯村かつ子様こそが宇宙一の美女でございます”ちゅーて地面に額こすり付けたままで言え──怜我サンと片尾が証人じゃ…!」
局部の激痛に苦悶する負極界人の呻き以外は物音一つない深夜の雑木林…三つの視線を一身に集めた土留色の怪物が醜貌を上げたのはおよそ1分後であったが、その赤紫色の双眸は生涯最悪の痛みと恥辱で既に狂気の光を帯びていた。
「ひきゃはははははははッ!
あ、あのクリスティーヌが宇宙一の美女だとォッ!?
ぎへへへへへッ、こ、こんなケッサクなジョーク聞いたこともねえ…なあ、ブサイクデブな解体屋さんよ、そりゃあなあ、現実を認めたくねえのは分かる…。
もちろん生まれながらの選ばれし存在であるオレ様はそんな苦しい立場に立たされたことはねえが、おまえさんやクリスティーヌほどの惨めな姿に生まれついちまっちゃあ、そうやって必死に毎日自己暗示でもかけんことにゃあとても生きちゃいけねえもんなあ…。
だがよ、何ぼ何でも世間にゃ道理ってモンがあらあな…それがいくら厳しいからって、自分の都合のいいようにネジ曲げちゃなんねえ…。
だからさ、人にはその人なりの立派な価値基準ってモノがあるんだわさ…例えばオレ様に言わせるとだな、宇宙一の美女はあの雷の聖使であり、宇宙一のドブスがクリ…アギャギャギャギャギャアアアッッ!!!」
──半狂乱の負極界人が自らに迫る危機も忘れ、めくれ上がった唇の端からヨダレすら溢れさせながら得々と自説を開陳している間にその眼前に立った淫獣人は、その紫色の蓬髪をむんずと掴んでグイッと顔面を上向かせると「──死ねや」の一言と共に処刑の業火を猛射したのであった!!
もとより狙い定める余裕など無かったにもかかわらず、窮余の一策がものの見事に最も効果的な個所にヒットした手応えを覚えたベルバスは敢然と奮い立った。
「虫ケラめがッ!
このオレ様に対してあれだけの暴言を吐いたからには当然それなりの覚悟はできてるんだろうなッ!?
だが実際にその醜躯にわが瞋恚の打擲を浴びて虚勢を保てるかッ──いやそもそも立っていられるのかよッッ!?」
まさしくこの言葉通り、ここからの奇怪な器官による打撃は凄まじいものがあった!
面妖なことにガズムオル星人は淫欲のみではなく殺意によっても陽根を伸長させることが可能であるのか、殆ど最長の3メートルまで達した土留色の肉柱は一旦虚空に突き上げられた後に鋼の鞭を彷彿とさせる鈍い唸りを上げつつ急降下して淫獣人の脳天を打ち据えたのである!
「ぬがはぁッッ!?」
かつて鬼舞邸に潜入した際、挑発の報復として大教帝の人間体である嵐太郎から見舞われた金属バット(グリップエンド)の一撃を遥かに凌駕する破壊力を食らって思わず膝を屈めた淫獣人であったが、大きく弧を描いた魔性の根棒が狙ったのはその左膝裏であった。
「ぬぶッ!!」
呻きと肺に溜まった空気を同時に吐き出して片膝を着く孝次──そして一旦手前に戻された巨根は間髪入れずラリアットの要領で敵の喉笛をモロに痛撃する!
「えげえッ!!」
まさに特大のブーメラン──あまりの衝撃に呼吸すら奪われた淫獣人第1号は喉を押さえながら辛うじて踏み留まるが、またもや真上から襲いかかってきた肉鞭に延髄付近を痛打されてついに突っ伏してしまう。
「──オラァッ!どうしたさっきまでの威勢はッ!?
日本一の美ボディだとッ!?
あの豚女のカラダがかッ!?
おい解体屋ッ、冗談はそのブサイク面と体型だけにしとけよなッ!!
──もう一つ言っとくぜッ!
これから頭蓋骨叩き割られてアイツを姫と崇める狂った脳ミソをグズグズにされるのはテメエの方だってことをッッ!!」
まさにメッタ打ち…その正体が生殖器官であるとは到底信じ難い肉の凶器を振り上げては叩きつける“死の往復運動”は恐るべきことに20回近く繰り返されても一向に止む気配はなく、むしろ回を重ねるごとにその激しさを増してゆく気配すら窺わせる…。
『ふうむ、なるほどな。
私にとっての一番の懸念点はまず第一に耐久力、次いで敏捷性であったのだが、どうやら前者に関する限り合格点を付けられそうだ…。
もちろん私自身は食らったことはなく、未来永劫その予定もないがベルバス氏…いやガズムオル戦士の男根攻撃の威力は見た目以上に凄まじく、躰の芯を腐食させるかのような悪どい効き目を有するという…。
まあしかし目にする度に悪い意味で驚嘆させられるが、性的興奮のみならず闘争心の高揚によっても勃起する生物など、宇宙広しといえど果たして彼ら以外に存在するものだろうか…!?
もう一方の敏捷性についてだが、これはそもそも〈素体〉の肉体的制約から予想していた通りあまり期待できそうもないな。
仮に“指定”を私に任せて頂けるなら、吟味に吟味を重ねたとしても高原を選択することはおろか、失礼ながらノミネートすることすらもないだろうが、誰あろうババイヴ猊下が御自ら決断された以上は尊重するのが臣下としての責務であるのは論を俟たぬ…。
さて、かくなる上は淫獣人にとって当面の最大の壁となるのは蒼頭星の人工戦士だろうが、実際に手合わせした私に言わせれば、連中のスピードについていくのは絶対に不可能──尤も“創造者”である猊下によれば完全な完成に至るには最低でも1カ月は要するとのことであったから多少の期待は持てるわけだが…。
ふふふッ、まあ隣の片尾くんとしては何より相対したいのは“心のマドンナ”である雷の聖使こと越水ルリア嬢なのであろうが、もとよりわれらが星王ザジナスの依代である立山満寿也氏が彼女にご執心なのであるから、残念ながら対戦の可能性はゼロに等しい…。
しかも目下奮闘中のベルバス氏もまた彼女に魅了され、決して成就できぬ恋に身を灼く一人とあっては、さしもの猛女も気の休まる暇もないといったところだろうて。
ああ、できることならばこれらの魔の手から麗しき姫君を救い出す白馬の騎士でありたいものだが、負極界のしがらみに雁字搦めにされている哀れな宮仕えの身とあってはそれもままならぬ…。
ならば唯一望み得るのは、カリギュラ主宰に美しき獲物を献上する名誉ある役割を引き受けさせて頂くことだけといえようかな…。
そして当の聖使にとってもそれが最も心理的負担が軽微であろうという忖度は、決して一方的な思い上がりではないと思うのだが…。
──むっ、上体を起こしたな。
ふふふ、さすがはチームきってのタフガイ、やはりこれしきのタコ殴りで参ってなどいなかったか…いや、そうこなくっちゃあ…』
あたかもうたた寝から目覚めたかのようにムックリと顔を上げた淫獣人第1号の表情は頭頂から幾本かの血の糸こそ垂れ落ちていたものの、信じられぬことに不敵な薄ら笑いを浮かべていたのである!
「何いッ…バ、バカなッ!?
ノーマルな地球人の頭蓋骨ならほんの2,3発で、いかに淫獣人とてこの辺りで西瓜のように叩き割れるはずッ…!
テッ、テメエ一体どんな石頭してやがんだッ!?」
焦りの表情を隠しきれず、必死の力を奮い起こして分身を乱れ打ちするベルバスだが、さすがに打ち疲れの感は否めずその踵はジリジリと後退をはじめているではないか?
そしてそれを見逃す自称“喧嘩の天才”高原孝次ではなかった。
「──ケケケッ、どうしたんなら?
Sがビビって後退りするようじゃ、“宇宙一キッショいSMプレイ”も強制終了してしもうたようなモンじゃのォ…。
しっかし物足らん…まるでそよ風が吹きすぎたみてえでなーんも感じんかったが…その証拠にタンコブ1つできとりゃせんがな…はぁ~、血はほんのちょびっと出とるみてえじゃけど、いっこも効いちゃおらんのに、何でじゃろ?
なあカメガシラ、オメエよくよく考えた方がええで…その程度の実力じゃ”少数精鋭“をモットーとする新・凶祭華同盟はおろか、より大きな括りのチーム✦カリギュラの中ですらとてもやっていけりゃあせんで…」
「やかましいッ!
第一、オレはカメガシラなんかじゃねえッ、誇り高きガズムオルの戦士、大教帝警備隊長・ベルバスだッ!!」
及び腰で懸命に打撃を続けるものの、もはやそれを防ぐことすらなくにじり寄ってくる頑健な淫獣人──その左手が一瞬にして肉鞭を掴むと同時に振り上げた右腕が一閃し、自慢の逸物は丁度真中付近から青紫色の血飛沫を上げて寸断されてしまったのである!
「いぎゃッあわあああああッッ!!!」
地面に這いつくばり、ひたすら打ち据えられていた間に孝次が装着していた黒いメリケンサック──その打突部分には戦闘靴と同じく鋭利極まる鋸刃が埋め込まれており、それが三度ばかり高速で振られたことによってこの惨劇を引き起こしたのであった。
左手で握った切除部分を蹲って悲泣する持ち主の顔面に叩きつけながら、凶祭華同盟の頭を自認する漢は野獣の唸りのごときドスの効いた低く重い声音でこう言い放った。
「カメガシラじゃろうがベルバスじゃろうが、こっちにとっちゃ関係ねえんじゃ…。
ただのォ、オメエは今さっき、絶対言うちゃあおえんセリフを言うてしもうたんじゃわ…。
ここまで言やあ、分かるじゃろ?
ワイの前でかつ姫を誹謗することは、自分で自分に死刑宣告するようなものなんじゃて…。
でもな、ワイももう一匹狼じゃねえ、一つの軍団を束ねる責任ある立場じゃ…せえじゃけえ、無益な殺生はしとうねえ…。
一回だけ言うで、救かりてえんなら、土下座せえや…。
いくら宇宙人つったって、この国で二年近くも暮らしとりゃ土下座の意味ぐらいは分かるじゃろが?
せえで、“宇宙一アホな私が間違っておりました、磯村かつ子様こそが宇宙一の美女でございます”ちゅーて地面に額こすり付けたままで言え──怜我サンと片尾が証人じゃ…!」
局部の激痛に苦悶する負極界人の呻き以外は物音一つない深夜の雑木林…三つの視線を一身に集めた土留色の怪物が醜貌を上げたのはおよそ1分後であったが、その赤紫色の双眸は生涯最悪の痛みと恥辱で既に狂気の光を帯びていた。
「ひきゃはははははははッ!
あ、あのクリスティーヌが宇宙一の美女だとォッ!?
ぎへへへへへッ、こ、こんなケッサクなジョーク聞いたこともねえ…なあ、ブサイクデブな解体屋さんよ、そりゃあなあ、現実を認めたくねえのは分かる…。
もちろん生まれながらの選ばれし存在であるオレ様はそんな苦しい立場に立たされたことはねえが、おまえさんやクリスティーヌほどの惨めな姿に生まれついちまっちゃあ、そうやって必死に毎日自己暗示でもかけんことにゃあとても生きちゃいけねえもんなあ…。
だがよ、何ぼ何でも世間にゃ道理ってモンがあらあな…それがいくら厳しいからって、自分の都合のいいようにネジ曲げちゃなんねえ…。
だからさ、人にはその人なりの立派な価値基準ってモノがあるんだわさ…例えばオレ様に言わせるとだな、宇宙一の美女はあの雷の聖使であり、宇宙一のドブスがクリ…アギャギャギャギャギャアアアッッ!!!」
──半狂乱の負極界人が自らに迫る危機も忘れ、めくれ上がった唇の端からヨダレすら溢れさせながら得々と自説を開陳している間にその眼前に立った淫獣人は、その紫色の蓬髪をむんずと掴んでグイッと顔面を上向かせると「──死ねや」の一言と共に処刑の業火を猛射したのであった!!
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