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第五章 THUNDER⚡️ANGELSの胎動
新・雷の聖使はちょっぴり変◯!?〈後編〉
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行平蘭奈と舘森隼矢は島◯根県M市の住人であり、彼らが〈戦闘訓練所〉として用いているのは地元で中ランクの資産家である隼矢の父がサックス演奏をはじめとする様々な趣味を満喫するためだけに所有している同市郊外のとある一戸建て住宅の地下室であったが、些か飽きっぽい性格であるためか現在はもっばらガレージにて旧車のバイクコレクションを愛でるのに忙しく、既に2年以上もこの部屋を訪れてはいないのであった…。
年齢はルリア♡優彦とは異なり、蘭奈が2コ上の19で目下は空手家でもある父が経営する居酒屋でバイト中、一方隼矢は県内の公立進学校の二年生である。
さて、雷の聖使の初陣こそ一年先輩の短大生に譲ったものの、実は聖防霊による地球防衛戦士としての夢を介しての指導はほぼ同時期に開始されていたのだった。
『ルリアが先んじたのは決して蘭奈より優れていたからではなく、あくまで戦闘訓練が単身で済んだからに過ぎん…いや、むしろ蘭奈ならベルバス程度の相手であればたとえ初戦であっても半殺しには追い込めたはず…!
つまり、まことに遺憾ながら雷の聖使が能力全開すれば駆使し得るはずの【69の雷撃技】を完全マスターするのはおそらく後者のみということになろうな…。
しかし仮に蒼頭星の超技術の粋を結集して創造された強力な人工戦士と堂々単体で挑みかかった例の漆黒の負極界人ほどのツワモノと対峙した場合、互角に渡り合うにはやはり現行の戦闘服のみでは不安が残る…かくなる上はDr.蛸ノ宮に依頼し、そろそろ完成間近と目されている【雷神甲衣】に期待するしかないのだが、それにしてもルリアのように依存心のみでそれを纏えばむしろ自らの生命を危険に晒すばかりだと厳しく釘を刺されているからな…。
──むっ、今しも天空から庭に何者かが降り立ったようだが…!?
間違いない、隠形モードを発動させた人工戦士だな…しかも数は2体、ということは…!」
──次の刹那、分離されたままのエジュケーの霊体を懐かしい盟友の温かみのある声音によるメッセージが心地よき波動となって届けられた。
“──戦士よ、かねて所望されていた雷神甲衣と風神甲衣がようやく一応の完成に至った。
もし可能ならば、早速蘭奈嬢と隼矢くんに〈試着〉をお願いしたいのだが、可能であろうかな?
もちろん急かすつもりはないが、私としても改良点を浮き彫りにするための反応はなるべく速やかに得たいという思いもあるので…。
丁度今頃、そちらに2体の我が子が到着しておるはずだが…いや、実はあの3体とは別の個体だ──というのも貴君の退出後、例の黒い戦鬼の凶爪によって幻護郎らは切り刻まれ、痛恨にも活動不能へと追いやられてしまったのであるから…!
詳細は飛翔基地への帰還後にお伝えするとして、OKならば両名を其々の人工戦士に委ねてこちらに向かって頂きたい…”
もちろん、こちらに断る理由はない。
「ありがとうございます──もちろん喜んで伺わせて頂きますとも。
…しかしながらあの屈強な戦士たちを、しかも一時に全て撃破してしまうとは、何という恐るべき実力者が襲来したものか…!
かくなる上は現在銀河中に散開して活動中のわが聖闘防霊団の精鋭たちを、たとえ短期集中的ではあってもこの地球に一斉投入する必要があるのかもしれませんな…!」
年齢はルリア♡優彦とは異なり、蘭奈が2コ上の19で目下は空手家でもある父が経営する居酒屋でバイト中、一方隼矢は県内の公立進学校の二年生である。
さて、雷の聖使の初陣こそ一年先輩の短大生に譲ったものの、実は聖防霊による地球防衛戦士としての夢を介しての指導はほぼ同時期に開始されていたのだった。
『ルリアが先んじたのは決して蘭奈より優れていたからではなく、あくまで戦闘訓練が単身で済んだからに過ぎん…いや、むしろ蘭奈ならベルバス程度の相手であればたとえ初戦であっても半殺しには追い込めたはず…!
つまり、まことに遺憾ながら雷の聖使が能力全開すれば駆使し得るはずの【69の雷撃技】を完全マスターするのはおそらく後者のみということになろうな…。
しかし仮に蒼頭星の超技術の粋を結集して創造された強力な人工戦士と堂々単体で挑みかかった例の漆黒の負極界人ほどのツワモノと対峙した場合、互角に渡り合うにはやはり現行の戦闘服のみでは不安が残る…かくなる上はDr.蛸ノ宮に依頼し、そろそろ完成間近と目されている【雷神甲衣】に期待するしかないのだが、それにしてもルリアのように依存心のみでそれを纏えばむしろ自らの生命を危険に晒すばかりだと厳しく釘を刺されているからな…。
──むっ、今しも天空から庭に何者かが降り立ったようだが…!?
間違いない、隠形モードを発動させた人工戦士だな…しかも数は2体、ということは…!」
──次の刹那、分離されたままのエジュケーの霊体を懐かしい盟友の温かみのある声音によるメッセージが心地よき波動となって届けられた。
“──戦士よ、かねて所望されていた雷神甲衣と風神甲衣がようやく一応の完成に至った。
もし可能ならば、早速蘭奈嬢と隼矢くんに〈試着〉をお願いしたいのだが、可能であろうかな?
もちろん急かすつもりはないが、私としても改良点を浮き彫りにするための反応はなるべく速やかに得たいという思いもあるので…。
丁度今頃、そちらに2体の我が子が到着しておるはずだが…いや、実はあの3体とは別の個体だ──というのも貴君の退出後、例の黒い戦鬼の凶爪によって幻護郎らは切り刻まれ、痛恨にも活動不能へと追いやられてしまったのであるから…!
詳細は飛翔基地への帰還後にお伝えするとして、OKならば両名を其々の人工戦士に委ねてこちらに向かって頂きたい…”
もちろん、こちらに断る理由はない。
「ありがとうございます──もちろん喜んで伺わせて頂きますとも。
…しかしながらあの屈強な戦士たちを、しかも一時に全て撃破してしまうとは、何という恐るべき実力者が襲来したものか…!
かくなる上は現在銀河中に散開して活動中のわが聖闘防霊団の精鋭たちを、たとえ短期集中的ではあってもこの地球に一斉投入する必要があるのかもしれませんな…!」
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