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第一章 地上から来た教軍超兵
ティリールカの守護神②
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2人の錬装者が放った鋭刃は、玄のそれが左翼の、雪英のものが右翼のそれぞれ中央付近へとまるでリモートコントロールされたように的確に命中し、あたかも包丁で豆腐を切るかのようにあっさりと寸断してのけた!
ギゲギガギガゲゲアアァラッッ!!!
一旦墜落となるとその重量からも落下のスピードは速く、漆黒と白銀の鋼鉄戦士は正確に手元に戻ってきた武器を受け止めながらその外貌にふさわしい醜悪極まる悲鳴を上げる堕天の怪物へと疾風のごとく駆け寄る。
「──さすがにここまでキメえと例え磁甲越しでもブン殴るのすらためらわれるぜッ!
従ってテメエを殺るにゃこれしかねえッッ!!
だが気をつけろよ雪ッ!
このバケモノの得意技は大量の目玉を使った幻覚攻撃だからなッ!
とりあえず片っ端からブッ潰していくぜッッ!!」
こう叫んだ雷堂が大きく振りかぶった“漆黒の魔鉈”【玄翔刀】を岩眼魔の顔面に深々と叩き込んでから冷酷に滑らせて一気に7~8個の目玉を切り裂くと、坂巻も指に挟み込んだ“念動手裏剣”【円星剣】を閃かせてみるみる山吹色の幻影発生装置を抉ってゆく!
かくて黄土色の血飛沫を散らしつつ再び迸ったグロテスクな魔物の悲鳴が神聖な花園の清麗な空気を穢し濁らせるが、アドレナリン出まくりの若き錬装者たちの苛烈な攻撃がそれによって緩むことは一切無く、岩眼魔=毘雲の命脈が尽きるのも時間の問題と思われた矢先、磁甲の鉄兜の内側に仕込まれた通信機がチームの総帥である玉朧拳師の、高僧か哲学者を思わせる思慮深い声でこう伝えてきた。
“──2人ともよくやったが、目玉潰しはそこら辺にしておけ。
全く怪我の功名だな…規則違反が迅速な敵兵捕獲に繋がるとは。
従って今回に限り特例として不問に帰すが、その代わり責任を持って岩眼魔を失神させ、最も近い〈9番ゲート〉まで搬送してもらいたい……着いたらそこからは教令部差し回しの【伝霊車トラック】が引き受ける。
何でもスペンサー氏が新兵器の【エグメドの審火】を使ってソイツから教軍の情報を探り出したいそうだ、それも公開でな。
むろんシーオ殿(ティリールカ愛華領教率者)の許可は得ており、忝なくも[監査室]を使用させて頂けるという……あそこなら遠征隊員を残らず収容できるから実にありがたい。
ところで今、監視塔のカメラ群もフル回転させて確認中で侵入者はその一体だけのようだが、オマエたちも同意見か?
何しろ偵察絆獣が全滅してしまったものだから今のところ成す術が無くてな……”
“はあ、そのようですね。
我々もこれ以上の異変は確認できておりませんが……”
──その時、遠方で微かに鈍い地響きが起きたのを磁甲の集音機能が感知したが、それは味方の絆獣が訓練で使用する【邪柱】(地上単位に換算して直径6メートル・高さ15メートル・総重量37トンに及ぶ特殊合金製の巨大円筒を敵軍の刃獣である餓駆竜から剥ぎ取った黝い表皮で巻いてある)というアイテムが大地に叩きつけられた轟音に違いなかった。
『頑張ってんな、我が愛しの弓葉タン……。
でも、つい先日絆獣に対面したばかりの新人さんにいきなり筋トレ地獄に放り込むとはねえ……。
ククク……どーやら萩邑のオバハン、強力なライバルの出現に危機感覚えていきなりスパルタ……い~やパワハラ指導で潰しにかかってるらしい……だが負けんじゃねえぞ、キミにはこの雷堂 玄が付いてるからなッッ!!』
こう心中で呟きながら、師の指示通り相手を無力化させるために雪英と交互に渾身の力を込めて岩眼魔の硬い頭部をガンガン踏みつけ、蹴りつける玄であったが、頭は早くも[監査室]での合法デートに飛んでいる。
『たとえ初陣前のペーペーでも総員集合の建前上、当然あそこには呼ばれるよな?
でもなあ……もちろん敵兵捕獲という殊勲を上げた身としては自慢がてら隣でドヤ顔してえのはやまやまだが、こんなキッショいバケモンを至近距離で目撃しちまったら、弓葉タンの今後の食欲と安眠に大いに悪影響を及ぼす危険性が大なんだよなあ……。
ただなあ、人間よりは岩眼魔に見た目が近え竹澤の鬼ババアとその子分のりさらオバサンの極悪タッグは間違いなくそれを狙ってるはずだからイヤになるぜ……。
まあしかし、さすがに見目麗しき萩邑先輩を竹澤BBAと一緒くたにしたらマズいか──何しろ“絆獣聖団随一の美人操獣師”として各地のドスケベ教率者どもにトップアイドル並みの超人気者らしいからナ……。
たしかに“ブ◯の博覧会”としか表現しようがねえ特級操獣師の中じゃ比較するのもおこがましい、それこそ異次元のルックスであることは認めるけどよ、いかんせん性根がク◯すぎるぜ……。
だがまあ、同情の余地はあるけどな──何より地獄の業火の様な竹澤の嫉妬から身を守るために、せめて性格だけはあのオイボレドグサレ魔女に合わせて犬馬の労を取らねえと忽ち火の粉が自分に降りかかってくるってんだから……。
──あっ、そういや萩邑で思い出したけど、アイツや妹分の雅桃をオカズに来る日も来る日もシャワールームでセン△リこいてたあのド変態、剛駕崇景のゴミクズ野郎が矯正期間を了えて戻って来るとか師匠が言ってたなッ!
これは私見だが、この雷堂 玄は確信を持って断言する──アイツは1000%星拳鬼會にゃ……いやどの錬装者チームにも必要ねえとッ!!
しかしそもそも何であんな変質者を異世界に置いとくんだよッ!?
どう考えても直ちに前回の《ミッション173》終了後直ちに記憶消去して地上に強制送還し、聖団から永久追放するのが筋だろうがッ!?
何せその《ルドストン凱鱗領防衛戦》じゃとんでもねえ大ポカやらかして、ラージャーラ全界における絆獣聖団のイメージダウンを決定付けちまったのは厳然たる事実なんだからなッ!
しっかしあのハレンチ糞野郎、もし弓葉タンをド汚え妄想のネタにしやがったら、その時はこの玄翔刀で脂ぎった素っ首叩き斬って、救いのねえ煩悩地獄から今度こそ永久に解放してやるぜッッ!!』
ギゲギガギガゲゲアアァラッッ!!!
一旦墜落となるとその重量からも落下のスピードは速く、漆黒と白銀の鋼鉄戦士は正確に手元に戻ってきた武器を受け止めながらその外貌にふさわしい醜悪極まる悲鳴を上げる堕天の怪物へと疾風のごとく駆け寄る。
「──さすがにここまでキメえと例え磁甲越しでもブン殴るのすらためらわれるぜッ!
従ってテメエを殺るにゃこれしかねえッッ!!
だが気をつけろよ雪ッ!
このバケモノの得意技は大量の目玉を使った幻覚攻撃だからなッ!
とりあえず片っ端からブッ潰していくぜッッ!!」
こう叫んだ雷堂が大きく振りかぶった“漆黒の魔鉈”【玄翔刀】を岩眼魔の顔面に深々と叩き込んでから冷酷に滑らせて一気に7~8個の目玉を切り裂くと、坂巻も指に挟み込んだ“念動手裏剣”【円星剣】を閃かせてみるみる山吹色の幻影発生装置を抉ってゆく!
かくて黄土色の血飛沫を散らしつつ再び迸ったグロテスクな魔物の悲鳴が神聖な花園の清麗な空気を穢し濁らせるが、アドレナリン出まくりの若き錬装者たちの苛烈な攻撃がそれによって緩むことは一切無く、岩眼魔=毘雲の命脈が尽きるのも時間の問題と思われた矢先、磁甲の鉄兜の内側に仕込まれた通信機がチームの総帥である玉朧拳師の、高僧か哲学者を思わせる思慮深い声でこう伝えてきた。
“──2人ともよくやったが、目玉潰しはそこら辺にしておけ。
全く怪我の功名だな…規則違反が迅速な敵兵捕獲に繋がるとは。
従って今回に限り特例として不問に帰すが、その代わり責任を持って岩眼魔を失神させ、最も近い〈9番ゲート〉まで搬送してもらいたい……着いたらそこからは教令部差し回しの【伝霊車トラック】が引き受ける。
何でもスペンサー氏が新兵器の【エグメドの審火】を使ってソイツから教軍の情報を探り出したいそうだ、それも公開でな。
むろんシーオ殿(ティリールカ愛華領教率者)の許可は得ており、忝なくも[監査室]を使用させて頂けるという……あそこなら遠征隊員を残らず収容できるから実にありがたい。
ところで今、監視塔のカメラ群もフル回転させて確認中で侵入者はその一体だけのようだが、オマエたちも同意見か?
何しろ偵察絆獣が全滅してしまったものだから今のところ成す術が無くてな……”
“はあ、そのようですね。
我々もこれ以上の異変は確認できておりませんが……”
──その時、遠方で微かに鈍い地響きが起きたのを磁甲の集音機能が感知したが、それは味方の絆獣が訓練で使用する【邪柱】(地上単位に換算して直径6メートル・高さ15メートル・総重量37トンに及ぶ特殊合金製の巨大円筒を敵軍の刃獣である餓駆竜から剥ぎ取った黝い表皮で巻いてある)というアイテムが大地に叩きつけられた轟音に違いなかった。
『頑張ってんな、我が愛しの弓葉タン……。
でも、つい先日絆獣に対面したばかりの新人さんにいきなり筋トレ地獄に放り込むとはねえ……。
ククク……どーやら萩邑のオバハン、強力なライバルの出現に危機感覚えていきなりスパルタ……い~やパワハラ指導で潰しにかかってるらしい……だが負けんじゃねえぞ、キミにはこの雷堂 玄が付いてるからなッッ!!』
こう心中で呟きながら、師の指示通り相手を無力化させるために雪英と交互に渾身の力を込めて岩眼魔の硬い頭部をガンガン踏みつけ、蹴りつける玄であったが、頭は早くも[監査室]での合法デートに飛んでいる。
『たとえ初陣前のペーペーでも総員集合の建前上、当然あそこには呼ばれるよな?
でもなあ……もちろん敵兵捕獲という殊勲を上げた身としては自慢がてら隣でドヤ顔してえのはやまやまだが、こんなキッショいバケモンを至近距離で目撃しちまったら、弓葉タンの今後の食欲と安眠に大いに悪影響を及ぼす危険性が大なんだよなあ……。
ただなあ、人間よりは岩眼魔に見た目が近え竹澤の鬼ババアとその子分のりさらオバサンの極悪タッグは間違いなくそれを狙ってるはずだからイヤになるぜ……。
まあしかし、さすがに見目麗しき萩邑先輩を竹澤BBAと一緒くたにしたらマズいか──何しろ“絆獣聖団随一の美人操獣師”として各地のドスケベ教率者どもにトップアイドル並みの超人気者らしいからナ……。
たしかに“ブ◯の博覧会”としか表現しようがねえ特級操獣師の中じゃ比較するのもおこがましい、それこそ異次元のルックスであることは認めるけどよ、いかんせん性根がク◯すぎるぜ……。
だがまあ、同情の余地はあるけどな──何より地獄の業火の様な竹澤の嫉妬から身を守るために、せめて性格だけはあのオイボレドグサレ魔女に合わせて犬馬の労を取らねえと忽ち火の粉が自分に降りかかってくるってんだから……。
──あっ、そういや萩邑で思い出したけど、アイツや妹分の雅桃をオカズに来る日も来る日もシャワールームでセン△リこいてたあのド変態、剛駕崇景のゴミクズ野郎が矯正期間を了えて戻って来るとか師匠が言ってたなッ!
これは私見だが、この雷堂 玄は確信を持って断言する──アイツは1000%星拳鬼會にゃ……いやどの錬装者チームにも必要ねえとッ!!
しかしそもそも何であんな変質者を異世界に置いとくんだよッ!?
どう考えても直ちに前回の《ミッション173》終了後直ちに記憶消去して地上に強制送還し、聖団から永久追放するのが筋だろうがッ!?
何せその《ルドストン凱鱗領防衛戦》じゃとんでもねえ大ポカやらかして、ラージャーラ全界における絆獣聖団のイメージダウンを決定付けちまったのは厳然たる事実なんだからなッ!
しっかしあのハレンチ糞野郎、もし弓葉タンをド汚え妄想のネタにしやがったら、その時はこの玄翔刀で脂ぎった素っ首叩き斬って、救いのねえ煩悩地獄から今度こそ永久に解放してやるぜッッ!!』
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