悪役令嬢に転生して悔いのない人生を送ります

ミカエル

神々しい光が輝き、胸にあたたかさと優しさと安心感が満ちてくる。

光に向こうに大きな羽のある人のような姿があった。

ミカエル……。
ミカエルはいついかなるときもオリビアのことを見ていた。そんな存在は、ほかにはなかった。

「そもそもあなたが、転生したいと願ったのでそうしたのだ。あなたは、地上に戻る必要はなかった。これからは天界で暮らしていいのです」
とミカエルはオリビアに言った。


うーん……とオリビアは考えた。
まだ地上にいたいかも！
地上で楽しみたい！
地上の苦しみもスパイスみたいなもの！
いつでも天界に戻れるなら、そうじゃない？
わざわざ、砂漠や南極に旅行に行くようなもの……。
いや、旅行ほど楽じゃない。
未開の地の探検、みたいな？
と考えた。

「もう少し、ここにいます」
とオリビアは答えたところで夢から覚めた。

いや、夢ではなかったのかもしれないが。