悪役令嬢に転生して悔いのない人生を送ります

危険な人物

子どもは、お菓子でつられて知らない人についていく。
お菓子とは、その子が欲しがっているもののことだ。
知らない人とは、警戒すべき、危険な人物、という意味だ。
知っている人にも、そういう人物はいる。

十五の頃、王立学校の教師が、オリビアを本で釣った。
オリビアは探究心や知的好奇心があったので、知識や真理を探究するような手掛かりを求めた。
しかし、その人物は、本当は、そんなものなど持っていなかった。

そこでオリビアは、名誉教育総裁でもあった父王に言って、速やかに、そいつを排除してもらった。その人物は国外追放になった。

代わりに、真理を知っているフリもしないが、親切で、明るい、心の健康な、真に慈悲深い教師がやってきた。

それに、本当に知識のたくさんあり見識の深い人物的にも穏やかで人格者の学者教師もやってきた。

いろんな特性の教師がたくさんいて、それぞれの得意なことについて、オリビアたちは、尋ねたり頼ったりした。

いつも窓をかすめているだけだった白い羽の人が姿をあらわして、
「魅力的な人のフリをして、自分に依存させる人は危険だよ」
とオリビアに忠告した。

「どうして、今まで見えなかったのに、見えるようになったのですか？」
とオリビアが聞くと、

「思春期は大変な時だからだよ」
と白い羽の人は答えた。