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1、教室

体液にまみれ、いやらしく濡れ

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 生徒の西島の先からも汁が垂れて、西島の手は、すっかり体液にまみれ、いやらしくヌラヌラと光って濡れていた。
 その間も、ぐちゅぐちゅと音までたてて、安田のアナルを触手が犯していた。
 「あっ、あっ、あぁ……」
 安田は、もう声を抑えられなかった。西島の前だというのに、いやらしい声が出てしまうのを抑えられない。

 「先生、気持ちいいんですか?」
西島が聞いた。 

「違う……」
安田は、そう一言答えるのが、やっとだった。 それ以上口を開いていたら、いやらしい喘ぎ声が漏れ出てしまう。
触手は、安田のアナルの中で、奥に入り口に、前に後ろに、巧みに、ねちねちと、いやらしく、しつこく動き、安田を翻弄した。

「あっ、あっ、んあぁっ!」
答えとは裏腹の、どうしようもなく恥ずかしい喘ぎ声が外に漏れ出てしまった。
 安田も、もう今は、もっと快感が、ほしくてほしくて、たまらない状態にさせられてしまって自分から恥も外聞もなく積極的に腰を上げ下げし始めた。 
「イク……イカせてくれ……あっ……」
 触手は、イキそうなところで寸止めして、安田を焦らしてきた。

 「先生……お尻に挿れられてイきそうなんですか?」 
西島は、そんなエロティックなことを、まるで生物の授業中の質問のように無邪気な顔で問う。
 安田は、そんな問いを生徒からされて、あらためて恥ずかしい気持ちにさせられる。自分は実験動物ではない。なのに西島はひたと自分の哀れで恥ずかしい身体を観察している。アナルに挿れられてイきそうになっている安田の身体を! アナルで、イキたいと思っているなんて! そんなところを、こんな生徒に見られているなんて! 

「あぁ……イけない……苦しい……」
安田は、焦らすつもりなのか、そもそも意思があるのかないのかわからない止まってしまっている触手をつかんで、自ら、アナルに出し入れした。そんな行為をするのは恥ずかしいことだとは百も承知だ。だが、いきたくて焦れて、苦しくて、そうせずにはいられなかったのだ。だが、生徒に、じっと見つめられている状態では、恥ずかしすぎて、理性が勝ちすぎて、イクことすらできない。苦しいままだ。 
「うぉぉぉ……」
 安田は、まるで獣のように、あさましく咆哮した。虎になった山月記の主人公のように、理性と獣性の間をなんども行き来して、安田の脳は、壊れそうだった。安田は、自分のしている行為の、すさまじさに、もういっそのこと、理性が奪われてしまえばいいと思った。 

「先生、いやらしい……自分で挿れてる……」
 西島が、あどけない目で安田を見つめて、つぶやく。 

「こんなのは、だめだ……こんなことしたら……」 
せめて反面教師にしてほしい。安田は一縷の望みを抱く。こんな恥ずかしい教師でも、こんな恥ずかしい人間にはなるまいと、生徒にそう思ってもらえたら、存在価値があるというものではないか。そんなまぶしいままの目で見ないでくれ。そんな憧れのような目で見ないでくれ。これはだめな自分の姿だ。自分には良いところもあって……君のことは、君たち生徒のことは大事に思ってきた。だからこんな姿を見せたくはないのだ。今まではこんな淫らなことはなかったし……。いや、この際もう自分のことなどどうでもいい。これはだめな人間の姿だ。どうかこの姿を手本にしないでくれ。
  安田の理性は、なくならない。いつまでも存在して、安田を辱め、苦しめる。安田の精神は、倫理的で冷静な理性と火のように熱い獣的な快感に引き裂かれた。安田の身体は、それとは、まったく関係なく猛り狂っていた。
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