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第二章

叔父の書斎(4)

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「もう下がりなさい」

叔父は潤に背を向けて、再び机に向かった。最近の叔父は忙しそうで、潤は昔のようにかまってもらえない。
 大学の学生の方が、潤よりもずっと親しく深くつきあっているのだろう。
 でも潤には、棚にぎっしり並んだ難しい本の内容も、本の頁にびっしり書かれた外国語も、少しも理解できなかった。
 ただ未開の部族の奇怪な風習だとか、嘘なのか本当なのかわからないような古い挿絵や写真は興味深かった。そんな奇妙な挿絵ばかり探し出して飽かずながめているのを、叔父に見つかっては、よく叱られた。
 叔父様は、学生の方が、僕なんかより好きなのかもしれない。潤は会ったこともない叔父の学生たちに嫉妬した。
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