【完結】喰われる秘書、囁く社長(3部作の1)

リリーブルー

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第五章:舌と熱に溺れて

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夜。
再び社長室のドアが静かに閉まる。律の手のひらは少し汗ばんでいた。
社内は定時を過ぎ、ビル全体が静まり返っている。人の気配もなく、そこはただ、二人きりの「密室」だった。

「……来たな」

東条はソファに座りながら、上着を脱ぐ律を目で追っていた。白いシャツのボタンを律が指先で外すたび、音も立てずに空気が濡れていくような錯覚に陥る。

「昨日より……顔が覚悟してるな」

「……覚悟なんか……」

「強がり。いいから、こっちに来い」

言葉より早く、東条の腕が伸びる。
そのまま律を引き寄せ、膝の上に座らせるように抱き寄せた。

(また……こうして、抱かれるんだ)

胸元に舌が触れる。昨日よりも滑らかで、確実に「気持ちよくさせる」ための角度と圧力を知っている。

「あ……っ、ん、や、そこ……だめ、です……!」

乳首に吸いつかれ、きゅっと尖った舌で弾かれる。電流のように走る刺激に、律の腰が無意識に浮く。

「舌だけでこんな反応。やっぱり、覚えてるな……俺の味」

東条の手は腰を支えたまま、シャツを捲り上げていく。律の肌に口づけが降り、やがて舌が臍をなぞる。

「ひっ……く、ぁっ、ぅ……!」

ベルトが外され、スラックスが落ちる。
下着の上から指先が這い、布越しにゆっくりと擦られるだけで、そこはもう熱を帯びて膨らみ始めていた。

「体だけ……じゃ、ないんです。僕……こんなふうにされると、心まで……っ」

「全部、俺に侵されてるって自覚しろ」

東条が下着を引き下ろし、舌で根元から絡め取るように舐め始めた。
ねっとりと、唾液を絡ませながら、律の敏感な部分を口内に含み――

「やっ、だめっ……そんな、ぅ……奥まで……っ、あああっ!」

舌が裏筋を擦る。吸引と巻きつけが繰り返され、腰が勝手に動いてしまう。

「……もう……イっちゃ……イきそう……」

「イけ。俺の舌で、壊されてみろ」

「――っ、ん、ああああぁっ……!」

ビクビクと跳ねた瞬間、律の白濁が東条の口内に迸った。だが東条は眉一つ動かさず、それを喉奥で飲み下す。

「……こんなに出したのに、まだイけるな?」

そう言うと、律の脚を左右に割って抱き上げ、社長室のデスクに押し倒す。冷たい木の感触に背中が震えた。

「社長室で、そんな……っ、だめ、誰か来たら――!」

「来ない。鍵はかけた。今夜は……君の声がこの部屋に響くのを聴きたくてな」

尻を両手で開かれ、すでに柔らかくなっている穴をぬるりと指で撫でられる。

「ここ、もう欲しがってる」

「っ……言わないで、そんな……」

「正直になれ。欲しいんだろ?」

「っ……欲しい……かもしれません……でも、あなたのじゃ、ない……っ」

「嘘つきだ」

そう言うと、東条は指を差し込むと同時に、律の唇を強引に塞いだ。

舌と指と熱が一度に侵入する。
もう、心も身体も、抗う理由を探せなくなっていた――。

「愛されるより、喰われる方が、性に合ってるようだな……律」

「……そんな、こと……っ、言わないで……」

吐息と涙と、熱の混ざる夜がまた、深く、深く続いていく。

---
 次章予告:

第六章「渇きと依存の境界線」
身体を重ねるたび、律の中に生まれるのは“所有される安心”と、“壊される怖さ”。
けれど、東条は律を決して離さない。
本当の恋は、快楽の果てに芽吹くのか――。

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