潤 閉ざされた楽園

リリーブルー

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第十五章 晩餐にて

ゆれる炎

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ぴちゃぴちゃ。

クチュクチュ。

「ん、いい」

潤が、身体をくねらせる。

「潤、いいの?」

「ふふ、潤、すごい勃ってるよ?」

「痛そう。はりつめてて」

「楽にしてあげようか?」

「擦ってほしい?」

潤は、サッカー部の生徒を抱き寄せて上にのせる。

「あ、潤に選ばれた」

「いいな」

「うらやましい」

潤の手が、相手のハーフパンツの中に入り、相手の尻が半ケツになる。

「尻、白いな」

「潤に入れてやれよ」

「欲しがってるんじゃない?」

「さっきから腰くねくねしてるもんな」

「ああ、エロいよ、潤のキス」

「あっ、アッ」

「欲しいのか?  潤」

潤の喘ぎ声と、おじ様のバリトン声で、はっとした。

僕は、教室の妄想から、潤の実家のダイニングルームの妖しい晩餐に帰ってきた。

(すごい妄想しちゃった。八割がた事実だけど)

いつも潤が、身体を触られたり、囲まれたりしているのは事実だ。

全裸にされてないだけの話で。

みんなの欲望の中では、間違いなく剥かれている。

潤に群がっている時のみんなの目は、そんな目だったから。



ゆれる炎で、きらきら輝く、銀の燭台の蝋燭の燃え残りは、あとわずかだ。

マッチ売りの少女のマッチの炎のように、火は、人を幻に誘う。

太古からの記憶。

古い、古層の記憶。

耳をすます古い記憶。

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