潤 閉ざされた楽園

リリーブルー

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第十六章

昴 3

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「ああ、色っぽいな。その表情」

トモは、感嘆したように言った。

「どう?  わるくないだろう?」

昴が聞いた。

「それはまだわからないけど」

トモは、潤から目を離さずに言った。

「きっと、よくなるよ」

昴は、眼鏡を外した。

潤は、昴の顔を見て、ぼうっとした。

(昴兄さん、眼鏡を外すと美形なんだよな。ずっと外してればいいのに。でも、顔がきれいなことで、人にかまわれるのが、嫌だって言ってた。その気持ちは、わかるけど)

「なんだか怖いな」

トモは、潤に、ちゅっと慣れたキスをした。

「あ、いいね。反応が可愛い。なんて名前だっけ?」

トモの濡れた黒い瞳が、ゆらゆらと潤を見つめた。

「潤」

「ジュン君か。可愛いね。いくつ?」

「16」

「やば……そうなの?」

「いや、高校生な時点でだめだからね?」

昴が、苦笑いした。

「まあな」

トモは、手をゆるめた。

「潤、服、全部脱げよ」

昴が促した。

潤は、起き上がって、兄に言われた通りに、身につけていた衣服を脱ぎ去った。

「潤って、裸でいるのが、好きなんだぜ?」

昴が、潤をからかうような調子で、トモの反応を伺うように言った。

トモは、昴の言葉には、何も応えなかった。

潤は、トモの視線を感じた。

潤の動きに、トモの視線がついてきた。
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