潤 閉ざされた楽園

リリーブルー

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第十章 Leck mich im Arsch

朝食2 兄弟の会話

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 結局、黒革の拘束具も外さずに、潤が、兄で従兄の譲とプレイについて語りあっているのを聞きながら、瑶は朝食のシリアルをざくざく無心に食していた。
「おあずけとか」
「みんなが美味しそうに食べているのを、椅子に手足を拘束された潤は、涎だらだらだしながら、もの欲しそうに見てるんだろ?」
譲がにやにやしながら聞いた。
「うん。いろんな所から、涎だらだら出して」
「それ、前、やったよな」
「結局みんなから食べさせてもらったんだよね」
僕は、潤兄弟が普通の日常会話のように仲良く和気あいあいと、とんでもなくエッチな会話に興じているのを、最初は変だと思って聞いていたけれども、だんだんうらやましくなってきた。
「それ、ビデオに撮ってある?」
僕も、そんな僕の知らない潤の姿を見てみたいと思えてきて、潤に尋ねた。
「どうだっけ、兄さん。確かあるよね? 譲は撮影魔だからね」
と潤は兄の方を見て笑った。言ってから、潤は、はっとしたように僕の方を振り向いた。
「って瑤、なんで俺のエッチビデオの存在知ってるの?」
「ヨウ君に見せたよ」
僕が答えるより先に譲が答えた。
「何を?」
潤は譲に疑念の目を向けた。
「幼少時のバナナビデオ」
「えーっ」
潤は、驚いたように言って、僕を見た。僕はスプーンを動かすのに忙しかった。潤は譲に尋ねた。
「いつ?」
譲は皮肉っぽく鼻で笑ってから答えた。
「昨日の夜、潤が別室でお取り込み中の間に」
嫌味っぽい答えに、潤は少しムッとしたようだが、拘泥はせず、僕に聞いた。
「瑤……どう思った?」
僕は、サラダボウルに手を伸ばして大きなスプーンとフォークで自分の皿に山盛りにしながら答えた。
「ううん……その時は、びっくりしたけど。でも、その前やその後起こったことに比べたら、どうってことないように思えてきた」
僕の返事に、潤は溜息で答えた。
「呆れてるってことか」
僕は白いフレンチドレッシングにまみれたレタスを、なんかやらしいな、とか思いながらフォークでつきさしながら言った。
「うーん……もっといろいろ見たいなって思った」
譲も、あの動画の続きがあるって言っていたから、潤は、どうなっちゃうんだろうと怖いもの見たさで続きが見たいなあと思っていた。それに、さっきの会話のプレイの動画も見てみたいし。譲は撮影魔って潤も言っていたから、きっとずいぶんいろいろあるんだろうなあと思ったのだ。潤は僕の返事が意外だったらしく、驚いたように聞き返してきた。
「え、そうなの? 引かなかった?」
潤は、心配そうだった。僕は、ヤングコーンやレタスやオニオンスライスをぎゅうぎゅう口に詰め込んでしまったのを飲みこんでから答えた。
「潤、可愛いと思った。そしてエッチ。なんたいもりとか、おあずけとか、見たいな」
「ヨウ君、いい感じにエッチに仕上がってるね」
譲が、胸をとんとんしている僕に水のグラスを渡しながら笑って言った。
「だよね。二三日前まで、何にも知らなくて、キスや猥談で赤くなってるような子どもだったのに、なんなの、この成長」
潤も驚いていた。
「なんなんだろうね」
僕は、次は何食べようかな、とナプキンで口のまわりについたフレンチドレッシングを拭いながら答えた。
「そういえば潤、救急隊員が名刺を渡してきたぞ」
と譲が潤に言った。
「え、どうして?」
「どうしてじゃないだろう。部屋で素っ裸で乳首いじってくねくねして。窓から丸見えだったぞ?」
「で、兄さんはなんて答えたの?」
「恥ずかしくて困ったから、とっさに『弟だが、思春期で、少々、精神的に不安定なんです』と言ったよ」
「そしたら、なんだって?」
「心配ですね、だって」
譲と潤は、くすりと笑った。
「どんな人だった?」
「まあまあ、イケメンかな。親切そうな」
「まさか、兄さん、その人と、何かしたんじゃないだろうね?」
潤が、唇の端の、にやにや笑いを隠し切れないまま譲に聞いた。
「あれ? お前、狙ってた?」
譲は、面倒だな、とでもいいたげに、潤に聞いた。
「別に」
潤は、まったく興味なさそうに、あっさり答えた。
「そんなことはどうだっていいんだけど、それより、その人、俺の裸見て、欲情してた?」
「ああ?」
譲は、何言ってんだ、こいつ? と言うような顔して潤の問いに答えた。
「うん、まあ……そういうことだろ。だから個人的な名刺なんて渡してきたんじゃないか?」
譲の答えは歯切れが悪かった。
「それならいいんだ」
潤は、ほっとしたように答えた。
「で、その人と、その後どうしたの?」
「え?」
譲は、一瞬戸惑った様子を見せたが、すぐに開き直ったように答えた。
「うん……病院のトイレの個室で、手で擦ってやったよ。兄として責任をとって対応したんだ」
譲の、真面目ぶった答えに、潤は吹き出して笑った。
「やっぱり、兄さんのことだから、そんなことだろうと思った。叔父様も、後のことは譲にまかせるとか言ってたけど。責任とか言って、それ、単に兄さんの趣味だろ」
潤は、ウケる、と言って腹を抱えて笑っていた。
「俺、目的で声かけてきた奴を、なんで譲が食ってるの? 俺、疑似餌?」
譲は、潤のバカ笑いする姿を、くそウゼエというよな目で見ながらも、しごく真面目な様子で応じた。
「彼は潤のことが気になってるらしかったぞ。気に入ったんじゃないかな。淫乱で露出癖のある美少年を」
譲は嫌味っぽく言ったが、潤は,
「ふふふ」
と愉快そうに笑っていた。
「だから俺が、お前をかばってやったんだよ。深窓の美少年より、手の届く美青年のがいいだろ」
「誰が美青年」
「精一杯、美青年を演じて、お前を、かばってやったんだよ」
「またまたぁ。演じてとか言っちゃって」
「うん、演じたわけじゃないな。もとから美青年だからな」
「自惚れてるな」
「お前ほどじゃないよ」
僕は、兄弟の戯れを聞きながら、朝食をとっていた。そして、舌で潤のそこかしこの感触を味わったことを思い出していた。コリコリした乳首の、舌先に抵抗ある感触。舌先を動かすたびに、潤の嬌声が響いた。僕は舌の感触と潤のビジュアルイメージをリンクさせて快楽を反芻して味わっていた。
 朝食を食べ終わったので、僕と大洗兄弟は食器をキッチンに運び洗浄機に入れたりして、片付けた。
 その後、洗面所で、歯磨きをした。そういえば、顔を洗うのを忘れていたので、顔も洗った。歯磨きして口をすすいだばかりのミント味の口で潤とキスしていたら、潤が、おじ様に呼ばれた。
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