嘘吐きは復讐の引き金

レティシア

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第4章 暁月

終演

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今日が最後の演劇の日。振舞った全てを忘れることはない。ここからは自分の全てを伝える。再びあの地に行くのなら、失う物を減らさなければならないから。
「今日で絶対の約束を守るよ。だから間違えないでね。」
「それじゃあ今日は...」
今日突き立てた狂気は、『契約』。
「今まで私も、お母さん達もみんな嘘を吐いていたね。」
「でも約束は守る。」
「学校の提出物であれ、税金の納付であれ、小さな口約束であっても。」
「そして約束が果たせなかった時、私がお母さんに習った対処法は、」
「 謝 罪 だった。」
「誓った約束は守る。守れなかったら謝る。」
「これは絶対だった。そう、『私』が『俺』に話を聴かせるまでは。」
「それじゃあ訊くよ。直感で答えてね。」
「まず娘に指導する立場として心がけることは?」
回答は予想通りだった。
「なるほど。では次、もしも過去の間違いで現在が狂ったら?」
回答は自信がありそうだった。
「最後。約束が果たせなかった場合の対処法は?」
回答は最早確信を感じ取れた。
「それでは正解発表。お母さん達の答えは、『学校の道徳の授業』だね。」
「報酬として綺麗な花火を見せてあげるよ。それでは今は16時だから
 大体3時間後くらいに見せてあげる。」
私は約束の場所へと壊れかけの足を動かした。
「そうだ。今日のヒントは
『一歩も踏み出せない』、
『どれだけ泣こうとも喜劇は許されない』、
『水に写る月の色』。
 さあ、答え合わせを花火と共にしよっか。」
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