2人だけの物語

人の在らぬ光の国

2つの変数

「どうしてこの国には人がいないの？」
1人の少女が大人に問う。
しかし大人は気づきもせず通り過ぎた
別の大人と合流したようだ。
「-.-.. ..- ..-- -- .-.-- .- -...」
「..-.. ...- -.-. .-. -.-. -..-. .-. .- --」
彼らは瞬きで会話していた。
幼い少女には意味が理解できなかった。
彼らは聾唖だった。
少女が呼んでも答えることはない。
少女は別の大人の正面に立ってボードを見せた。
しかし大人は首を傾げて隣を見合った
「---- --- -... .-. -.-. .--- .-.. .- .-.-- -.--. ..-- 」
「-.- .-.. ... .-. .- ..-.. .. ---- .-.. ..-- ---- ..-.. -... .. .-.. .-. 」
彼らは瞬きで会話するだけだった。
そこに美しい白い服を着た少女が来た。
「あなた、信号通信がわからないの？」
少女は彼らと彼女の通訳となった。
「どうしてこの国には人がいないの？..-.. .. ..- --.-. .-.-- ---- ..-- ...- -.-. -.-. -... --..- ..-.. .-.. .. .- .-. .- ..-- 」
「---- ..-- ...- -.-. -... --..- ..-.. ..-- ...- -.-. .-.-- .. -... .-. .-この国には人の国ではない。」
「--..- ..-.. .-.. .. .- -.--. -.. ..- .-.. .. -...- ---.- .. ... --.-. .- 人が居る方が珍しい。」
「どういうこと...？」
これは、人で在らぬ者達の中に育つ、2人の少女の物語。