2人だけの物語

レティシア

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人の在らぬ光の国

ふたつのおわり

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流れ出た人々を止めることは誰にもできはしなかった。
次々と飛行船は飛んでいき、残された者は『誰も』いなかった。
「これからどうするべきかな」
「もちろん飛行船に乗り込むのもいいね」
「お尋ね者が船に乗れるかはわからないけど」

「そうね、ここからの選択権はおそらく私たちにはないわ。」
「唯一出来る事なんて精々同じ道を歩む人を減らすことだけ。」
「ここで別れるしかないわね。」

しばらく会話を続けているとすでに斜陽の差す時間になっていた。
「お別れね。」

「そうだね」

「「またいつかもう一度どこかで巡り合えることを祈って。」」

飛行船のドアが閉まり、汽笛が響いた。
機械貴族たちを誰一人残さず飛び立った。
流星のように落ちていった二人の名の無き少女を置いて。
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