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人の在らぬ光の国
2つの危機
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ただ逃げ続け、小高い丘の上に登って街を眺めた。
姫の消えた街は騒ぎのせいで働く人も少なく、久々に薄暗く見えた。
数少ない優秀な大人が少女らを探している。
空に煙を吐きながら飛んでいる流れ星を見た。
それは街に落ちた。
耳をつん裂くような轟音と共に一瞬でそこが廃墟になった。
姫様にもその正体がわからなかった。
この国は「兵器」と「暴力」が存在しないから。
合理的に寸分の狂いも無く動いていた国の調和が崩れた。
「まさか型落ちに姫が攫われるとは」
「これで我が国最後の捕虜が消えました。」
「戦争は避けられないでしょう。」
「至急捕虜の奪還を。取り返せば攻撃は避けれる」
「しかし現在レールなしに稼働出来る高性能二脚型探索機は8機だけです」
「それだけでもいい。探すんだ。」
「何としても捕虜を逃がしてはならぬ。」
煙が出る街をただ眺めていた。大きな輸送船が城に着く。
大人たちが逃げ込んでいく。後ろから声をかけられた。
ジャキン。
みなしご少女の後頭部には銃口が突き付けられていた。
「ここまでだ。管理番号HPL-557。」
そして姫にも銃口を向けた。
「まさか代表にまでなれたHPP-073が逃げるとは」
番号で呼ばれる事に違和感を覚えた。
「彼女にはちゃんとココナって名前があるし私にもマナミって名前がある!」
姫は言ったがそれはこう答えた
「それはただの当て字だ。君たちはこの国の命運のかかる捕虜なのだ。」
「番号で管理するくらい他の人と同じくしなければいけない。」
「ちなみに私はMSS-88502と呼ばれてる。」
どうでもいい。至極どうでもいい。
もちろんこの間も少女たちは銃口を向けられていて身動きが取れない。
マナミにそれが近づこうとしたとき、一瞬の閃光が目の前を照らし、
その場にいる全員が吹き飛ばされた。
マナミは偶然にも木の陰に隠れて無傷だった。
ココナは爆風で飛ばされ別の木に打ち付けられ、
同じくあの追跡者は木に打ち付けられたが、四肢が砕けて残骸しかなかった。
煙が散って辺りが見えるようになった。
輸送船が一機出発し、城の明かりが失せていた。
城の住人だけ急いで逃げたのだろう。
我先に逃げたい大人たちは協力して船着き場を協力して作ろうとしていた。
虚空に苛まれていく二人だけの物語
姫の消えた街は騒ぎのせいで働く人も少なく、久々に薄暗く見えた。
数少ない優秀な大人が少女らを探している。
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どうでもいい。至極どうでもいい。
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