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三章
記憶
しおりを挟む遠く遠く、もはや霞むようにしか見えなくなった、過去の記憶。わざわざ手繰り寄せることもなければそうしたいとも思わないような、そういうものだ。
「よろしく。これから私はあなたの姉になるのよ」
華やかに笑う女性だった。村一番の美人と噂されていた娘で、それが、縁あって兄の嫁となった。
緑汀の家には他に兄と母がいて、父は緑汀の十歳の歳に戦で命を落としていた。ただ、母方の家が裕福であったのと兄が役人を務めていたので生活には苦労はしなかった。そのおかげで兄は、いい嫁を貰うこともできたのだろう。二十六といえばいささか晩婚ではあったが、その分いい縁があったのだと、誰もが喜び祝いあった。
ひとつ年下の弟である緑汀も、次の春には兄の縁故で役場に勤めることが決まっており、仕事が落ち着けば緑汀にも縁が欲しいなと言われていた。しかし、そもそも結婚などするつもりのなかった緑汀は、苦笑いでその話題を凌いでいた。自分が家に邪魔になるようなら、稼げるようになったらすぐに家を出てもいい。小さい貸家を見つけて、好きな書物をたくさん買い込んで、夜な夜な読みふける静かな生活ができるならそれがよかった。
なにもかもが平穏に、穏やかに幸せな方に、運んでいたようだった。
それが急変したのは、兄が仕事で帰りが遅くなりがちになっていた、冬の終わりの事だった。
その日は朝から雪がちらつき、夕方には家路はすっかり白く閉ざされた。遅くもなったのだろう、兄は役場に泊まることにしたようだった。無理して帰っても危ないだけだと、朝家を出る時に母から強く言われていたし、そういった言いつけをわざわざ無視する兄でもなかった。
夜になると、母は早めに寝室へと籠る。恐らく眠るのも早い。緑汀はその頃たいてい、春からの役所務めのためにいろいろと勉強しており、自室で書を開いていた。
義姉も母と同じ時間に部屋に入ったと認識していた。結婚からずっと夫のいない夜はなかったはずで、この日は多少寂しかろうと思われたが、緑汀にとってそれはさほど関心のあることではなかったから、気にも留めていなかった。
戸の向こうで吹雪の荒れる気配を聞きながら、うとうとしていたところだったように思う。微かに、気のせいかと思うような弱い音で、部屋の戸が叩かれた。
風か何かと思った緑汀はそれを一度無視したが、また同じ音がして、どうやら誰か用があるのだろうと腰を上げたのだった。
「起きてるみたいだから、すこしいいかしら」
戸の向こうにいたのは、義姉だった。手燭の弱い明かりに照らされたのは、寝間着に上衣を羽織っただけの、あまり感心しないいでたちだったが、急に思いついた用ならそれもあるのだろうと、緑汀は気にしないことにした。実際、下心などがあるわけでもなかった。戸口で話すには寒さが過ぎるため、緑汀は当然のように彼女を部屋に招き入れた。
「部屋は寒くないですか」
「ええ、大丈夫。上着を着てきたし」
初めはそんな会話だった。世間話は苦手な緑汀だったし、用があってこんな時間に自分を訪ねてきた義姉をあまり引き留めてもいけないと思った。
「で、どうしました。なにか御用がおありなのでしょう」
「……ええ、そうね」
義姉はそこで途切れさせ、先はなかなか言葉にしてくれなかった。女性のもったいぶった態度をあまり好まない緑汀は、失礼は承知で先を促すことにした。
「どうしたのです。相談事ですか」
「そうね。貴方にしか言えないことよ」
勧めた椅子に座っていた義姉はすっと立ち上がり、他に椅子がないせいで立ったままだった緑汀に近づくと、腰に手を回して抱きついてきた。義姉の行動の全てに戸惑っている間の、一瞬の出来事だった。
彼女の体から立ち上る甘ったるい香の香りに包まれて、かるく酔いそうだった。ふにゃりと柔い女体の感触が、生々しく感じられた。
「姉さん、これは……」
「お願い。このままでいて!」
彼女には似合わない強い語気に、これこそが義姉の来た目的であったことを緑汀は悟った。これは困る。実に困った状況だが、女を無下に引きはがし、痛みを感じさせるのも気が引けた。なにせ、女色を経験したことのない緑汀にとって、どう扱っていいものやら力加減もさっぱりわからぬのだった。
「……兄がおらず、お淋しいのですか」
一人寝に耐えかねたかという意味で問うた。
「……そういうことにしておこうかしら」
そうではないと返った。つまり、現在義姉が想いをかけ、こうしたいと思う相手は緑汀だということだ。
兄とも当然夫婦として交わっているだろうに、その弟にこのような行動をとるとは。真意はわからぬにせよ、よほどの想いなのかとは思った。しかし、当然応えてやることはできない。
「これでは、貴女も私も兄を裏切ることになります。どうか、明日をお待ちください。貴女を放っておいたぶん、優しくしてくれるでしょう」
ひどく胸が痛かったが、そう言うしかなかった。しかし。
「嫁ぐ前から、旦那様のことは裏切っているの。貴方に似た旦那様となら添えると思った。でも、同じ屋根の下に、今夜彼はいなくて貴方がいるの。耐えられないわ」
義姉は、緑汀の胸にそっと手を添わせた。重ねた襟を爪先がほんの少しめくった、その行為で彼女がこの後に望むものはわかった。
「どうしてです」
「どうしてかしら。私にもわからないのよ。大丈夫。私はたぶん授かりの薄い女。一夜くらい大丈夫だわ」
「姉さん……!」
「拒まないで。お願いよ。一度だけでいいの」
「いけません! 私は、兄を裏切れない。あなたがどうであろうと私は!」
「酷い言い方。あなたを好きになってしまったのよ。今更なにも覆りはしないわ。男なら一度くらい慈悲をくれてもいいじゃない」
強く触れられたら、無自覚に反応してしまった。そういえば先程から頭が重く、火照るような感覚があった。もしや、謀られていたか。
意志とは全く関係なく、勝手に体が動いた。その夜の記憶はそれ以上残っていない。白濁した意識の中で、自分は兄の嫁と事を成したのだった。
そしてこれもまた謀られていたとは思いたくない。しかし、事態は更に悪い方に転じた。三月後、義姉が孕んだとわかった。
初め、兄は手放しに喜んだ。しかし、ある日兄は緑汀に相談を駆けた。義姉が孕むにあたり、その心当たりに確信が持てぬと。つまり、あの時期は兄も疲れていて、帰宅しても夫婦の行為はできていなかったというのだ。
ぎくりとした。しかし、女体について詳しくもない緑汀は、本当に三月なのかどうかはわからない、自然の事だから、多少のずれもあるのだろうと言って兄を納得させた。そうしながら、自分の犯した罪に打ちひしがれた。
緑汀は義姉に早速詰め寄った。あの日の子ではないかと。義姉はやたらと幸せそうにそれを認めた。最悪だと思った。しかし、堕ろせともまた言えない緑汀は、翌日誰にも黙って家を出た。
義姉はそれを異常なほどに悲しんだのだと言う。不審に思った兄は、義姉を問いただし、真相を得た。
兄は思いつめ、緑汀の居場所を探し当てて訪ねてきた。そして、義姉の腹の子は自分の子として育てると言った。
胸が裂けるかと思った。もう二度と自分は実家に足を踏み入れることはせぬと誓った。が、それだけでは終わらなかった。義姉の実家である。
その翌日、借りていた部屋に三人の暴漢が殴り込んできた。義姉の家が雇った者だということは、奴らの口ぶりからすぐにわかった。緑汀は有無を言わせず殴り倒され、蹴り飛ばされ、まだ微かに息のあるまま山奥の沼にあっけなく捨てられた。無念しかなかった。
まだ、緑汀が義姉を愛していたのならそれも本望だったろう。しかし、緑汀の愛していたのは兄だった。一つ違いの実の兄を心から愛し、生涯遂げることのない想いを忍んで生きていたのに。
その罰だったのだろうか。悔やんでも悔やみきれぬ思いを噛みしめたまま、何への抵抗も叶わぬままに命を落とした。
消えて失われていく意識の中で、緑汀は思った。あの子は、幸せになれるのだろうかと。
●
どんな相手にも合わせられるというのは、ある意味強いと緑汀は思う。自分が壊されないという確たる何かがあるから紅玉は、何者も拒まずに受け入れる。恐らくその行為で、相手が心の奥底に隠しているものも感じ取ってしまえるのだろう。
今頃桃花は、紅玉に抱かれているはずだ。いや、案外抱くほうだろうか。
少しだけ離れて、緑汀は部屋の番をしていた。桃花の上げる喘ぎ声や紅玉の語る睦言を聞かれるのは嫌だろうと思ったからだ。やはり、自分直属の者のそういったことにはあまり触れてやらないほうが良いだろう。こちらは何とも思わないが、桃花はまだ若く、少し恥じらいがちなところがある。
事に当たるために、それなりの服も準備してやった。薄衣で作った、肌を出す仕様の服だ。愛らしい容貌と華奢な体には良く似合い、まるで桃花の方が妓娼のように見えた。
紅玉の手で、彼は男として箔をつけるのか、あるいは抱かれる歓びを覚えるのか。どちらにせよ、主は床ではどこまでも色めかしくそして優しいという。決して嫌な思いはしないことだろう。
やがて、香が尽きた。そろそろかと思っているうちに戸の内側に人の気配が近づいてきて、緑汀は転寝から目覚めた。
「失礼します」
声とともに、重く戸が開く。乱れた姿を嫌うのか、情事の後でもきっちりと襟を正した桃花が、どこか気恥ずかしそうな顔で出てきた。
目が合い、彼は頬を赤くしてうつむいた。一晩でずいぶんと艶めいた表情をするようになったものだ。
「案ずることはなかったろう?」
掛ける声は穏やかになった。ふだんの客なら出てきてすぐに声をかけることはないが、今回は違う。話さないのもかえって不自然な気がした。
「は、はい……」
「どうした。骨抜きになったか?」
「そんな……。でも」
「恥ずかしがることはない。これでお前は主に認められてここにいることができる。それだけだと思え」
むしろ、いい味を覚えて紅玉に溺れてしまってもいけない。それは忠誠心とは全く別の執着であって、主の望むところではないのだ。これくらいの反応で、ちょうどいい。
「あの、着替えてすぐ、仕事に戻ります」
さすがにそのままの格好では居づらいようで、桃花は手で体を隠すようにしていた。
「いや、いい。この時は、休暇だ。明日客を迎える時間までは、好きにしていていい」
「あ、ありがとうございます。では遠慮なく失礼します!」
桃花は小走りに緑汀の前を去って行った。これから部屋に戻り、着替えてから体を拭いたりもするのだろう。そして、一夜の余韻を噛みしめるか、あるいは敢えて頭から追い出そうとするのか。
ふうと、意味の分からないため息が落ちる。しかし、正体のはっきりしない感情に囚われているのは好きじゃない。
ここからはまた自分の仕事である。明日からは桃花が半分請け負ってくれるが、今日まではまだ、緑汀一人でやる。そこに特別な感慨はない。ただそうである事実を受け入れ、行動するのみだ。
感情など、あまり役に立たないどころか邪魔になることの方が多くて、そのことは生前にも痛いほど身に染みて感じたはずだ。今も変わらない。
ぐっと顎を上げ、背を伸ばして目の前にある朱塗りの扉を叩いた。
「失礼します」
「うん。いいよ」
寝台から立ち上がって杯の水を含む紅玉に、疲労した様子はない。桃花の相手など遊戯程度の軽いものだったのか。
「今日はどうされますか」
「うん」
「ですから、どうされますか。湯の用意はできています」
「ああ、そうだね。軽く入るか」
「……」
紅玉の様子がいつもとは違うように……どこか上の空であるような気がして、緑汀は彼の表情を伺ってみた。しかし、白くそして整ったそのかんばせに、特にこれといった感情は見て取れなかった。
見られていることに気が付いた紅玉は、ふっと人の悪い顔になって笑った。
「聞きたい? 桃花がどうだったか」
「聞きません。私の配下です。あまり無粋なことは」
「あの子、鬼じゃないよ」
「え」
意外な言葉に、緑汀は我が耳を疑った。しかし、紅玉はふざけてはいない。じっと緑汀を見、紛れもない真実だと伝えてくる。
「どうしたんだかね。こんなところに迷い込んできて。最近たまにいるやつかな」
「天界人……ですか」
そうだとは言わない紅玉だったが、それは会話の前提として加わる情報となった。
「まあ、いいんだけどさ。誰が来ても受け入れるし。人だって天人だって、心に詰まったものが重すぎればこんなところに頼りたくもなるだろうよ」
閻王からの名簿も形骸化してきたなあと、さほど重大でもないように紅玉はぼやく。
「お身体はご無事ですか。その、天界人の気は……」
鬼には良くないものだろうという懸念だった。しかし、だいたいは大丈夫と言いながら、紅玉は天界から来た者もたまには受け入れている。そのせいで特に調子を崩すこともないようだから緑汀も心配するに留めているところだ。
「ああ、あの子はこっちが抱いたから」
「そうでしたか」
「抱いていいよって言ったんだけど、苦手らしくて。今回はしてあげた」
「大事なかったのですね? あなたにも、あれにも」
「ああ。やはり私は特別仕様の体をしているんだろうね。本当に、適材適所というやつだと思うよ」
本人も言うように、三界においての常識とはかなり異なる体質であるらしい。ふつう、異界の者と体液を交換するなどすれば、どちらかもしくは双方にある程度の支障をきたすものだ。性質があまりにも違うため、互いの性質に抵抗してしまうというようなことが起こり、あまり良くないとされている。そういう理由がなくても、そもそもが分かり合える相手でもないため、まず異界の者とは関係を持たないのが普通だ。持っても異端視される。
しかし紅玉はその限りではない性格と、体質と、そして役割を併せ持つ存在だ。確かに適材適所。それでいいのかというのは問題ではない。事実そうだということだ。不思議なものである。鬼の怨念を浄化する紅玉なら、天界人との交わりも可能ということであるらしい。本人も安全とわかって、相手をする。
「まあね。でもねえ、あんな子がどうしてこんなところに来たんだろうね。暗いところがあまりなかったな」
紅玉は、緑汀が既に感じていたことを、体感という意味で言葉にした。こちらももた、気になるところではある。しかし、緑汀にその謎を解くための持ち合わせはない。
「……そういうことも、あるでしょう」
「そうだね。いずれわかる」
「え?」
紅玉の言葉にどこか含みがあるような気がして、耳に止まった。
「いや。なるようになるだろうという話だ。あの子、訳ありなんだろう?」
「まだわからないことの方が多いです。突然ここに押しかけてきて、働きたいなどと言って。本当に置いておいていいものかも、わかりませんしね。それとは別に、あの子も天界人だとは……」
「それも含めてさ。万事、なるようになる。抗う必要もないことだ。そうは思わない?」
楽観的なのか、無責任なのか、あるいは関心がないのか。紅玉はだいたいのことを、こんな風に片付けてしまう。実に鬼らしいといえばそうだが、緑汀とは考え方の違うところだ。
「……そう、ですね。ですが、あなたはそれでいいのですか?」
「どういう意味?」
「このままずっと、こうして……このままで、いるのでしょう?」
出過ぎた質問だとは自覚していた。しかし、話の流れを少し変えてでも、今は何故か問うてみたい気がした。
紅玉は衣を翻し、また寝台に腰かけた。はだけた薄衣を気にもせず、白い脚を大きく組んで、惜しみなく裸足を見せる。
「……君も同じだろう? それとも、いずれここを出て行くつもりかな? そもそも私が命じただけで、君を永遠にここに縛るつもりはなかったんだけど」
「そうでしたか。私はずっとあなたに縛られているものだと思っていましたが?」
「なんだ、好きにしていいのに。もう何年だよ?」
呆れたように、紅玉は笑う。
恐らく彼は、今日この後緑汀が黙ってここを出て行ったとしても、追いも探しもせず、ただ少し、居ないことによる不便を嘆くくらいの事しかしない。出て行くことを予告してさえ、引き留めることもしない。全て成すがままの中に、緑汀の存在も当然含まれる。
だから、縛られているつもりであるのは緑汀の方の望みでしかない。紅玉が自分に「出て行け」とは絶対に言わないことをわかって、縛られている体を取っているだけだ。
傍にいたいと願うのは、自分だけ。だから、想いを紅玉に押し付けることもしない。
ここにいたいと言えば許し、抱きたいと言えばいくらでも抱かせる。そういう人だから。
緑汀は、わざとのんびりと呼吸し、言った。
「ですがねえ、百年以上こうしていると、他の可能性など考えもしなくなります。好きでここにいるものとお思いいただいても差し障りない程度には」
「私と同じか」
「あなたがいつの日かお役目を全うして、私の仕事がなくなれば、考えましょう」
「ここはなくならないだろうさ。次の主に仕えればいい」
「いいえ、私が契約したのはあなたです。あなたと共に路頭に迷うことにしましょう」
「そうなんだ?」
「今更怖いものなんてありません。なるようになるでしょう」
「いいね。そういうの」
そんな日が来るとも思えない、夢のような話だ。
ただ、このひとがいつかは自由を得ることができるのならば、そこに立ち会いたいと思う。
そしてその時には言ってみるのもいい。貴方を抱かせてほしいと。
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